梅雨の合間は、子育て日和(舎人公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

ずいぶん久しぶりに訪れた気がする舎人公園

日暮里から日暮里・舎人ライナーに乗らなくては

最寄り駅に来られないため、少々アクセスしづらいのですが

駅(舎人公園駅)からはすぐに公園に入れます。

というか、舎人公園駅の真下にある交差点を軸に

4つのエリアに分かれるという不思議な形状をした公園です。

(詳しくは、右写真の地図を拡大してみてください)

 

 

 

 

 

こちらは地図で見ると右下、つまり南東エリアです。

このゾーンは最近までリニューアル工事で閉まっていたため

私も今回初めて中に入りました。

今はコロナ禍のためか閉鎖中ですがBBQ場があり

芝生広場があるなどピクニック・レジャー空間といった感じ。

とは言え前日まで結構な雨が降っていたため

下が濡れている……というか水たまりができているので

敷物しいて遊んでいる家族連れは1人もいません。

 

 

 

 

 

南東エリア入口付近にラベンダーの花壇があり

クマバチ(写真)を始めとして色々な昆虫が訪れていました。

ちなみに写真の個体はメス(顔に黄色い部分がないので)。

つまり毒針を持ちますが、よほど阿呆な喧嘩の売り方でもしない限り

向こうから刺してくることはまずありませんので

可能な限り接写させていただきました。

 

 

 

 

 

ちょっと大きくなったカマキリの幼虫(左)と

葉の上でジッと何かを待っているササグモ(右)。

サイズはカマキリの方が大きいものの

まだこの時点ではササグモに勝てないでしょう。

一方のササグモも、迂闊に喧嘩を売れないのか

はたまた単にお腹いっぱいなのか、動く様子はありませんでした。

 

 

 

 

 

ウズラカメムシ。卵のような独特の形状なので、

地味な色ながら結構印象に残りやすい昆虫です。

名前もシンプルですしね。

 

 

 

 

 

 

南東エリア入口のカフェスペース。

どうやら舎人公園のオリジナルメニューもあるようです。

この日は別の場所で食事を済ませてしまいましたが

次回訪れる際にはハンバーガーをいただきたいものです。

 

 

 

 

 

さて、南西エリアは狭い上に野球場しかないので

「生きものめぐり」の場としては適していません。

舎人公園で生きものを探すのならば、

花畑のある北西エリア(後述)と

とりわけ広い水場のある北東エリアがおススメ。

 

写真は、北東エリアのメインである大池に隣接する菖蒲田。

残念ながら菖蒲の花は既に終わってしまっていましたが

水場が広いために、トンボや水鳥の観察に適しています。

 

 

 

 

 

が、ここで散策の妨げになったのが、前日降った大雨

見沼自然公園でもよくあるのですが、

この公園はどうも芝生に水が溜まりやすく

写真のように冠水(?)してしまうところも多々あります。

 

あるいは芝で見えないだけで、

足を踏み込むとズブッとハマる……なんてこともしばしば。

雨上がりに歩く際には注意を払う必要があります。

 

 

 

 

 

 

距離はありましたが、オオヨシキリ(左)を多数確認。

ムクドリの幼鳥(右)も見かけました。

大分大人に近い色で、もう巣立っているようです。

 

 

 

 

 

一方で、池に目をやれば子育て真っ最中のカイツブリが。

まだ幼いヒナが全部で4羽見られます。

なお、どうやらカイツブリの巣はこれだけではない模様。

後述しますが、明らかに成長度合いが異なるヒナもいたので

池のどこかで複数が繁殖しているものと思われます。

 

 

 

 

 

上記の4羽が、巣の外に出たところ。

まだ怖がっているのか、4羽で固まって行動していました。

この公園ではあまりタカが出るという話は聞きませんが

水中からブラックバスに狙われる可能性もあります。

 

 

 

 

 

こちらは、上記しました明らかに成長度合いの異なるヒナ。

頭部に赤い部分がちらと見えるなど、

俄かにですが成鳥の特徴が出始めています。

 

 

 

 

 

アイガモの親子。何か見られていますが……。

(やっぱ鳥の顔は正面から撮るもんじゃねえな)

 

 

 

 

 

トンボの顔も、正面から撮るもんじゃねえな。

 

ちなみにシオカラトンボではなく、コフキトンボです。

この公園では出現率が高く、北東エリアでは随所で観察できます。

後述するチョウトンボも既に多数飛んでいましたが

こちら側ではイマイチ写りがよくなかったので割愛します。

 

 

 

 

 

 

最後に、北西ゾーンへ。

テニスコートや陸上競技場などがありますが

写真のような花の多いガーデンも設けられています。

吸蜜に訪れる昆虫を狙うなら、迷わずこちらです。

 

 

 

 

 

前回の記事でも登場した

写真だと2匹しか見当たりませんが

実際には何十匹も集っていました。しかも、1つの株に。

 

……1匹ならこのストライプ模様もユニークですが

さすがにあまり多いとキモいです(爆)。

 

 

 

 

 

キキョウの花弁を齧っている害虫ウリハムシ

ハムシ(葉虫)ということで葉を食べるのが主ですが

たまにこうやって花を食べる個体も存在します。

 

キキョウの花の場合、特にクロウリハムシが天敵。

複数体で花弁に穴を開けてしまうこともしばしばあります。

(ただし、野生のキキョウが減ったのは虫が理由ではなく

生息地の破壊によるものと聞いております)

 

 

 

 

 

ボタンクサギで吸蜜するナガサキアゲハ

南方系のチョウで温暖化に伴い都心部でも急増……と聞きますが

同じように広がってきたツマグロヒョウモンと比べると

そこまで数が増えたという印象はありません。

 

ちなみに写真の個体はメス。オスは地味な青黒単色で

昆虫にしては珍しくメスの方が派手な外見をしています。

 

 

 

 

 

最後に、珍しくチョウトンボが目の前に降りてきたので

そぉ~っと近づいて接写。なかなか良い写りです。

真夏のトンボという印象ですが、既に7月に入ったからか

梅雨明けしていない状況でもそれなりに発生しているようです。

 

 

 

 

 

帰り際には、上空を多数のチョウトンボが舞っていました。

この日の後、しばらく雨天が続きましたので

限られた晴天時を活かし、パートナーを探しているのかもしれません。

 

極端な荒天が多い昨今ですが、その中でも子孫を残すべく

昆虫にしても鳥にしても「合間」を上手く利用しているのがよくわかります。

 

 

 

 

 

【7/3 舎人公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アイガモ、オオヨシキリ、オナガ、カイツブリ、カルガモ、キジバト、シジュウカラ、ツバメ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アカスジカメムシ、アシナガバエ、アメンボ、イチモンジセセリ、ウスバキトンボ、ウズラカメムシ、ウチワヤンマ、ウリハムシ、オンブバッタ、カマキリの幼虫、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロバネツリアブ、コガタルリハムシ、コシアキトンボ、コフキゾウムシ、コフキトンボ、ササグモ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、チョウトンボ、ナミアゲハ、ニジュウヤホシテントウ、ヒメアカタテハ、マメコガネ、マルカメムシ、モンシロチョウ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年7月18日(日)に開催いたします。

 (17日はお休みいたします。ご了承ください)

 行先は「天神島(神奈川県横須賀市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。