シシ神のメッセージ(御岳山・後編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ハイキングコース内の滝。

やはりここが一番の人気スポットらしく、たまり場になっています。

周囲と比べて明らかに体感温度が低かったのをよく覚えています。

 

 

 

 

 

岩をちょいと持ち上げてやると、サワガニが現れました。

手にとってここまでクリーンに撮影できたのは

何気にこれが始めてだったり。

 

普段の散策時は「歩く」ことに重点を置いていることもあり

あまり石をどけたり廃材を割ったりしないため

隠れる習性のあるサワガニ等は遭遇率がかなり低かったりします。

 

 

 

 

 

上記のサワガニを沢に戻したところ。

すばやく水の中へと逃げていきました。

 

 

 

 

 

滝のところで休憩中のハイカーの首に、アオバセセリが。

秩父以外でアオバセセリを見たのはこれが初めてです。

汗を吸っているようですが……ミネラル補給の一環ということか?

 

 

 

 

 

同じ個体です。リュックサックの肩掛け?でも何やら吸っていました。

カメラを更新したこともあって、これまた歴代トップ級の写りです。

 

余談ですが、こうした肩掛けやカバンの持ち手などは

とりわけ汗を吸収しやすく、臭いのもとになることがあります。

特に盲点となるのが、首からカメラを提げる際のヒモ。

後で臭いをかいで悶絶したことが何度かあります。

 

デート時は特に要注意。くさい奴は嫌われても文句は言えません(迫真)

 

 

 

 

 

水面に目を向けると、寸詰まりのような小さなアメンボが。

今までにも何度か見かけることは(多分)あったと思いますが

撮影する機会のなかった新顔 シマアメンボです。

 

遭遇率・・・3 (レア種ではない模様)

インパクト・・・1

美しさ・・・2

俊敏性・・・4 (流水の上を活発に動き回ります)

 

日参しているブログで紹介されていたのですが、どうも本種は池沼よりも

山間部の小川などを好むらしく、都心だと見かける機会は少ないかもしれません。

ただ、こういう川の上流域では至ってメジャーな昆虫のようです。

水が流れている小川を活発に動き回り、日陰であることがほとんどなので

旧カメラではマトモに撮るのはちょっと難しかったかもしれません……。

 

 

 

 

 

交尾をしようとしている個体。

水面に目を凝らせば、こういうシーンもすぐ見つかります。

 

 

 

 

 

 

前編でも登場したヨツスジハナカミキリ

1つの花に複数のカップルが集まっていることもザラです。

有名なゴマダラカミキリなんかに比べるとサイズは小さく、とても華奢です。

 

 

 

 

 

小さいけれどきれいで目立つアカアシカスミカメ

 

 

 

 

 

デカいけれど地味で目立たないナナフシ

 

まあ、地味なのはカモフラージュのためにあえてそう進化したのでしょうが

慣れた人間にとっては見つけるのも簡単だったりします。

 

 

 

 

 

こちらも地味ですが、新顔のゾウムシです。

凸凹した質感が特徴の大型種で、そのままオオゾウムシといいます。

 

遭遇率・・・2

インパクト・・・3

美しさ・・・2 (若干気持ち悪いかも?)

俊敏性・・・2 (ジッとしていることが多かったです)

 

ゾウムシの系統はどれも地味な配色のものが多いため

甲虫の中でもとりわけ識別に苦労させられます。

オオゾウムシも似た色のものが結構いましたので

正直、今もあまり識別に自信がなかったりします……。

(もし違う種でしたらそっと教えてください)

 

 

 

 

 

これまで足を運ばなかった見晴らし台から風景を楽しみ、

食事のためにケーブルカーの駅方面に向かいます。

 

が、その道中、斜面の一角に目を向ける異様な人だかりが……。↓

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 


なんと、散策路のすぐ目の前の斜面で

カモシカ(ニホンカモシカ)が草を食べています。

日本の固有種にして特別天然記念物、もちろん今回が初顔合わせ。

これはもう文句なしの大収穫です。

 

遭遇率・・・1

インパクト・・・5 (間違いなく今年最大の衝撃)

美しさ・・・3

俊敏性・・・4 (でもあまり逃げないという噂も)

 

 

何度か目が合いました(私だけでなく他の観光客も見ていたのでしょう)が

一切動じた様子もなく、また草を食べ始める……の繰り返し。

長いこと御岳山で暮らす中で、人は恐れる存在でないと学んだのかもしれません。

(特別天然記念物なので基本狩猟や駆除の対象にはなりません)

餌付けされている?と一瞬勘繰りましたが、

だったら奈良公園のシカよろしく餌をねだってくるのが自然ではないかと。

つまり、純粋に人の暮らす場のすぐ目の前で、野生として生きているということでしょう。

 

 

 

 

 

もののけ姫に登場する、生と死を司る獣神「シシ神」

諸説ありますが、カモシカをモチーフの1つにしているという噂です。

(映画を見るとわかりますが、色々な動物の特徴を有しています)

 

