“黄色くて細長いの”ふたたび(国営昭和記念公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

昨年の最初の緊急事態宣言期間中は閉園されていた

国営昭和記念公園(東京都立川市ほか)ですが、

現在はちゃんと開園されています。

これはまだ8月の記録となりますので

サルスベリが満開期となっておりました。

サクラと比べると知名度こそ劣りますが

こうして列植されているとなかなか圧巻の花風景です。

 

 

 

 

 

 

池で何度かギンヤンマを見かけ、産卵シーンにも2度遭遇しましたが

内1回は周りにいた別のトンボ(シオカラトンボ)に邪魔され

なかなか産卵場所を確保できずにいました。

「異種」が縄張りに侵入してくれば、拒否するのも当然のこと。

そう容易に共存共栄することはできないようです。

 

 

 

 

 

園内で保存されているサギソウ

湿地の一角に、ミソハギと一緒に生えています。

ちなみにこの植物はランの仲間。

よく見るとエビネやキンランに似ているのがわかります。

 

 

 

 

 

 

一方で秋が近づいてきていることもあってか

ススキの根元にナンバンギセルが生えてきていました。

珍妙な花ですが、珍妙であるが故に目を惹きますし

一度見たら忘れられません。

 

 

 

 

 

池の一角にナツズイセン(奥)とミソハギ(手前)が。

 

 

 

 

 

広場付近の花壇には、最盛期を迎えたジニア(手前)と

咲き始めたばかりのコスモス(奥)が。

夏~秋の移り変わりシーズンであることがよくわかります。

 

 

 

 

 

小輪咲きのヒマワリ花壇も。花数もたっぷりで

一般によく知られた大輪のヒマワリによる花壇より

「面」で魅せる効果は高いように感じます。

 

 

 

 

 

少し離れた別の花壇に、こんなヒマワリも。

東北八重といいます。一般的なヒマワリとはまるで異なる形。

他にも、クリーム色や赤色の品種なども出ています。

ヒマワリの世界もバラやクリスマスローズなどと同様

今、どんどん進化しているのです。

 

ヒマワリの花壇と言えば、葛西臨海公園に多彩なヒマワリを植えた

花壇がありました。オリパラ期間中に合わせて咲かせていたので

今はもう終わっているかもしれませんが、

来年の夏にももしかしたら実施されるかもしれません。

 

 

 

 

 

晩夏の象徴とも言えるツクツクホウシ

最近、方々で声を聞くようになりました。

(フラッシュ使用につき変な色です。ご了承ください)

 

 

 

 

 

ここから少しトンボが続きます。

写真はわかりにくいですが、メスマユタテアカネです。

翅の先端が透明のものもいれば、ノシメトンボのように

黒く染まっているものもあり、判断がしにくいトンボ。

なぜ、そういった差が生じるのか? 興味があります。

そういう進化には何かしら「理由」がある気がしますので……。

 

 

 

 

 

交尾中のアオモンイトトンボ

小さな池などの多い公園なので

この手のトンボはよく見かけます。

 

自分の所感としては、東京都内では随一の

トンボ王国と言っていいように感じます。

 

 

 

 

 

上の写真と差は大きいですが、名前は誤差範囲(?)。

これはアオイトトンボです。(こちらもフラッシュ使用)

 

 

 

 

 

そして、昭和記念公園といえばコレは外せない。

個人的に代表種と考えているキイトトンボです。

園内ではある特定のエリアで多数観察でき、

黄色くて細長いの」として子供達にも印象に残りやすい模様。

 

例年より少し訪れるのが遅れてしまったこと

そして天候が不安定だったこともあり、

昨年よりも見られた個体数は少なめでしたが

それでも探すのに苦労しないレベルでした。

 

なお、写真の個体は珍しく翅を開いています。

 

 

 

 

 

サイズは小さいですが、色は鮮やかで身体もやや太く

飛んでいれば見つけるのは然程難しくありません。

初見時には、確かに黄色い棒が横倒しになって

飛んでいるような感じなので、結構印象に残ります。

 

 

 

 

 

顔だけクローズアップ。

こうして見ると目つきがキツいように見えなくもない。

 

 

 

 

 

 

エンマコオロギ登場。サイズが明らかに他のコオロギよりデカいので

見分けはすぐつく……のですが、写真だと伝わりにくいかも。(;^_^A

一応、顔(右)は確かに閻魔というか、なかなかの強面です。

 

 

 

 

 

昨年と同じ場所で、ニホンアカガエルにも遭遇しました。

まだこれは小さい個体です。いくつか見かけましたので

どうやら無事繫殖できているようです。

 

 

 

 

 

そういえば、今年初めて

成虫のオオカマキリにも遭遇しましたが……。↓

 

 

 

 

 

ちょっと手を伸ばしたら物凄い勢いで威嚇されました。

ちなみに威嚇の際には、鎌を大きく広げるか、

あるいは翅を大きく広げるか……いずれにしても

自分の身体を大きく見せる行動をとります。

(両方の場合もあるらしい)

 

この場合、迂闊に手を出すと挟まれるだけでなく

肉を食い千切れる鋭い牙で噛み付かれることもあります。

自分はネタとして試したことはありますが(爆)

挟まれたらなかなか外せないし、最悪流血沙汰になるので

お子様方はくれぐれもお気を付けください……。

 

カマキリの本格的なシーズンは、これからです。

 

 

 

 

 

日本庭園に足を運んだら、池の水を全●抜く状態。

ちなみに番組と同様、池の生きものは避難させているそうです。

 

水が抜けたら、浮島が亀の形をしていることが判明。

……ちょっとした発見です(で?と言われたらそれまでですが)

 

 

 

 

 

 

最後に、帰りがけに立川駅前にて。

海からは大分離れていますが、イソヒヨドリのオスがいました。

まあ、磯だけでなく内陸部にもそれなりにいる鳥なので

それほど驚くことでもないですが、一応記録写真を撮っておきます。

 

 

広い公園で、プール等を除けばあまり人が密集することもないため

こういうご時世に自然散策をされるならばピッタリのスポットです。

 

 

 

 

【8/21 国営昭和記念公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、カルガモ、キジバト、ムクドリ

昆虫類・・・アオイトトンボ、アオメアブ、アオモンイトトンボ、アカスジキンカメムシ、アブラゼミ、アメンボ、イチモンジセセリ、イチモンジチョウ、イボバッタ、ウチワヤンマ、エンマコオロギ、オオカマキリ、オンブバッタ、キイトトンボ、キタキチョウ、キンケハラナガツチバチ、ギンヤンマ、クマバチ、クルマバッタモドキ、クロアナバチ、クロウリハムシ、コバネイナゴ、ササグモ、シオカラトンボ、ジャコウアゲハ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、スズバチ、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、ツクツクホウシ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、ニイニイゼミ、ニホンミツバチ、ノシメトンボ、ハグロトンボ、ヒナバッタ、ヒメウラナミジャノメ、プラタナスグンバイ、マメコガネ、マユタテアカネ、ミンミンゼミ、ムシヒキアブ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ

その他・・・ニホンアカガエル、ニホンアマガエル、ニホンカナヘビ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年9月19日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&谷津干潟」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。