いつも見ているカニは、ほんの一部分(小網代の森) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

アカガニで有名なスポット「小網代の森」ですが、

まだこの時期はほとんど観察できません。

大抵穴倉に隠れていて、姿を見せないのです。

昨年の晩夏に訪れた際には河口域であちこち歩き回っていましたし

場所によってはキモいくらい沸いていましたが

この日は河口に至るまで一匹も見かけませんでした。

 

 

 

 

 

 

カワトンボ(左)やシマアメンボ(右)などは健在。

以前に聞いた話だと、この辺りを飛んでいるカワトンボは

厳密に言うならアサヒナカワトンボらしいです。

本ブログでもかつてはその辺りを細分化していましたが

あまりにも識別が難しく面倒くさいので

最近は「カワトンボ」で統一してしまっています。手抜き工事です

 

 

 

 

 

散策路沿いに咲くウツギの花。

晩春を代表する花で、蜜源植物としても有用です。

よくチョウやハチが飛び回っています。

 

 

 

 

 

ウツギで吸蜜していたわけではありませんが

運よく、すぐ近くでカラスアゲハが止まってくれました。

大分翅が傷ついていますが、やはり美しいチョウです。

静止しているシーンを見かけたら迷わず撮っておきましょう。

 

 

 

 

 

ムモンホソアシナガバチを、正面から。

よく見ると何か食っているように見えますが

あまり詳細は追究しない方がいいかもしれません(汗)

手前に落ちているのがイモ●シの首に見えるんですが

 

 

 

 

 

食事といえば、こういうカオスな状況も。

食う者食われる者守ろうとする者子作りする者

色んなコンテンツが一点に集中してしまっています。

あんまりアリがセコムになっていない気もしましたが。

 

 

 

 

 

モリチャバネゴキブリの幼虫を捕獲したハエトリグモの一種

だからハエを捕れよ。

未だにコイツがハエを捕食しているシーンを見た試しがない

 

ちなみにモリチャryの成虫もすぐ近くで見ました。

GKBRですが元々日本にいた森の住人です。

 

 

 

 

 

河口付近。カニの干潟はちゃんと案内板が出ています。

潮もちょうどいい感じに引いていたので、今日は期待できそう。

 

 

 

 

 

ちょうどこんな感じでした。

泥の露出している部分で、カニが踊っています。

 

 

 

 

 

 

前回来た時は時期がズレたのか潮が満ちていたせいか

チゴガニをまともに撮ることはできませんでした。

今回はちょうどピークだったようで、

あちこちで求愛ダンスを観察できたのが嬉しいところです。

 

……そういえばコイツ、三番瀬では見たことがありません。

 

 

 

 

 

コメツキガニの方は嫌というほど見るんだけどなぁ……。

小網代でも、コイツらの方が数が多いみたいです。

(チゴガニの方が色やサイズ的に目立つだけで)

 

 

 

 

 

ヤマトオサガニにも遭遇。

本種は、訪れるたびにほぼ決まった場所で見られます。

というか、この小網代の森で観察できる

アカガニチゴガニコメツキガニ

ケフサイソガニヤマトオサガニ等については

毎年ほぼ観察できる場所が決まっており、

棲み分けができていることがよくわかります。

 

上のヤマトオサガニはサイズが大きく、

流されにくいためか、波打ち際付近でよく見かけます。

一方でチゴガニやコメツキガニが踊っているのは

海水の当たらない所。故に引き潮の時が観察しやすいわけです。

 

 

 

 

 

おっと、マメコブシガニです。

小網代ではそれほど珍しいカニではありませんが

随分久方ぶりに会ったような気がします。

 

名前の由来は見た目そのまんま。

カニなのに横歩きができず、

前にしか進めないというのが特徴です。

 

 

 

 

 

手に乗せて引っくり返すとこんな感じ。

上記の「前にしか進めない」特徴を知っていれば

コイツを素手で捕まえるのは超簡単です。

 

 

 

 

 

逃がしてやると、砂の中に逃げ込んでいきました。

写真だとわかりにくいですが、面白いくらいに

あっという間に砂の中に埋もれていきます。

その逃げっぷりをぜひ一度観察していただきたいものです。

 

 

 

 

 

上記の通り、この時期はまだ穴暮らしのアカガニ

たまに顔を出すこともありますが、すぐ引っ込んでしまいます。

あれを観察するのであれば、素直に真夏まで待ちましょう。

 

知っての通り、このアカガニが小網代の森の代表種ですが

私がこうしてブログで紹介しているのは

観察できるカニの中のほんの一部分のみ。

その気になって探せばもっと色々なものが見られるそうですが

散策に重きを置く「首都圏生きものめぐり」では

なかなかこれ以上の成果を期待するのは厳しいかもしれません。

 

 

 

 

 

カニの数も種類も多いためか、

毎年春~初夏にはシギの仲間も訪れるとか。

これまでにも何度か会ったことがありますが

この日もチュウシャクシギが1羽来ていました。

 

 

 

 

 

帰りに、もう一度森の中でカワトンボを撮影。

清流の宝石というか、飴細工のようで毎度目を奪われます。

 

なお、小網代はトンボの種類もかなり豊富との噂。

今度真夏に来ることがあったら、よく探してみたいものです。

 

 

 

 

【5/9 小網代の森で撮影した生きもの】

鳥類・・・チュウシャクシギ、ツバメ、トビ、ハクセキレイ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アトボシハムシ、アメンボ、イオウイロハシリグモ、カラスアゲハ、カワトンボ、キタテハ、クロウリハムシ、コアオハナムグリ、コアシナガバチ、コチャバネセセリ、シオヤトンボ、シマアメンボ、ジョウカイボン、セイヨウミツバチ、チャバネセセリ、ナナフシ(幼虫)、ナナホシテントウ、ニホンミツバチ、ハエトリグモの一種、ムモンホソアシナガバチ、モリチャバネゴキブリ、ヤブキリ(幼虫)

その他・・・アカテガニ、カワニナ、ケフサイソガニ、コメツキガニ、チゴガニ、マメコブシガニ、ヤマトオサガニ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月19日(土)20日(日)に開催いたします。

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。