ちょっとした味変(こども自然公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

オオカマキリといえばチョウやバッタなどの

やや大型の獲物を両腕で捕獲して食べることが

ほとんどですが、この個体はそれぞれの腕で

1匹ずつ小型のハエらしきものを捕まえています。

私が見つけた時には既に捕獲した後だったので

どのようにこの2匹を捕まえたのかが

気になって仕方ありません。

かなりの器用さが求められると思いますので。

 

 

 

 

 

 

上記のオオカマキリは、

こども自然公園(大池公園)で撮影したものです。

昨年は11月の講座でご案内したスポットですね。

 

右写真の草原は、通りやすいように刈り取ったのか

昨年と違いわかりやすく「道」が設けられておりました。

この方が、来園者は変に草を踏み荒らすことなく

人為的に設けられた道のみを歩くようになるため

草原の状態を健全に保つには効果的とも言われています。

(ただ、実際どういう目的で刈り取ったのかは不明です)

 

 

 

 

 

この日はツチイナゴが多く出ていました。

ただ、一番遭遇率が高かったのは

やはりショウリョウバッタモドキ(後述)でしたが。

 

 

 

 

 

バッタといえば、何となく細長い単子葉類の葉ばかりを

食べている印象があったのですが

実はツチイナゴはクズカナムグラなどが好み。

(なのでこの写真は「味変」ではありません)

この個体もクズの葉を食べています。

 

今まであまり意識していませんでしたが

確かに彼らを見かけるのはクズの葉の上が

多かったような気がしないでもありません。

他のバッタとの競合を避けるために

そういう方向に進化した、一種の生存戦略なのでしょう。

 

 

 

 

 

2匹目のオオカマキリ

お腹の大きさからしてメスと思われます。

午前中の寒い間はトップ写真の個体以外

見られなかったのですが、正午を過ぎて

暖かくなってくると立て続けに遭遇しました。

 

 

 

 

 

別個体。翅が大分ボロボロになっていますが

それでもちゃんと生きており

鋭い目つき(?)でこちらを睨んできました。

 

 

 

 

 

こちらはハラビロカマキリ

ちょっと珍しい褐色タイプです。

(大池公園で見たのは初めてかも)

 

 

 

 

 

 

カマキリ以外の昆虫も、暖かくなってくると

一挙に動きが活発になりました。

羽化中のナミテントウ(左)と

ベンチにしがみつくショウリョウバッタモドキ(右)です。

なお、本家(?)のショウリョウバッタは

この日は全く見られませんでした。

 

 

 

 

 

地上を歩くショウリョウバッタモドキ

写真だとわかりにくいかと思われますが

これは大型のメスです。

 

 

 

 

 

 

鳥についても、池には渡りのキンクロハジロが多く訪れ

昨冬に引き続きクビワキンクロのメスが混じっていました。

クビワキンクロのオスはよくいるキンクロハジロのオスと

非常によく似ていますので、同種のオスと誤解して

群れの中に入り込んでしまったのかもしれません。

 

 

 

 

 

なお、特に他のキンクロハジロ達から

邪魔者扱いされたりすることもなく

普通に一緒に行動しています。

 

 

 

 

 

こちらはアオゲラ。アカゲラと違い日本固有種。

いつになく開けた場所にいたおかげで

歴代最高クラスの良い写りとなりました。

カキの実を見上げているかと思いきや……。↓

 

 

 

 

 

なんと、実を食べ始めました。

キツツキの仲間といえば肉食が基本ですが

Wikipediaなどをよくよく読みこんでみると

たまにこうして果実を食することもあるようです。

また、地上でアリを食べることもあるなど

同じキツツキ科のアイツと似た食事もするのだとか。

 

単に色々なものを食べたいだけなのか

何かしらの理由でビタミンC(?)がほしいのか……

いずれにせよ珍しいシーンではありますので

私も含め現地のバードウォッチャーは

必死にシャッターを切り続けておりました。

 

 

 

 

 

最後に、公園内の小動物園でこんな掲示が。

今年も例年通り方々で発生しておりますので

注意が必要です。我々も、死んだ鳥を見つけた際は

変に手を出さず、役所に報告するよう心掛けましょう。

 

 

 

 

 

【11/27 こども自然公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオゲラ、エナガ、カシラダカ、カルガモ、カワセミ、キンクロハジロ、クビワキンクロ(♀)、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、マガモ

昆虫類・・・アキアカネ、オオカマキリ、キタキチョウ、キンケハラナガツチバチ、クビキリギス、コバネイナゴ、ショウリョウバッタモドキ、ツチイナゴ、ツマグロオオヨコバイ、トドノネオオワタムシ、ナミテントウ、ハエトリグモの一種、ハラビロカマキリ、ヒナバッタ、ヒメアカタテハ、ベニシジミ、ムラサキツバメ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年1月15日(日)に開催いたします。

 行先は「茅ケ崎里山公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。