居場所を晒しても罪にはならんが……(都内のある公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ほとんどのバーダーが「ここ」については

場所名を隠しているので、それに倣っています。

何かの拍子にバレるとブログが炎上しかねないし

昨年もここで小型猛禽類 ツミの姿を撮影しましたが

今年もちゃんと飛来し、ヒナも巣立っていました。

 

「ここ」は東京23区内でなおかつ周囲は市街地という

自然地とは言い難い公園なのですが

何故か毎年のようにツミがここで営巣し

ヒナが巣立っているので今年も動向をチェックしました。

(1日目は曇天、2日目は晴天と天候条件が大分異なったので

2日間連続で足を運んでおります)

 

 

 

 

【1日目(7/9  天気:曇り)】

中央にとまっているのがツミです。

まだ幼鳥ですが、サイズは大人と比べてもほぼ変わりなし。

鳩サイズですが、ちゃんと小鳥などを捕らえて食べる(後述)

立派な猛禽類です。ゆえに夏場はバーダーによく狙われます。

 

 

 

 

 

尾羽を扇状に広げるツミ。

いつ雨が降ってもおかしくない曇天だったので

色がハッキリと出ず、写りとしてはイマイチです。

(今日は写真が多いのでサクサク行きますよ~)

 

 

 

 

 

 

少し前まで雨が降っていましたが、

梅雨の合間を活かしてチョウも飛び回っていました。

(左:ツバメシジミ 右:ミソハギキタキチョウ

 

 

 

 

 

指先サイズにすら遠く及ばない雪虫(トドノネオオワタムシ)

晩秋に飛び回るイメージが強いですが、

実は初夏にも発生するのです。ただし数は少なめ。

何気に歴代で一番クリーンに撮れた写真です。

 

 

 

 

 

小さなハチを捕らえたササグモ

コイツの捕食シーンも初めて撮った気がします。

 

 

 

 

 

ハンゲショウは最盛期でした。

何気に虫媒花らしく、葉の色が白く染まるのは

目立たせて虫を呼ぶためのものらしいです。

(花を美しくする方向には進化しなかったらしい)

 

ツミの撮影チャンス自体は何度もありましたし

実際たくさん撮れたのですが、やはり曇天ゆえに色がイマイチ。

そういうわけでツミの写真は2日目の記録に譲ります。↓

 

 

 

 

 

【2日目(7/10  天気:晴れ)】

大分距離がありましたし、微妙に逆光でしたが

それでも1日目に比べるとしっかり色が出ている気がします。

 

 

 

 

 

一方で晴天により気温が急上昇したため

この日は暑さに苦しめられました。

池のスッポンもしんどい模様。

その表情が苦悶を物語っています。

(申し訳程度に両手を水につけているのがジワる)

 

 

 

 

 

ニホンナマズ……です(多分)。

昨年もここで撮影しています。

数は少ないですがコイに交じっていました。

(当たり前ですが天ぷらにしてはいけません)

 

 

 

 

 

カエデをバックに。微妙に口を開けているのは

スッポンと同じで暑いからなのか?

(アオサギやカワウは暑いとよく口を開けますし)

 

 

 

 

 

ちなみにこの公園、今年は4羽ヒナが巣立ったそうです。

この写真では3羽写っています。

拡大してチェックしてみましょう。

 

 

 

 

 

①のヒナを拡大してみると

スズメと思われる小鳥を食べていました。

(目を離した隙に親から貰ったものかも?)

 

 

 

 

 

他のヒナ(要するに兄弟)に横取りされないよう

羽で覆い隠す……という非常にわかりやすい行動。

 

 

 

 

 

が、その努力の甲斐もなく……。

 

 

 

 

 

横から突っ込んできた兄弟により

アッサリ獲物を奪われてしまいました。

人間だったら基本親からシバかれる行動です

奪われてもなお暫くこのポーズだったのが

悲しくもあり、おかしくもあり……。(;^_^A

(表情からビミョーに哀愁が漂ってくる気も)

 

まあ、こういうケンカを通じて

捕まえた獲物を奪われないスキルを学ぶ……のでしょう。

実際、カラスや他の猛禽類など「敵」は多いですしね。

 

 

 

 

 

ツミの撮影を一旦お休みし、近くの木を覗いてみれば

昨年のハイパーカオスな状況程ではないものの

樹液に多数昆虫が集っていました。

ザッと見る限りではオオスズメバチゴマダラチョウ

カナブンアカボシゴマダラシロテンハナムグリの姿を確認。

夜間であればカブトムシが来るのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

近似種であるゴマダラチョウ(左)とアカボシゴマダラ(右)を

比較検証してみます。この二種、外来種であるアカボシryが

ゴマダラチョウの居場所を奪っているとよく言われるのですが

この樹液場では特に争いになることもなく

仲良く(?)食事をしていました。

 

 

 

 

 

ここに限っていうなら、ゴマダラチョウの方が多かったかも?

スズメバチにもあまり臆することなく

時には翅をはばたかせて追い払おうとするなど

なかなかに喧嘩っ早く気が強いみたいです。

 

 

 

 

 

何かの卵の殻。地面に複数落ちていました。

サイズと場所からして鳥とは思えず

爬虫類かな?と思ったのですが、如何でしょうか?

 

 

 

 

 

一番良い写りかと思われるツミの写真。

やはり横顔は猛禽らしく精悍です。

 

もうしばらく公園に残るかと思われますので

もし興味のある方は「ツミ  鳥  23区」などで検索してみましょう。

じっくり検索してみると、場所もわかるはずです。

(そもそも隠す意味があるのかは別として)

 

 

 

 

 

ちなみに、前にも書きましたが

こちらが見ていることは鳥に筒抜けです。(;^_^A

バレていることを前提に、驚かせたり怯えさせたりしないよう

気をつかって観察・撮影することが求められます。

ただ、都会に飛来する猛禽は「周りに人がいる」ことを

承知の上でやってくる気もしますので、自然度の高い田舎と比べ

ストレス耐性が高く撮影しやすい……かもしれません。

 

 

 

 

【7/9&10 都内某所で撮影した生きもの】

鳥類・・・カイツブリ、カルガモ、キジバト、ツミ、ムクドリ、ワカケホンセイインコ

昆虫類・・・アカボシゴマダラ、ウチワヤンマ、オオシオカラトンボ、オオスズメバチ、カナブン、キタキチョウ、キマダラカメムシ、コガタルリハムシ、コフキトンボ、ゴマダラチョウ、ササグモ、ショウジョウトンボ、セグロアシナガバチ、チョウトンボ、ツバメシジミ、トウキョウヒメハンミョウ、トドノネオオワタムシ、ムシヒキアブ、ミンミンゼミ、モノサシトンボ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、スッポン、ニホンカナヘビ、ニホンナマズ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年7月18日(日)に開催いたします。

 (17日はお休みいたします。ご了承ください)

 行先は「天神島(神奈川県横須賀市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。