“木”なら看板でもOK(北本自然観察公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

久しぶりの北本自然観察公園

昨年も同時期に来ております。

昆虫の数・種類が多いほか、ギンランの自生株など

なかなか良いものが撮れますので、春~初夏は特におススメです。

 

 

 

 

 

 

名前の通り、自然観察に魅力を全振りしている公園なので

こうした観察ポイントは丁寧に看板を立てて紹介しています。

左の看板、右下にギンランそのものがあるのがわかるでしょうか?

 

 

 

 

 

ちなみに昨年の記事でもちらと触れましたが

キンランは厳密に言うと北本自然観察公園内では見られません。

隣接する遊具等のある公園の目の前に

ギンランやホウチャクソウと共に群落を作っています。

 

株数は多く、季節さえ外さなければ観察・撮影も容易です。

来年もまた開花してくれることを願います。

 

 

 

 

 

懇切丁寧にこんな看板も設置しており、

すぐ目の前のエノキの木では記述の通り

ヒオドシチョウの幼虫が群れているのを見てしまいました。

何て無駄に正確な案内板なんだろうか

一応証拠写真は押さえましたけれど

寒気がするのでこちらにアップはいたしません(爆)。

 

 

 

 

 

 

昨年同様に、ハルジオンの花畑へ。

カントウタンポポも咲いていましたが、

訪問時期が遅かったか、気温が高いせいか、

すでに殆どの花が終わってしまっておりました。

 

ハルジオンでは昨年同様、

クロハナムグリ(左)とコアオハナムグリ(右)が多数。

右のコアオハナムグリが泥を被ったような色をしているのは

地中で羽化して這い出してきたからと思われます。

彼らは背中を掻いたりシャワーを浴びたりできないので

このように付着した泥が固まってしまう個体もしばしばあります。

 

 

 

 

 

ニホンミツバチが多数観察できました。

近くに巣でもあるのでしょうか?

(少なくともセイヨウミツバチより多かったです)

 

 

 

 

 

日本固有種であるマドガ

固有種であることを知って以降、妙な愛着が沸いて

見かけるたびについ撮影してしまいます。

 

 

 

 

 

ノイバラに来ていた小さなコガネムシ……のようですが

これの正体がまだよくわかりません。

少なくとも手持ちの図鑑には載っていませんでした。

わかる方いらっしゃいましたら、そっと教えてくださいませ。

 

 

 

 

 

ニッポンヒゲナガハナバチにも遭遇。

もうそろそろ見納め……って

前にも言ったような気がしないでもない(汗)

 

 

 

 

 

ゴマダラチョウが頭上に。

外来種であるアカボシゴマダラも

例年より早く出始めておりますが

こちらも同じく早めに羽化したようです。

 

 

 

 

 

オトシブミの仲間のゆりかごが多数確認できました。

例年、キバネツノトンボの撮影に行く例のスポット

アシナガオトシブミを観察しておりますが、

こちらは訪れるのが少々遅かったようです。

 

来年はもしかしたら、もうちょい早めに来るかも?

 

 

 

 

 

 

アカサシガメを横(左)と前(右)のアングルから撮影。

くるりと丸まった口吻は、この角度ではわからないでしょうが

かなり鋭く太いなので、迂闊に手は出せません。

 

 

 

 

 

ベニカミキリが飛んできたので

手を伸ばしたところ、ぶつかって落ちてしまいました(汗)

この後すぐに飛んでいきましたので、まあ大丈夫でしょう。

 

彼らはミズキの花が開花した辺りから

よく花粉を求めて訪れるようになります。

北本自然観察公園にもミズキが多いので

本種もかなり多いのではないかと感じます。

 

 

 

 

 

シオヤトンボは池の周辺で複数確認。

そろそろシオカラトンボにバトンタッチする頃でしょうか?

 

 

 

 

 

一昨年の台風で倒れてしまったエドヒガンザクラ。

立て看板によりますと、今年も無事開花したそうです。

倒木してもしっかり生きているんですね。

 

 

 

 

 

さて、写真のハチはお馴染みのクマバチですが

彼らは木に穴を掘ってその中に巣を作ります。

よく見ると穴の中にもう一匹見えますが

これはどうやら羽化したばかりの若い成虫のようです。

こうした若い成虫が入口に陣取ることで

奥の方にある卵や幼虫が守られる効果があるんだとか?

 

で、この巣が一体どこにあったのかというと……。↓

 

 

 

 

 

普通に生えている木ではなく、

木製の案内板に穴を開けて巣食っていました。

(わかりにくいですが、赤い円内にいます)

素材が木なら、それが木材化したものであっても構わない様子。

これはアシナガバチが巣材用に木材やウッドデッキから

繊維を齧り取るのに通じるものを感じますね。

 

 

 

 

 

まだ若い個体と思われるエナガ

目の周りのラインが黒いのがわかりますでしょうか?

 

よく話に聞く「エナガ団子」につきましては

残念ながら私はまだ未観察です。

エナガの個体数を考えれば、時季さえ外さなければ

撮影のチャンスもあるのかもしれません。

 

 

 

 

 

最後に、鳴いているトウキョウダルマガエルです。

ヨシの群落に遮られ、どうにか撮ったもののこれが限界でした。

両側の頬を膨らませて鳴く姿は、アカガエルの仲間の特徴。

アマガエルは顎を膨らませるそうです。

 

……ちょっとだけ針で突いてみたくなってしまいましたが

思うだけにしておきましょう(汗)

 

 

 

 

【5/4 北本自然観察公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カルガモ、キジバト、コガモ、コゲラ、シジュウカラ、ダイサギ

昆虫類・・・アカサシガメ、アメリカジガバチ、アメンボ、イチモンジカメノコハムシ、オオスズメバチ、オオヒラタシデムシ、キタテハ、クマバチ、クロウリハムシ、クロハナムグリ、コアオハナムグリ、コチャバネセセリ、ゴマダラチョウ、コミスジ、シオヤトンボ、ジョウカイボン、セイヨウミツバチ、ダイミョウセセリ、テングチョウ、ナナホシテントウ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ニホンミツバチ、ハエトリグモの一種、ヒオドシチョウ(幼虫)、ヒシバッタ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメクロオトシブミ、ヒメマルカツオブシムシ、ベニカミキリ、ベニシジミ、ホソオビヒゲナガ、ホソハリカメムシ、マドガ、モモブトカミキリモドキ、ヤブキリ(幼虫)、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ

その他・・・ウシガエル、トウキョウダルマガエル、ドジョウ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月19日(土)20日(日)に開催いたします。

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。