去年の12月に開通したそうです(横浜自然観察の森→朝比奈切通→石窯ガーデンテラスほか) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

そろそろカワトンボのシーズンも

終わりかな……などと考えつつ、

この日は横浜自然観察の森から

朝比奈切通を経由し、鎌倉へ向かうことに。

3日連続で鎌倉ネタなのは何卒ご容赦ください)

 

上のカワトンボは横浜自然観察の森近くの

プロムナードで捕獲・撮影したものです。

森の中でもよく見られる昆虫ですが

本種およびハンミョウが観察できるスポットが

よりによってピンポイントで土砂崩れにより

封鎖されてしまっているため

この日は森の中の散策は簡単に済ませ

早めに鎌倉方面に向かうこととしました。

 

この辺は人工林ではなく地盤も頑丈なのですが

如何せん雨が集中することが近年多いため

ここに限らず自然公園に足を運ぶ前には

「どこか通行止めになっていないか?」

あらかじめWebサイトでチェックした方が

いいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

一応、広場をザッと歩いたり(左写真)

入口前でオオルリ(右写真)が現れたりと

それなりに収穫はありました。

咄嗟に撮影したのでオオルリの写りはイマイチですが。

 

 

 

 

 

ミズキ(?)の花に来ていたジョウカイボン

前日に雨が降っていたため

翅がちょっとだけ濡れています。

 

 

 

 

 

微細な体毛までくっきりと撮影できた

過去イチ写りのよいテングチョウ

翅をオープンにしていたのは

雨上がりで乾かしたかったからか?

 

 

 

 

 

サイハイランにも雨雫が。

本種は日陰を好む野生ランの仲間ですが

同じ日陰環境でも朝比奈の方では見られず、

私は毎年横浜自然観察の森で観察しております。

 

 

 

 

 

 

横浜自然観察の森から朝比奈切通までは

いつも通り徒歩で移動します。30分もあれば、

途中で撮影・観察のために立ち止っても十分でしょう。

 

写真は、道中の金網に掴まっていた

ウシカメムシ(左)とナナフシの幼虫(右)です。

本島はナナフシモドキらしいのだけれど訂正するのめんどくさい

 

 

 

 

 

 

さて、朝比奈切通です。左写真は横浜市側の入口。

この切通は横浜市と鎌倉市を繋ぐ峠道みたいなものですが

以前にも書きました通り2019年の大台風で一部崩れてしまい

長らく通行止めにされていました。

結構多くの人が無視して通過していた気がしますが、知らね

開通したのは2021年の12月ですので

ちょうど半年くらいといったっところ。

炎上したくないのでルールは守って長らくここの通り抜けは

控えてきましたが、これで堂々と歩けます。

 

 

 

 

 

さっそくハンミョウが現れました。

朝比奈切通ではメジャーな昆虫。

前回の秋ほど多くはなかったものの

(繁殖期が夏なのでまだピークではなかった模様)

見つけるのに苦労しないレベルでは観察できました。

 

横浜側・鎌倉側のどちらでも見られますので

観察・撮影はお好みで……と言いたいところですが

鎌倉側は所々水がしみ出していて足場が悪いので

歩く際には気を付けた方がいいでしょう。(詳しくは後述)

 

 

 

 

 

この日一番の写りです。

ちなみにこうして正面から撮影する場合には

驚かさないよう、ちょっとしたコツがいります。

7月の講座「首都圏生きものめぐり」では

朝比奈切通をご案内する予定ですので

その時にコツをお教えできるかと思います。

 

 

 

 

 

で、これが鎌倉側の切通。

前日の雨の影響も多分にあるのでしょうが

しみ出している湧水の量が通常より多く

歩くのは結構大変でした。

特にこの日はこれまでと違い「下り」だったので

足を滑らせないよう細心の注意を払いました。

(間違えてもヒールで歩いてはいけません)

 

 

 

 

 

湧水はやがて鎌倉市の滑川へと流れ込んでいきます。

その直前の細いせせらぎ周辺には

カワトンボも結構多く出現します。

 

 

 

 

 

 

こちらが、鎌倉側の切通入口(出口)です。

横浜側よりも両サイドの崖が険しく

如何にも「切通」という雰囲気を感じさせます。

 

