飯能市 住宅街のハーブガーデンで昆虫探し(生活の木 薬香草園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

8月前半はとことん天候に恵まれず、

加えて仕事が繁忙期に入っていたこともあって

休日と言えどなかなか外出もままなりませんでした。

ただ、引き籠っているとすぐ心身に支障をきたすので

久しぶりに飯能市の薬香草園に行ってまいりました。

(本ブログで紹介するのは初めてかも?)

 

仕事でちょっとだけ繋がりのあるところですが

薬草・香草といったハーブで構成されるガーデンで

「生活の木」さんが運営されています。

 

 

 

 

 

 

ハーブの定義はまちまちですが、まあ基本的には

「人の生活に役立てられる植物」ということで……

ゆえにバジルやミントといったよく知られたものだけでなく

野菜なども一部育てられています。

 

ちなみにここに限らずハーブガーデンには

ガウラ(左写真)がよく植えられていますが

これ自体は食用や薬用になるといった話は聞かず

ハーブと言っていいのか相当疑問です……(;^_^A

とは言え、背丈の低いものが多いハーブガーデンにおいては

ボリュームを出しつつ野趣を取り入れられるので

非常に人気は高いようです。広い面積を覆えるのも人気の理由とか。

 

 

 

 

 

アフリカンブルーバジルを訪れたのは、クロアナバチ

バッタを狩って幼虫の餌にするハチですね。

 

ここは新興住宅地の中にあるガーデンで

山や森は少し離れた所にあります。

ただし、飛翔能力に優れ遠距離を移動できるハチであれば

森に巣があっても飛んでくることは可能でしょう。

(まあ、チョウやガにも十分飛べる距離ではありますが)

 

 

 

 

 

 

アフリカンブルーバジルに来たハラアカヤドリハキリバチ(左)と

エキナセアで花粉を集めているキンケハラナガツチバチ(右)。

……このブログでは割とお馴染みの存在ですが

初見の方はこの名前を覚えるのは多分難しい……はず。

 

 

 

 

 

トラマルハナバチもやってきました。

やはりアフリカンブルーバジルで吸蜜しています。

何かこの花、随分人気ですね……。

 

 

 

 

 

新顔のハチにも遭遇しました。

ミツバチを少しデブにしたようなサイズで

腹部の模様が特徴的です。トモンハナバチと言います。

 

遭遇率・・・2 (絶滅危惧種ではなく、この日は何回か遭遇した)

インパクト・・・2 (ずんぐりしているので目立つかも?)

美しさ・・・3 (腹部の模様の入り方はお洒落)

俊敏性・・・4 (ハチらしく飛ぶ時は結構早いです)

知名度・・・2 (手持ちの図鑑にも掲載されています)

 

図鑑では見たことがあったので知った存在ではありましたが

何故かこれまで全然会うことがなかったのが不思議なところ。

ルリモンハナバチ(ブルー・ビー)なんかの方が

希少価値は高い気と言われている気もするのですが……。

 

 

 

 

 

ウラナミシジミも吸蜜中。まだ8月なので数は少なめ。

もう1ヶ月もすると本種の出現率がグンと増します。

 

 

 

 

 

お馴染みのモンキチョウ

逢引き(死後)と見せかけて、交尾を拒否されたシーン。

右の白い方がメスで、腹部を上げているこの姿勢は

テメエと夫婦になんかなりたくねえ交尾したくないという意志表示です。

 

その後、オスは寂しく飛び去って行きました……。orz

 

 

 

 

 

 

ミヤマアカネ(左)にハラビロカマキリ(右)。

チョウやハチのよく飛来するガーデンだけに

自然と「捕食者」も集まってくるのです。

 

ハラビロカマキリの方はまだ成熟していない個体。

9月中旬頃には、恐らく皆成虫になっていることでしょう。

 

 

 

 

 

セリ科のハーブに目を向ければ

またお馴染みのです。

今月だけでコイツ何回紹介しただろうか?

 

このハーブは1株だけでしたが

カメムシの方は結構な数見かけました。

 

 

 

 

 

と、同じハーブに初顔合わせのこんなヤツが。

「ハナグモか?」と最初は思ったのですが

ちょっとフォルムが違い、よりお腹が大き目。

調べてみましたらアズチグモという名前であることが判明しました。

これはちょっと嬉しい、新顔のクモですね。

 

遭遇率・・・3 (探せば割と見つかるらしい。ハナグモと誤認している?)

インパクト・・・1 (この手のクモらしくサイズは小さめ)

美しさ・・・3 (カラーは白から黄色とバリエーションあり)

俊敏性・・・2 (待ち伏せて獲物を捕まえるので俊敏性は不要?)

知名度・・・2 (知られた存在ではないですが図鑑には載っています)

 

Wikipediaにも独立ページを持っているなど

割と見る機会の多いクモのようです。

ハナグモと同じく花の上で獲物を待っているようなので

探してみるのもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

これはウコンです。比較的よく名の知られたハーブ。

ターメリックと言った方がわかりやすいでしょうか?

こんな花だったとは知りませんでした……。

 

終始曇天だったり暑かったりとコンディションは酷かったですが

僅か2時間弱の滞在でも新しい発見と出合いがあり、

個人的には非常に満足できました。

 

 

 

 

 

最後に、売店で自家製コーラをいただきました。

この薬香草園のオリジナルドリンクであり

4種類のスパイスを独自に配合して

コーラっぽい風味を実現したものです。

 

実際飲んでみますと、驚くほどコーラそのものの味。

その上でやや身体に優しそうな感じ……とでも言いましょうか?

話のタネに、ぜひ一度は飲んでいただきたい逸品です。

 

 

 

 

【8/8 生活の木 薬香草園で撮影した生きもの】

アカスジカメムシ、アズチグモ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オオスカシバ、オナガアゲハ、キタキチョウ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロアナバチ、コガタスズメバチ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、セイヨウミツバチ、ツバメシジミ、ツマグロオオヨコバイ、ツマグロヒョウモン、トモンハナバチ、トラマルハナバチ、ニイニイゼミ、ハラアカヤドリハキリバチ、ハラビロカマキリ、ヒメアカタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ミヤマアカネ、ミンミンゼミ、ムシヒキアブ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ラミーカミキリ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年9月19日(日)に開催いたします。

 (8月の講座はお休みとなりました。ご了承ください)

 行先は「三番瀬&谷津干潟」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。