皇居1周ツアーというのも悪くない(皇居周辺) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

この日は皇居まわりをぶらりと一周。

これ書いている時点ではすでに桜の最盛期も過ぎていましたが

まだ3月中旬のこの時点ではソメイヨシノは3分咲き以下。

まだ冬鳥も残っている時期なので

旅立つ前に様子を見に行ってきました。

 

 

 

 

 

 

元々このお濠はヨシガモ(右)の飛来数が多いのですが

この時はカンムリカイツブリ(左)も確認できました。

カンムリryは海岸線に多い水鳥ですが

皇居も海に近いですし、魚(食事)さえ捕れるのならば

淡水でも問題ないのでしょう。

 

 

 

 

 

何気にこれまで撮影する機会のなかった

オカヨシガモの立ちポーズ。

場所によっては妙に警戒心が強かったりするため

こうして陸でボーッとしている姿はあまり見ません。

 

 

 

 

 

ふとお濠の反対側に目を向ければ

そこは丸の内の摩天楼群。

これらのビルの周りにもかなり多くの緑地があります。

 

 

 

 

 

お濠を手前に据えて1枚。

写真手前の斜面にはオオバンがウロウロしています。

小さくて見えないかもしれませんが

お濠には複数のヨシガモの姿が確認できました。

 

到着時点ではお濠にあまりカモの姿がなく

暖かくなったのでもう旅立ってしまったのかと思いましたが

何のこっちゃない、居場所を変えただけでまだ多数残っていました。

 

 

 

 

 

 

カモの数が少なかった理由として

思い当たることが1つあります。

 

冬場のお濠にはよく藻や枯草が浮いているのですが

最近掃除でもしたのか、この日は水面がきれいになっていました。

一方でお濠に残っていたカモは、写真のように草のある所で

食事なり休憩なりしているのを確認しております。

 

ヨシガモやオカヨシガモ、ヒドリガモなど、草食傾向の強いカモは

キンクロハジロなどと違い潜水してエサを探すことはできないので

ああした水草(と枯草)の有無は重要です。

食料が減り、ついでに暖かくなったことで

一足早く北国に帰っていったのかもしれません。

(それでも探せば結構な数がまだ残っていましたが)

 

 

 

 

 

戸田ボートと同じく、ここでもヨシガモと一緒にいたオオバン

ちょっとしたモデル立ちシーンを1枚撮影。

 

 

 

 

 

国立劇場。名のある歌舞伎役者の方などが登壇される

日本有数の一流の劇場です。皇居のお濠沿いにあります。

桜が大分開花しているように見えますが、

これはソメイヨシノではなく、

コマツオトメ(エドヒガンザクラの園芸種)と

神代曙(エドヒガンの雑種。神代植物公園にある?)という別の桜。

ニュース等でよく流れる桜前線はソメイヨシノの開花期を指しますが

これらの桜はやや前倒しに咲く品種のようです。

 

しだれ桜や八重桜のように開花期が異なり形が違えば

別の品種だろうと判断もできるのでしょうが

上記の2品種は見た目がソメイヨシノとあまり変わりません。

実際のところ、東京都内の桜の品種はかなり多岐にわたるようですが

「ほとんどソメイヨシノだろ」と思っている方も多いんじゃないかと。

まあ、国立劇場のようにラベルがついていなければ

私でも誤認していたと思います(汗)。それくらい差がわかりません。

(もしかしたらカモメの識別の方がまだ簡単かもしれない)

 

 

 

 

 

 

劇場の敷地内にタンポポが生えていましたが

左がシロバナタンポポなのは間違いないとして

右は……カントウタンポポなのか?

どうも最近、がくの反りかえらない「ニセカントウタンポポ」なる

パチモン(?)の外来種が侵入しつつあるらしくて……。

もしかしたら相当数の「ニセ」がカントウタンポポと

誤認されているんじゃないかと最近感じております。

 

 

 

 

 

こちらは千鳥ヶ淵公園で撮影したものです。

もし「がく」の反りかえらない品種がすべてカントウryだとすると

あまりにも数が多過ぎると感じました。

何せ皇居の西側付近で見られたタンポポは

殆どがくが反りかえっていなかったのですから。

 

とは言え、素人目ではこれ以上の判断はできません。

昨年、結構な数の「カントウタンポポ」を本ブログでも

紹介してきましたが、恐らくあの中にも相当数の「ニセ」が

紛れ込んでいたものと思われ、少々凹みました。orz

 

さすがに田島ヶ原のサクラソウ群生地に咲いているものは

モノホンのカントウタンポポだと信じたいところですが……。

 

 

 

 

 

 

時計回りに皇居のお濠まわりを一周中。

北の丸公園(右)にも立ち寄りました。

池にはヨシガモとオオバンの姿が。

また、芝生広場には多数のハクセキレイがいました。

 

 

 

 

 

北の丸公園にて、ハナニラで吸蜜するビロードツリアブ

早春期を象徴する昆虫で、観察できるのは基本的に3~5月だけ。

もちろん今年初撮りです。これを見るようになると

私の中でも本格的に「春が来た」と実感します。

 

 

 

 

 

スタート地点から4分の3くらい回ってきたところ。

 

 

 

 

 

お濠に目を向けると、ハシビロガモの集団が。

前にNHKなどでも流れていたので知っている方も多いでしょうが

こうして集団で円を描くように泳ぐことで

水中のプランクトンを浮上させて食べているそうです。

 

写真で見るとわかりにくいでしょうが

十数羽のカモが固まって円運動している姿は

カルト教団の儀式みたいで少々不気味です(爆)

 

 

 

 

 

 

最後に日比谷公園まで足を運びました。

カワセミは見られませんでしたが、アカハラ(右)に遭遇。

周りが高層ビルだらけの「The 都市公園」という雰囲気ですが

緑の量は結構多いので、相方のシロハラと共に

飛来していても不思議はないでしょう。

 

ちなみに2年前には、あのニシオジロビタキが飛来したとか。

バードウォッチングのためだけに張り込みするには

少々物足りないかもしれませんが、

人と野生生物の共存する貴重な公園となっているのは間違いないです。

(お濠を挟んですぐ近くに皇居があるのも大きいでしょう)

 

 

 

 

 

当たり前ですがスズメも多数。

普段なら無視するのですが(爆)1羽やたら近くに来たので

接写させていただきました。歴代で一番良い写りです。

 

ニュウナイスズメもこれくらいの鮮明度で撮りたかった……と

今更ながらちょっと残念に思う今日この頃です。

 

 

 

 

【3/17 皇居周辺で撮影した生きもの】

鳥類・・・アカハラ、エナガ、オオバン、オカヨシガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、コガモ、コブハクチョウ、シジュウカラ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、ヨシガモ

昆虫類・・・アメンボ、セイヨウミツバチ、ビロードツリアブ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、クサガメ

 

 

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 2021年4月17日(土)、18日(日)に開催いたします。

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