虫「名前つけた奴ちょっと出てこい(怒)」(埼玉県内某所) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

昨年何度も足を運んだキバネツノトンボの出現スポットに、

今年も出かけてまいりました。毎年恒例ですね。

今年は知っての通り昨年と比較しても暖かく、

より早く昆虫が出るだろうことは予想がついたため

4月24日という例年よりやや前倒しの日程で向かいました。

 

写真は出現スポットまでの道中で見かけた、

泥浴び(?)をするイワツバメです。

本当は同じ場所に無印のツバメも混じっていたのですが

トリミングしたら切れていなくなっちゃいました(汗)。

 

 

 

 

 

 

現地にて。アシナガオトシブミ(左)とビロウドコガネ(右)という

この時期ならではの甲虫に遭遇。ほぼ毎年ここでは撮れています。

ただしアシナガオトシブミについては他ではまだ撮れていません。

 

これは推測に過ぎませんが、オトシブミの仲間は葉巻を作って

卵を産み付けた後、その葉巻(ゆりかご?)が地面に落ちて

幼虫がふ化→成長する環境がなければ生きていけないため

「地面を片づけられてしまいがち」な都市公園では

なかなか生き永らえるのが難しいのかもしれません。

(地面に落ちずにそのまま枝に残るゆりかごもあるらしいのですが)

実際、彼らの食樹であるクヌギやコナラなどは都市公園にも多く

エサの問題に関して言うなら問題はないはずですからね。

 

 

 

 

 

 

こちらも春らしい面々。

ギンイチモンジセセリ(左)とヨツボシトンボ(右)です。

ギンイチモンジセセリは昨年4月に最初に訪問した際には

相当数を確認していましたが、この日見たのは1頭だけ。

彼らは出現時期がキバネryよりやや前倒しなので

もうピーク期間を過ぎてしまったようでした。残念。

 

 

 

 

 

……なんだかよくわからん赤い虫(爆)

アカハネムシの系統らしいとは見当がつきましたが……。

 

 

 

 

 

噴水みたいな形状の触角を

そのままの形でなびかせながら飛ぶホソオビヒゲナガ

それなりに自然度の高い郊外の自然公園なら

割とよく見かけますので、5月に開催する講座でも

ぜひ皆さんに見ていただきたい1匹です。

あの飛び方は一度目にしたら忘れることはありますまい。

 

 

 

 

 

ちょっと地味ですが(多分)新顔です。

アオヒゲナガトビケラというそうですが

名前の通り、触角が長いのが目立ちます。

 

遭遇率・・・2 (都心部では見ない気がする)

インパクト・・・2 (細長い形状だがやはり地味な配色)

美しさ・・・2

俊敏性・・・2 (派手に飛び回る虫ではない模様)

知名度・・・1 (知らなくても無問題図鑑で探しまくれば見つかるかも?)

 

それにしても頭を下にしたこの形、

棺桶に見えてしまうのは私だけでしょうか?(;^_^A

 

 

 

 

 

で、もう一種類新顔の昆虫がいたのですが

(しかも交尾シーンを押さえられたのは嬉しいところ)

これの名前が酷い。ムシクソハムシと言うそうです。

え? 名前の由来?

書く必要あります?(#^ω^)

 

遭遇率・・・3 (それらしきものは過去にも何度か見た)

インパクト・・・1 (サイズが虫の糞レベルじゃ致し方なし)

美しさ・・・1 (あまり理由は書きたくない(糞))

俊敏性・・・3 (飛んで逃げるのは結構早い)

知名度・・・2 (図鑑には載っている)

 

 

以前、バカガイとドブガイが自分たちに名前を付けた

人類を滅亡させようと決起する4コマ漫画がありましたが

本種については名付けた人間よりもまずに

こういう造形に作った神(?)を恨んでいただきたい。

(まあ、擬態用にこういう形に進化しただけなんでしょうけど)

 

こんな形状ですがハムシの仲間で、甲虫でもあります。

何かの糞みたいに見えても、郊外の公園等においては

一応チェックしておいた方がいいみたいです。

 

 

 

 

 

さて、本命のキバネツノトンボですが

訪問したばかりの午前中はあまり多く見なかったものの

日が高くなり気温が上昇すると瞬く間に数が増え

やがて誰でも容易に見つけられるほど飛び始めました。

 

所感としては、最盛期の一歩手前……ってところか?

もしこの昆虫を見に行く講座を今後組むのであれば

4月の中旬では早すぎ、5月の中旬では遅すぎなので

開催時期をずらす必要がありそうです。

 

 

 

 

 

羽化したばかりの個体を、翅に触れないよう注意しながら

そっと手に乗せてみました。翅はまだ固まっておらず脆いので、

触るのは厳禁。この個体も一通り観察・撮影した後、

すぐ枝に戻してやりました。

 

 

 

 

 

写真だとわからないかもしれませんが

飛び立とうと翅をふるわせているところ。

この5秒後、羽音を立てて無事に飛んでいきました。

 

 

 

 

 

毎年お馴染み、クローズアップ個体です。

この造形美は生で見たら虜になる人も多いはず。

 

 

 

 

 

 

そういえばまだ、冬鳥が結構残っていました。

クロジ(左)とシロハラ(右)ですね。

このほか、荒川でコガモの集団を確認しています。

まだ旅立つ気はなかったようです。

 

 

 

 

 

 

最後に、熊谷の駅近くで再びチョウゲンボウに出くわしました。

もしかして去年撮影したのと同じ個体でしょうか?

ハトの集団が随分と騒いでいたようです。

 

 

 

 

【4/24 埼玉県内某所で撮影した生きもの】

鳥類・・・イワツバメ、エナガ、カケス、カワラヒワ、クロジ、コガモ、シジュウカラ、シロハラ、チョウゲンボウ、「ツグミ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒバリ、ヒヨドリ、ホオジロ、ムクドリ、モズ

昆虫類・・・アオヒゲナガトビケラ、アシナガオトシブミ、イタドリハムシ、オオヒラタシデムシ、キタキチョウ、キバネツノトンボ、ギンイチモンジセセリ、「キンケハラナガツチバチ、クサカゲロウ、クロボシツツハムシ、コジャノメ、コミスジ、サビキコリ、ツマグロヒョウモン、テングチョウ、ナナホシテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ハグロケバエ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメコガネ、ビロウドコガネ、ベニシジミ、ホソオビヒゲナガ、ホソメヒラタアブ、メスアカケバエ、ムシクソハムシ、モノサシトンボ、モンシロチョウ、ヤツボシツツハムシ、ヤブキリ(幼虫)、ヤマトシリアゲ、ヨツボシトンボ

その他・・・ニホンカナヘビ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年5月15日(土)16日(日)に開催いたします。

 行先は「横浜自然観察の森」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。