メタリックカラーな生きものを追いかけて(鎌倉) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

大河ドラマで現在広く名の知られている

北条政子の墓所。鎌倉らしいというべきか、

教科書に名の載るような人物の墓所にしては

寂れた印象があるというべきか……

しかしいずれにせよ、非常に静かな立地なので

永久の眠りの場としては落ち着くかもしれません。

 

自然度も高いので、あまり相応しくはないのでしょうが

つい生きものを探してしまいます。

(写真はニホントカゲ

 

 

 

 

 

この日は毎月恒例の「花をたずねて鎌倉歩き」

参加しておりましたが、それ以外でもここ2ヶ月ほど

鎌倉に足を運ぶ頻度が増えています。

 

残念ながら悪天候につき開催はできませんでしたが

7月の講座「首都圏生きものめぐり」では

朝夷奈切通(後述)などを巡る予定もあったほか

仕事でも鎌倉市内の緑地の取材・撮影を行っていたため

実際にはブログにアップしている以上に

何度も足しげく通っていたりします。

 

 

 

 

 

水路で見かけたヤマアカガエル

陸に上がってそれほど経っていないのか

まだまだ身体は小さかったですが、

ちゃんとヤマアカガエルの特徴は出ています。

 

 

 

 

 

季節がら、だんだんカマキリを見る機会が

増えてきた気がします。まだ幼虫ですが。

 

 

 

 

 

 

英勝寺境内。季節の花も結構多く、

モンキアゲハが吸蜜に訪れていました(右)。

 

 

 

 

 

同じく英勝寺の竹林にて。

岩盤の上を這うようにして広がる木の根っこ。

「植物とは、土に根を張るもの」という

固定観念がどうしてもありますが

このような状態でもしっかり葉を茂らせている辺り

生命力の強さを実感させられます……。

 

 

 

 

 

これは新顔のカミキリムシ。

キンケトラカミキリといいます。

名前の由来は……言うまでもないか(;^_^A

 

遭遇率・・・2 (この日2回遭遇しているので、珍種ではない模様)

インパクト・・・2 (小型でやや目立ちにくい)

美しさ・・・4 (黄色地にユニークな模様)

俊敏性・・・3 (速くはないものの頻繁に飛ぶ)

知名度・・・2 (手持ちの図鑑には掲載されている)

 

毎月参加させていただいている鎌倉歩きの講座ですが

皆さんと一緒に歩いている最中でも結構新顔の生きものに

会う機会が多く、侮れなかったりします。

無論これは繁華街でなく、鎌倉市内でもより自然度の

高いスポットを訪問しているからこそとも言えるでしょう。

 

 

 

 

 

さらに、浄光明寺の境内では

高台へと登っていくと……。

 

 

 

 

 

なんと、タマムシがどこからともなく飛んできて

私に体当たり(?)してきました。

すかさず捕獲。もちろん素手で。

まあ虫取り網を担いで鎌倉歩きするのもアレなので当然ではありますが

 

やはりこのメタリックグリーンは

他の数多の昆虫よりも目を惹き、

昆虫ファンでなくとも魅了してしまうもの。

ちなみにケヤキの樹上などを飛ぶ習性があるため

高低差のある境内で、低地の樹上を飛んでいた個体が

たまたま私にぶつかってきたものと思われます。

 

 

 

 

 

前にも書きましたが、

正面から見ると顔が微妙

この顔を見たらちょっと嫌いになる人も

いないとは言えない……かもしんない(汗)

 

余談ですがリンゴやマキノキなどを食害するため

果樹園の経営者や庭師さんの間では

ガチで嫌われていたりもするそうです。(;^_^A

 

もちろん、散策中にタマムシと会うことは

貴重な体験であることに変わりはありませんので

一般大衆はまあ難しく考えず、素直にその美しさに

「感動」していれば良いのかもしれません。

 

 

 

 

 

さらにモクズガニにも遭遇。

昨年は9月に多数遭遇しましたが

もうちょい早い時期から遡上してきているようです。

 

 

 

 

 

 

海蔵寺も訪問。以前雑誌の取材で

お世話になった寺社でもあります。

この日はキキョウ(左)が見頃でしたが

9月頃になるとハギやリンドウが最盛期を迎えます。

季節それぞれで見所があるので

何度も参拝したくなる魅力があります。

 

右は、近くで見かけたモノサシトンボです。

 

 

 

 

 

 

解散後、7月の講座の下見も兼ねて

石窯ガーデンテラスに足を運びました。

この時点ではまだルリモンハナバチ(ブルー・ビー)は

出現しておらず、いたのはトラマルハナバチ(右)ばかり。

やはり真夏の猛暑日まで待つ必要があるのか?

それとも単に運が悪かっただけなのか……?

 

ちなみにトラマルハナバチも花粉の運び手ではあるため

植物視点で考えれば大切な「お客様」であることに

変わりはありません。これはこれで愛嬌もありますし。

 

 

 

 

 

 

最後に、朝夷奈切通も訪問。

ハンミョウも複数観察することができました。

 

結果的に、日本で美しい昆虫とされる

2トップ(タマムシ&ハンミョウ)に会えたので

非常に充実した1日であったと言えます。

もっとも、ハンミョウはともかくタマムシについては

狙って会いに行くのは少々難しいのですが……。

(ケヤキの樹上辺りをず~っと見張っていれば

会える率も高まるのでしょうが、炎天下では危険)

 

 

 

 

 

最後に、カラスアゲハを撮ってフィニッシュです。

フラッシュ使用につき色が少々変わってしまいましたが

このチョウもやはりメタリックカラーが魅力的。

 

この時は地面に下りて吸水していましたが

どうも吸水時は翅をばたつかせる習性があるらしく

いつぞやのように美しいご開帳シーンを

撮影することは非常に困難です。

(フラッシュを使用したのはそのせい)

無論、網で捕獲すれば事足りるのでしょうが

虫取り網を担いで鎌倉歩きに参加するわけにはry

 

後で振り返ってみますと、この1日だけで

随分メタリックカラーの生きものに会えました。

地味ながら、冒頭のニホントカゲもそう。

以下の生きものリストにもまとめてみましたので

ご参照くださいませ。

 

 

 

 

【7/10 鎌倉で撮影した生きもの】 ※緑字はメタリックカラーな生きもの

鳥類・・・イソヒヨドリ、ツバメ、トビ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アシナガバエ、イノコヅチカメノコハムシ、ウラギンシジミ、オオシオカラトンボ、カマキリの幼虫、カラスアゲハ、キセキレイ、キタテハ、キンケトラカミキリ、クサカゲロウ(幼虫)、クマバチ、コチャバネセセリ、シオヤアブ、シマアメンボ、スジグロシロチョウ、セグロアシナガバチ、ツマグロヒョウモン、トラマルハナバチ、ニイニイゼミ、ハグロトンボハンミョウ、ヒメアカタテハ、マルウンカ、モノサシトンボ、モリチャバネゴキブリ、モンキアゲハ、ヤマトシジミ、ヤマトタマムシルリジガバチ

その他・・・クサガメ、タイワンリス、ニホントカゲ、モクズガニ、ヤマアカガエル、ヨシノボリ

 

 

 

 

 

【おまけ】

鎌倉駅西口の時計塔辺りに設置されている

ウォーターサーバーのようなもの。

この先、暑い時期が続くことが予想されますので

熱中症予防の観点からも有効に利用したいものです。

(水分は「余分」と思うくらい持ちましょう)

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年8月21日(日)に開催いたします。

 行先は「小山田緑地」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。