ちなみにこの崖の岩盤は非常に強固なのか

例の2019年の台風でも崩れることはなく

横浜側と違って通行止めにはなっていません。

つまり鎌倉が横浜に勝ったと言えます

 

 

 

 

 

そこから歩いて浄明寺 石窯ガーデンテラスへ。

この日はここで昼食をとりました。3,500円飛びました

ここのイングリッシュガーデンは季節の花と

鎌倉らしい山の借景が美しく、必見です。

 

 

 

 

 

昨年はここでルリモンハナバチ(幸せの青いハチ)

撮影しましたが、まだ5月ではさすがに出ていません。

その代わりと言ってはナンですが

コマルハナバチオスが多数観察できました。

目立つ黄色でもふもふの毛におおわれており

これはこれで一般ウケのよさそうなフォルムです。

(クマバチと違ってそこまで大きくないですし)

 

 

 

 

 

太腿(というか後脚)の素敵なカメムシ。

ホオズキカメムシというそうです。

本ブログでは新顔となります。

 

遭遇率・・・2(畑にはそこそこ出やすいとの話)

インパクト・・・ (太腿が印象深い)

美しさ・・・2 (地味な配色)

俊敏性・・・3 (止まっている時は撮影もしやすい)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)

 

名前の通りホオズキやナス科植物を食害するので

農家では嫌われているとのことです。

もちろん、ガーデンで花に来ているこの個体は

駆除対象とはされていません。

 

 

 

 

 

これは石窯ガーデンテラス内で撮ったものではなく

極めて地味ですが、一応新顔です。

ツマキシロナミシャクといいます。

シャク……ということでシャクトリムシが大人になった姿。

もちろんシャクガの仲間は多数いるので、その一角です。

 

遭遇率・・・2(珍種ではない模様)

インパクト・・・2 (まあ目立つけど注目はされない)

美しさ・・・3 (蛾だけれどそこそこ綺麗な配色)

俊敏性・・・3 (飛ぶ速度はあまり早くない)

知名度・・・2 (図鑑には掲載されています)

 

 

 

 

 

 

梅雨時にアジサイと共に開花期を迎える

鎌倉の名物 ケイワタバコを逸早く撮影。

もちろん5月の時点では咲いている花の方が少なく

ピークはむしろ6月上旬くらいではないかと思われます。

 

左写真のような、車道沿いの小川に接する

石垣の隙間などからも生えてきています。

然るべき場所に行けば多数見られる辺り

アスファルトに咲く花のように強い植物なのでしょう。

Song by 岡本真夜

 

 

 

 

 

 

最後に、鎌倉駅からちょっと江ノ電に乗って

鎌倉文学館のバラを撮影しに行きました。

鎌倉市内在住の愛好家の方が作出したバラもあり

西洋の雰囲気全開の花壇でありながら

「鎌倉らしさ」もまた感じさせてくれます。

指先サイズのミニバラもなかなか魅力的でした。

 

 

7月の講座でどこまでご案内できるかは

これから検討したいと思いますが

暑い夏が続く昨今、無理のない範囲で

なおかつハンミョウを始めとして

多くの生きものに会えるプランを練っていきたいと思います。

どうかご期待ください。

 

 

 

 

 

【5/22 横浜自然観察の森→朝比奈切通→石窯ガーデンテラスほかで撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、オオルリ、カルガモ、カワラヒワ、キジバト、シジュウカラ、ツバメ、トビ、ムクドリ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アカサシガメ、アシナガバエ、アメンボ、イチモンジカメノコハムシ、イチモンジセセリ、ウシカメムシ、カワトンボ、キマダラハナバチ、クロウリハムシ、コフキゾウムシ、コマルハナバチ、ササグモ、シマアメンボ、ジョウカイボン、ショウジョウトンボ、スジグロシロチョウ、ツマキシロナミシャク、テングチョウ、トホシテントウ、ナナフシ、ニホンミツバチ、ハンミョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメマルカツオブシムシ、ホオズキカメムシ、ムシヒキアブ、ヤブキリ(幼虫)、ヤマサナエ、ヤマトシジミ、ラミーカミキリ

その他・・・サワガニ、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ、ミスジマイマイ、ヤスデ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年6月19日(日)に開催いたします。

 行先は「舞岡公園(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。