ライン下りもやっているそうです。念のため(長瀞) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

観光名所としては名高い一方で、

これまであまり足を運ぶ機会のなかった長瀞町

秩父鉄道が通る様は確かに絵になりますが

本ブログは知っての通り「首都圏生きものめぐり」なので

風光明媚なだけの観光名所にはあまり用がなかったりします。

 

しかしこの日は河原でとある昆虫を探すべく

大気の状態が安定の不安定の中、行ってまいりました。

(写真は晴天に見えますが、この直前に土砂降りがありました)

 

 

 

 

 

河原にはミソハギが多数自生しており、

アオスジハナバチなどの昆虫が飛来していました。

ちょっとブルー・ビー(ルリモンハナバチ)に期待したのですが

残念ながらこの日は確認できず……残念。

 

 

 

 

 

 

長瀞と言えば岩畳が有名。同時に駅前を中心に

飲食店やお土産物屋が集まっていて確かに観光地らしいのですが

この日は朝早くに到着し、その上天気もぐずついていたので

到着時はまだガランとしていました。

この後天候が回復してくるにつれて人もグンと増えましたが

こういうご時世なので、一応人混みは避けます。

 

 

 

 

 

この日最大級のスコールに見舞われた瞬間。

傘があっても濡れるレベルだったので

あずまやで止むまで待機しました。

 

この手の雨は一気に降りまくる一方

基本的にはそこまで降り続くことはないので

これを機に小休止して体力を回復させます。

 

 

 

 

 

で、そのあずまやで雨宿り中に遭遇した

ちょっと大き目でもっさりとした「蛾」

図鑑で調べたのですが正体不明のままです……。

(ご存知の方、いらっしゃいましたら教えてください)

 ▼

本日、読者様からの情報で、

アカヒゲドクガというドクガ科であることが判明しました。

画像を照合してみましたが、どうやら間違いなさそうです。

 

遭遇率・・・2 (絶滅危惧種ではない)

インパクト・・・3 (毛深いしサイズもそこそこ)

美しさ・・・2 (蛾ではあるが、毛深く見方によっては可愛い)

俊敏性・・・3 (一応蛾なので飛べばそれなりかと)

知名度・・・2 (よく見たら図鑑に載っていた)

 

ドクガということで一瞬眉を顰めてしまいましたが

例のキアシドクガと同じく、コイツも成虫・幼虫共に毒がないそうな。

(じゃあドクガというのは一体何なんだろうか……)

幼虫は成虫と同じくもっさりしていてケ●シ嫌いにはキツイ外見とのこと。

しかしクヌギなどを食害することを除けば、人には無害な存在です。

とりあえず一緒に雨宿りした仲(?)ということもあり

喜んで新顔登録させていただきます。

また、情報提供者様、誠にありがとうございました。<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

天気が回復してきました。あまり長時間降らなかったためか

川の水もあまり増水しておらず、濁ってもいません。

岩盤の模様が独特で、これはどうやら川の水に

長年削られることで形成されたようです。

 

ちなみに冒頭で書きました狙いの昆虫なのですが

結局この日は1匹も確認できませんでした。

時機を逸したのか、減少して消えてしまったのか……。

 

 

 

 

 

 

昆虫自体は少なくなく、特にバッタの仲間は豊富。

普段撮りにくいキリギリス(左)も、河原の開けた草原に出てくると

視界を遮るものが少ないため、割と容易に撮影できます。

右はお馴染みのトノサマバッタです。褐色体ですが、

やはり河原で目立ちにくい色へと進化した……のか?

