もっと、キンラン&ギンラン天国(国営武蔵丘陵森林公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

毎年キンランギンランを撮影するために

四季の森公園に足を運んでおりますが、

北本自然観察公園の例も含め、あそこでなければ

観察・撮影できないというわけではありません。

(もちろんそれなりの自然度は求められますが……)

 

さて、この日は昆虫目当てに武蔵丘陵森林公園へ行きましたが

予報に反して朝からコンスタントに雨が降り続け

コンディションはイマイチ(雨天時は昆虫の数が激減する)。

地雷だったかと思っていたのですが、ふと園内の散策路を見渡せば

あちらこちらにキンランギンランの姿が……。

正直、探すのに苦労しないレベルの株数で驚愕しました。

かつては里山で普通に見られたという話でしたので

ちゃんと「ある」ところには「ある」んだなと。

 

 

 

 

 

こんなふうに園路沿いに咲いていることもあるので

本当にすぐ見つかります(今はもう開花期が終わっているでしょうが)。

ただ、あまりに普通に咲いているからか

絶滅危惧種であることを知られていないからか

イマイチ注目されることがないみたいです。(;^_^A

 

 

 

 

 

森の中を通る散策路。森林浴には最適な公園です。

ただし1日で全部回ろうと思うと

森の中でリラックスなどと言っていられないレベルの

かなりキツいウォーキングを強いられますので要注意。

 

 

 

 

 

 

一方で、花壇の数も多いのが特徴。

真冬はともかく、それ以外の時期であれば

何かしら花が楽しめるのも嬉しいところです。

右写真のハーブガーデンではポピーや矢車草が咲いていました。

 

 

 

 

 

最近たまに色々な花壇で見かけるインパクト抜群のこの植物。

アリウム・シュベルティというらしく、

いわゆるネギ坊主(アリウム・ギガンチューム)の仲間です。

言われてみれば確かに似たような形の花ではありますが

ガンガゼのようなこの花の形は一度見たら忘れられません。

 

 

 

 

 

 

サクラソウの特別展示。平地では既に開花期も終わっていましたが

鉢物であればある程度の開花調整も可能なのでしょう。

右写真のようにベンチに配置すれば、彩りを添えるのはもちろん

感染症対策としての「使用禁止」告知の効果も発揮します。

 

 

 

 

 

 

園内の池に、まだコガモ(左)とハシビロガモ(右)が。

冬鳥の旅立ちに関しては結構個体差が大きいので

まあ、それほどイレギュラーなことではないのでしょうが……。

 

 

 

 

 

ルピナスの大花壇。

適度に光を遮る林の中に広がっています。

高低差があるので、よりダイナミックな花風景に。

 

 

 

 

 

こちらはデルフィニウムですね。

寒色系のものを纏めて植えているようでした。

傘をさしている人がいることからもわかる通り

結構な雨が降っていたのですが、

それでも花壇で写真を撮る方は結構多かったように感じます。

 

 

 

 

 

こちらは割とオーソドックスな、デザインされた花壇です。

でも実際、個人でこういう花壇を作ろうと思うと

かなり大変みたいです。全部の花を均等に咲かせようとすると

それなりの開花調整の知識や育成スペースが求められるので。

 

日頃、何となく見ている街中のデザインされた花壇というのは

公園スタッフやボランティアさん、あるいは自治体職員などが

日々苦心して作っているものであることを忘れちゃいけません。

里山ガーデンなんてほぼ無農薬らしいので一層大変です)

 

 

 

 

 

ポピーの花畑。 く~るまにポピ~♪

これは春だとオーソドックスですね。

ちなみにここは平地と比べるとやや標高が高いため

若干開花期が遅れます。

 

 

 

 

 

雑木林の中に群落を作るシライトソウ

さすがにこれは自生ではないと思いますが

そもそも公園等でもあまり目にする機会のない植物です。

 

やや薄暗い雑木林で群生する姿は

美しいのと同時にどこか怪しくもあります。

 

 

 

 

 

もういっちょ。キンランと一緒に林内に咲いています。

 

 

 

 

 

前回の北本の記事と通じるものを感じる

わかりやすい看板です。管理された森林公園内なので

盗掘などもってのほかなのですが、

未だに被害が後を絶たないそうで……。

 

 

 

 

 

ヤマブキソウ(ヤマブキではないので要注意)の群落。

キンポウゲ科でかなり数の少ない植物です。

少なくともキンラン&ギンランのような天然の株は

私もまだ見たことがありません。

 

 

 

 

 

 

雨で飛び回ることはできないものの

一応花や葉の上で昆虫の姿を見ることもありました。

(晴天だったらもっと色々観察できたんでしょうが)

左はジョウカイボンだとわかるのですが

右は……前回の記事で登場したのと同じコガネムシの仲間?

クロアシナガコガネではないか?と助言をいただいているのですが

どうも自分の中でまだしっくり来ていない部分がありまして……

もう少し調べてみたいと思います。

 

 

 

 

 

地味ですが、新顔の昆虫です。

ヤマトカギバといいます。

名前の通り、翅が鉤(かぎ)状に曲がっているのが特徴です。

 

遭遇率・・・3 

インパクト・・・3 (白色でそれなりに目立つ)

美しさ・・・3 (割とお洒落なデザイン)

俊敏性・・・3

知名度・・・1 (図鑑がないと同定は難しい)

 

ヤマト●●と名前の付いている昆虫は

ヤマトシジミを筆頭に、その系統の代表種であることが多いですが

これもそうなのでしょうか?

 

 

 

 

 

これも、エナガの若い個体でしょうか。

2羽で一緒にいるのを見かけました。

前回に比べると視界を遮るものがないので

そこそこきれいに撮れたかも?

 

 

 

 

 

 

公園外にノイバラが大きな群落を作っていましたが

こちらではミツバチ(セイヨウ・ニホン両方)を見かけました。

右の写真は二ホンミツバチです。あれだけの森が隣接しているので

どこかに巣があったとしても何ら不思議はないでしょう。

 

今年はもう「春」も過ぎそうなので

森林公園の春散策につきましては、また来年まで持ち越しです。

行先があまりに多過ぎるのでこの先どうスケジューリングしていこうか

ちょっと色々考える必要がありますね……。

 

 

 

【5/5 国営武蔵丘陵森林公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、エナガ、カイツブリ、ガビチョウ、カワウ、コガモ、シジュウカラ、ハシビロガモ、ヒヨドリ、モズ

昆虫類・・・コアオハナムグリ、コジャノメ、ジョウカイボン、セイヨウミツバチ、ナミテントウ、二ホンミツバチ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメコガネ、ヒメシロコブゾウムシ、プラタナスグンバイ、ムシヒキアブ、ヤブキリ(幼虫)、ヤマトカギバ、ヤマトシリアゲ

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年6月19日(土)20日(日)に開催いたします。

 行先は「酒匂川河口&大磯 照ヶ崎海岸」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。