ヨモギやハルジオンで探すのが効果的……らしい(花をたずねて鎌倉歩き・5月) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

毎月参加させていただいている講座「花をたずねて鎌倉歩き」

5月は名越切通方面のハイキングでした。

上の写真はハイキングコースに入る前、

こういうちょっとした小川も覗いてみると

色々と面白い発見があるものです。↓

 

 

 

 

 

温暖だからなのか、既にイワタバコが数株開花していました。

トップの写真の護岸の隙間から普通に咲いているから吃驚。

(ケイワタバコかもしれません)

鎌倉を代表する山野草と言ってもいいでしょう。

 

 

 

 

 

さらに、カワトンボまで現れました。

基本的には自然度の高い小川にいるトンボなので

人工護岸の水路であろうとお構いなしに出現したので

こちらはさらに吃驚でしたね。

 

 

 

 

 

 

旧華頂宮廷(左)に立ち寄りました。

ちょうどバラの最盛期だったので、そちらも観賞。

池を覗くと大量のオタマジャクシ(右)がいましたが

やはりあれはヤマアカガエルだったのだろうか?

 

 

 

 

 

ここ最近何度か採り上げてきたヒメアシナガコガネ

手に持ってみるとこんな感じで、マメコガネより小さいです。

 

 

 

 

 

ハイキングコースに入りました。

舗装などされていないし、道も狭い本格的な山道です。

三方向を山に囲まれた地形が攻めにくいから

鎌倉に幕府を開いたという話はよく聞きますが

実際に上ってみるとそれを実感します。

こんな山道を甲冑をつけて歩くのは大変でしょうし。

 

 

 

 

 

山道で見かけたクヌギカメムシ。久しぶりに見た気がします。

あれだけの深い森ですからどこかにクヌギもあるでしょうし

いてもおかしくはありません。

 

 

 

 

 

道中、こういうやや開けた公園も通過。

ピクニックに来ている親子連れをちらほらと見かけました。

 

 

 

 

 

ポジションをしくじったのでこんな写りになってしまいましたが

恐らくルリボシヤンマのメス。しかも産卵中です。

このトンボ自体が首都圏ではそんな頻繁に見ない種なので

これは結構嬉しいもの。それだけに写りがヘボなのが残念(汗)

 ▼

読者の方より指摘あり、

クロスジギンヤンマのメスとわかりました。

誠にありがとうございます。

(いずれにせよ街中で容易に会える種ではありませんが)

 

 

 

 

 

 

黒く熟すと甘くておいしいクワの実(左)と、

まだ食べたことがないけど実が美味しいというヤマボウシ(右)。

ヤマボウシの実がつくのは初秋らしいので、もうしばらく待機ですね。

 

 

 

 

 

こうした切り立った岩場もあります。

鎌倉のハイキングコースは数多く、一部では一昨年の台風で

崩れて通行止めになっている場所もあるのですが

こちらのルートは全面通行可となっています。

 

 

 

 

 

特別公開されていた名所「まんだら堂」

幾つもの岩屋が連なる不思議な場所で

スタッフの方が大切に保全されています。

 

ここを散策中に突然アオダイショウが現れ、

写真を撮る間もなくすぐに逃げられてしました。

これだけ岩屋があれば暑さや雨もしのぎやすいですし

ヘビにとっては良い棲み処になっているものと思われます。

 

 

 

 

 

鎌倉散策は集団行動ですし、普段私がやっているように

個人の都合で足を止めて虫を探すのは難しいのですが、

それでも稀に新顔の昆虫に出くわすことはあります。

 

写真の昆虫はキクスイカミキリ

胸部に赤い斑点がある小さいカミキリムシです。

大分前、それこそブログを始めるより前に

何度か遭遇したことがあるのですが、

撮影できたのは今回が初めて。

遭遇したのもかれこれ10年ぶりくらいです。

 

遭遇率・・・3 (本来は珍しくないらしい)

インパクト・・・2 (小さいので目立ちにくい)

美しさ・・・3 (シンプルながらお洒落な赤斑点)

俊敏性・・・3 (この後すぐ飛んで逃げられました)

知名度・・・2 (図鑑には載っている)

 

名前の由来は、キク科の植物の中に卵を産み付け、

幼虫の食草にするからとされています。

この時、植物内の水分で幼虫が溺れないように

茎に傷をつけて枯らせてから産卵するらしいです。

なかなかユニークな産卵方法ですが、よく考えられています。

 

ただ、キク科の植物といえばヨモギを代表として

ハルジオンやヒメジョオンなど周りに色々ありますし

本種も決して珍しい昆虫ではないはずなのですが

上記の通り私が出合ったのは約10年ぶり……。

もしかしたらあちこち草を掻き分けて探せば

ちゃんと見つかるのかもしれませんが、

だとすると散策主体の「首都圏生きものめぐり」とは

少々相性が悪いと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

下山中(?)の風景。

いわゆる「切通し」の風景も見られました(左写真)。

大分歩きましたが、決して体力自慢でないと踏破できない程ではなく

まだそれほど暑くなっていない今のシーズンには

ちょうどいい運動になるかもしれません。

(真夏になればヤマユリなども期待できますが、暑さに注意)

 

 

 

 

 

最後に、地味ですが下山中に見かけた新顔。

クロヒラタカメムシといいます。

 

遭遇率・・・2 (普段は樹皮の下などに隠れている模様)

インパクト・・・2 (実を隠すため、扁平で目立ちにくい)

美しさ・・・2 (お世辞にも美麗とは言い難い)

俊敏性・・・3

知名度・・・2 (図鑑には載っている)

 

基本的には、樹木の多い雑木林の住人のようです。

上の写真だとわかりにくいですが、名前の通り非常に平べったく

樹皮の隙間に隠れて暮らせるよう進化していることがわかります。

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月19日(土)20日(日)に開催いたします。

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。