 

 

 

 

 

クルマバッタにも遭遇。最近減ったと聞くだけに

本種に会えると結構嬉しくなります。

ちなみにこの日はそこそこの数遭遇しました。

 

 

 

 

 

キイトトンボにも遭遇。これもまた嬉しい出合いです。

名所と比べると数は少ないですが、これも自然度が高くないと

なかなか見られないトンボだったりします。

 

 

 

 

 

何かのキクの仲間。カワラノギクではないです。

結構な数が岩の隙間から生えてきています。

 

 

 

 

 

ハンミョウの仲間ですが、最近妙に数の増えた

トウキョウヒメハンミョウではないようです。

背中の模様などから、コハンミョウだと判断しました。

 

遭遇率・・・2 (数は少なくない模様)

インパクト・・・1 (小さいし目立ちにくい)

美しさ・・・3 (金属光沢はある)

俊敏性・・・4 (ちょこまか動き回るので撮りにくい)

知名度・・・2 (図鑑には載っている)

 

手持ちの図鑑には河原環境を好むとありますが

背中の模様については個体差があるらしく

もしかしたら間違えているかもしれません……(汗)。

 

 

 

 

 

こちらの方は明確に「新顔」と判断できる種。

クチバスズメというスズメガの仲間です。

体調はアブラゼミくらいで、かなり目立ちます。

 

遭遇率・・・2 (絶滅危惧種ではない)

インパクト・・・3 (このサイズですからね)

美しさ・・・2 (擬態目的で枯葉の模様をしているので地味)

俊敏性・・・3 (まあ、飛んだら早いと思いますが…)

知名度・・・2 (図鑑には載っている)

 

 

 

 

 

 

上に書いた飲食店やお土産物屋の並ぶ商店街もあれば

(左のツバメの巣は商店街で撮影しました)

河原は確かに「自然地」と言える場であり、

イノシシの足跡を見かけました(右)。

 

川からほんの数百メートル離れた所が商店街というだけに

ちょっと緊張感を煽られますね……。

 

 

 

 

 

ロープウェイで宝登山(ほとさん)へも。

ちなみに昼過ぎには天候も回復し、

ちょっと前に土砂降りだったのが嘘みたいです。

 

 

 

 

 

宝登山で撮った、クルマバッタモドキの交尾。

バッタの交尾というとオスがメスの上に乗る形が基本と

思われていますが、この個体はサイズ差があり過ぎたためか

ちょっと斜に(?)構えないと大事な所が届かなかったようです。

 

ちなみに山頂付近もバッタが多数いましたが

クルマバッタやトノサマバッタは見かけませんでした。

彼等は専ら河原周辺でエンカウントしており

同じ長瀞でも「棲み分け」していることがよくわかります。

 

 

 

 

 

ヒグラシです。こうして手に持って撮ったのは

随分久しぶりのように感じます。

(普段は声こそ聞こえるものの、ちょっと見つけにくい)

 

 

 

 

 

宝登山山頂から、秩父市街地と武甲山を望む。

中央奥に見える山頂付近が剥げているのが武甲山。

これは石灰岩の採掘によるものです。

 

ちなみに武甲山のある風景は昨年も掲載しています。

秩父界隈のシンボルみたいな山です。

 

 

 

 

 

最後に、帰りの電車の中で見かけたハグロトンボです。

どこかから入り込んでしまったようなのですが

結局その後出ていくことも出してもらえることもなく

(捕まえようとすると飛んでしまう)

熊谷までついてきてしまいました。(;^_^A

 

私は熊谷で降りたのでその後のことは知りませんが

まあ……新天地で元気に生きてください(爆)。

 

 

 

 

【8/9 長瀞で撮影した生きもの】

鳥類・・・カワラヒワ、キジバト、セグロセキレイ、ツバメ、トビ、ヒヨドリ、ホオジロ

昆虫類・・・アオスジハナバチ、アオバハゴロモ、アブラゼミ、アメンボ、ウラギンシジミ、キイトトンボ、キマダラセセリ、キマワリ、キリギリス、キンケハラナガツチバチ、クサカゲロウ(幼虫)、クチバスズメ、クルマバッタ、クルマバッタモドキ、クロイトトンボ、コチャバネセセリ、コバネイナゴ、コハンミョウ、サザナミスズメ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、ダイミョウセセリ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ツマグロヒョウモン、トノサマバッタ、トラマルハナバチ、ニイニイゼミ、ハグロトンボ、ハラビロカマキリ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、ムネアカオオアリ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ヤマトフキバッタ

その他・・・アカミミガメ、クサガメ、ニホントカゲ、ミスジマイマイ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年9月19日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&谷津干潟」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。