人馴れしていない野生のシカと同じく、警戒心が強い印象がありますが

意外にもカモシカは好奇心旺盛らしく、人を見てもあまり逃げないのだとか。

実際この個体も、眼下で観光客が一斉にカメラやスマホを向け

ざわついているにも拘らず、食事をやめようとしませんでした。

こういう威風堂々とした雰囲気もまた神のモチーフとされる所以であろうか……。

 

 

 

 

 

一通り食事を済ませて気がすんだのか、

ゆっくりと斜面を歩いて森の中へと消えていきました。

有名な話ですが、特殊な足の構造ゆえか斜面を移動するのが得意で

到底人が歩けそうにないところでもお構いなしのようです。

 

このカモシカに会う前々日、私はとあるくだらないミス(?)で

活動の原動力である動植物に対する思い入れを一時完全に失い

ブログを閉鎖して消えてしまいたい衝動に駆られました。当日UPした記事の通りです。

前日にようやく立ち直って御岳山に向かった、まさにそのタイミングで

カモシカが私の前に現れたのには、何らかの“意味”を感じずにはいられませんでした。

 

正直、神の存在を信じるほど殊勝な人間ではありませんが

あの時私を見るカモシカの目には、ある種のメッセージが込められていたような

そんな気がしてならないのです。実際、このカモシカとの遭遇を境に

動植物への思い入れが一層強くなったのは間違いありません。

 

まあもしかしたら草のことしか考えてなかったかもしれませんが(爆)

 

 

 

 

 

その後、山菜定食でお昼ご飯を済ませ……

(コンニャクととろろが特に美味です)

 

 

 

 

 

もう一度、群生地でレンゲショウマを一通り観察し……

 

 

 

 

 

時折ポケGOを起動しつつ、歩いて下山しました。

なんか二足歩行のデカいサイが出てきましたね……珍しい……。

 

ちなみにカモシカをモチーフとしたポケモンは、まだ存在しない模様。

オドシシは恐らく雄のシカがモチーフです。

ほか、イノシシはウリムー・イノムー・マンムーの

ツキノワグマはリングマの、イタチはオタチ・オオタチの、

サルはマンキーのモチーフとしてそれぞれ採用され、

既にポケGOでも登場しています。いつかカモシカも出てくるのか……?

 

 

 

 

 

御嶽渓谷まで下りてきました。天気がよかったので結構人がいます。

 

 

 

 

 

 

カマキリ(左)であったりウグイス(右)であったりと、

渓谷の散策路でも色々な生きものに遭遇しました。

何気にウグイス(……だろ?)の写りはこれまでで一番良いかも?

 

 

 

 

 

昨年、秦野 権現山で中途半端に初顔合わせしてしまったスミナガシ

この日は目の前に下りてきてくれました。

そんなに長時間はジッとしていてくれませんでしたが

ちゃんと全身を捉えることができて大満足です。

 

 

 

 

 

最後は、歴代でもっともクリーンに撮れたカラスアゲハでフィニッシュです。

 

カモシカを筆頭に、新顔登録が3種類。

加えてサワガニ、アオバセセリ、スミナガシ、カラスアゲハと

従来より遥かに鮮明に撮ることができた種も複数ありました。

極めて幸福で密度の濃い一日となり、御岳山に深く感謝いたします。

 

 

 

 

【8/17 御岳山界隈で撮影した生きもの】

鳥類・・・ウグイス、キジバト、ヒヨドリ、ホオジロ

昆虫類・・・アオオサムシ、アオバセセリ、アカアシカスミカメ、アキアカネ、イカリモンガ、オオカマキリ(若)、オオゾウムシ、カラスアゲハ、キタキチョウ、キマワリ、クロアナバチ、コミスジ、サツマノミダマシ、ザトウムシ、ジガバチ、シマアメンボ、スジグロシロチョウ、スミナガシ、センチコガネ、ダイミョウセセリ、タンザワフキバッタ、ナナフシ、ヒグラシ、ヒナバッタ、ヒメウラナミジャノメ、ミンミンゼミ、ミヤマクワガタ(メス)、ムシヒキアブ、ムネアカオオアリ、モンカゲロウ、ヤマトシジミ、ユウマダラエダシャク、ヨツスジハナカミキリ

その他・・・サワガニ、ニホンカモシカ

 

 

【9/17 御岳山界隈で捕獲したポケモン】

アーボ・・・1

イーブイ・・・4

エイパム・・・3

キバニア・・・1

キモリ・・・1

グラエナ・・・1

ゴマゾウ・・・1

サイドン・・・1

サイホーン・・・11

スバメ・・・1

タテトプス・・・1

タネボー・・・1

チルット・・・1

ナエトル・・・2

ナマケロ・・・1

ニドラン♀・・・3

ニャース・・・1

ノズパス・・・4

パウワウ・・・2

ビッバ・・・2

ヒトカゲ・・・2

ヒトデマン・・・1

ヒノアラシ・・・1

ヒメグマ・・・1

フシギダネ・・・1

ブルー・・・1

ポチエナ・・・1

マンキー・・・1

ミツハニー・・・1

ユキカブリ・・・2

ヨマワル・・・1