一昨年に続き、何で“男”は出てこないのか(御岳山・前編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

毎年夏恒例、レンゲショウマでおなじみの御岳山へ。

ケーブルカーの駅でが売られていましたが

さすがにここの山で捕獲したのが地産地消されているわけではない……はず。

 

そういえばまだイノシシに会ったことがないんですよね。

夜行性なので元々そう簡単にエンカウントできるものじゃないですが

一方で、身の危険に直結するのでバッタリ会うのは避けたい気持ちも(汗)

 

 

 

 

 

ケーブルカーにカタクリのステッカーが。

夏場なのでレンゲショウマにすればよかったのにと思いましたが

考えようによっては「春ならカタクリも見られます」という

メッセージなのかもしれません。

 

基本、花目当てで夏に御岳山を上る人は

9割方レンゲショウマの存在は知っているでしょうし

いちいちステッカーでアピールする必要がないですしね。

真相は如何に?(単に貼り替え損ねただけと思ってはいけない)

 

 

 

 

 

レンゲショウマはまだ3~4分咲き程度でした。

ちょっと今年は花期が遅れていたのかもしれません。

 

 

 

 

 

林の中にちらほらと咲くレンゲショウマの姿。

まだ花は少なかったものの、株数自体は結構なものです。

 

 

 

 

 

別角度から。

 

 

 

 

 

 

ヤマホトトギス(左)やヤマユリ(右)などの山野草も豊富です。

ただ、花期が遅れていたのか、昨年まであれだけ目にしていた

ソバナの花は確認できませんでした。

 

右の写真、ヤマユリを摘んだように見えるかもしれませんが

ただ枝垂れた株を撮影のためにちょっと起こしただけですので念のため(汗)

 

 

 

 

 

展望台からの眺め。大部奥まった山中ですので

東京都心部などは見えません……多分。

 

 

 

 

 

展望台広場のテーブルにちょっとした工夫が。

最近オフィスなどでもよく取り入れられている家具緑化の類でしょうか。

最近の先進的なオフィスでは、心地よい職場環境の演出のため

デスクなどに植物を植えることも多いとか何とか。 うちの会社には無縁な話ですが

咲いている花はツルボのようです。この時期は草原でもよく見かける花ですね。

 

 

 

 

 

サイが出たりゾウが出たりと結構賑やかな御岳山山頂付近。

ただし、御岳神社奥のハイキングコース周辺はGPSが通じず

ポケGOのプレイはほぼ不可能です。(ついでに電波も通じません)

 

そこまで重装備で登山に臨むほどの山ではないと思いますが

いざという時に携帯電話に頼れないこともあり得るというのは

心得ておいた方がいいかもしれません……。

 

 

 

 

 

タンザワフキバッタ……だと思う(弱気)。

どうもこのタイプのバッタは識別が難しいですね。

前回記事のクルマバッタモドキなどの方が、

まだ特徴がわかりやすいので見分けがつくのですが……。

 

手元に図鑑もなかったので正体がその場でわからず

微妙にモニョモニョしながら御岳神社方面へ。

 

 

 

 

 

色んな意味で摘んで帰っちゃいけないもの

 

 

 

 

 

登山道で足元に咲くヤマホトトギス

この時期の御岳山界隈ではごくオーソドックスな品種です。

 

 

 

 

 

このフシグロセンノウも、夏の御岳山を代表する山野草ですが

個体数はヤマホトトギスよりも明らかに少なく、分布が限定されます。

 

山中で毎年必ず咲く場所があり、これはそこで撮影したものです。

 

 

 

 

 

 

ハイキングコースへ。相変わらず潤いのあるいい雰囲気です。

右の河原の写真、春にもほぼ同じ地点で撮影しましたが

あの時存在感を発揮していたハシリドコロ(毒草)が影も形もなくなっています。

 

ハシリドコロはスプリング・エフェメラルの一種で、この時期は地上部が枯れてしまい

根っこしか残っていないそうです。ゆえに夏場だけでは存在に気づくこともできず

実際私も今年春に訪れるまで、ハシリドコロの存在に気づけませんでした。

 

 

 

 

 

む? これはまさか……?↓

 

 

 

 

 

前脚に黄色い紋のあるミヤマクワガタ……のメスですね(汗)。

嫌な意味で一昨年前の再現です。何でこうオスが出てこないのか……。

 

別にオスとメスで活動時間帯がずれているということもないでしょうし

単純に私の運が悪いだけなのでしょうが(汗)。

 

 

 

 

 

去年は時期を逸したのかほぼ会えませんでしたが

今年はドンピシャ。あちこちのタマアジサイで、

交尾中のヨツスジハナカミキリに遭遇しました。

 

この時期見かけるハナカミキリの仲間というと、ほとんどコレばかり。

花で食事しながら交尾していることが多く、時期を外さなければ簡単に見つかります。

 

 

 

 

 

こうやって登山道の傍らで子作りに励んでいる個体も多数。

ただ、道行く登山者の皆さんは本種に注目することはほとんどなく

私以外で写真を撮っている方は、見る限りではいませんでした。

 

上のミヤマクワガタのメスなんかは結構注目してくれていたのに……。

 

 

 

 

 

タマガワホトトギスも確認。こちらは御岳山山頂には生えておらず

ハイキングコースの沢沿い限定で姿を見かける山野草です。

ちょうどハチが吸蜜に訪れていましたが、

毛むくじゃらだったので、花粉の運び屋としては最適でしょう。

 

花粉の運び屋から「花」を取るとすげぇ物騒に聞こえてくるというry

 

 

 

 

 

ハイキングコースにて、沢の一角を撮影。

岩の隙間などからタマガワホトトギスが生えているのがわかりますか?

 

 

 

 

 

岩肌からイワタバコが。こちらはそろそろ花期も終了間近でした。

 

前編はここまでですが、後編はかなり内容が濃密です。

写真が多いので例によってサクサク進めたいところですが

お伝えしたいことも多いので長丁場になるかも?

場合によっては3部構成にするかもしれませんが、

お付き合いいただけましたら幸いです。

 

 

≪後編に続く≫