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貧困世帯と非困窮世帯の子ども、差は10歳が境目…低学力の固定化も(ReseMom)
上記の記事によると、小学校4年(10歳ごろ)時に、家庭の貧富の差による「学力格差」が急拡大する傾向があることが、日本財団などの調査で分かったそうです。下記の資料では、貧困家庭=生活保護世帯となっていますが、大阪府箕面市の子どもたちの学力や生活状況、家庭の経済状況などのデータやアンケート結果(過去3年、計2万5000人分)をもとに検証されています。
データを分析した結果によると、生活保護世帯の子どもと経済的に困窮していない世帯(非困窮世帯)の子どもの国語の平均偏差値を比べると、10歳(小学4年生)を境に顕著な差がみられます。8歳では生活保護世帯の子どもが偏差値49.6、非困窮世帯の子どもが50.1と差が0.5ポイントしかないのに、10歳では生活保護世帯が45.1、非困窮世帯が50.6と差が5.5ポイント(実に11倍!)も広がっています。さらに、10歳以降も偏差値5ポイント前後の差がみられるようになっています。
では、どうして10歳(小学4年生)でここまで差が広がってしまうのでしょうか?そこで小学4年生の学習指導要領を見てみました。
★参考→第3学年及び第4学年 国語の学習指導要領を比較(文理)
最近、小学4年生を指導していて思うのは、「計算力と読解力が低いと学校の授業についていくのは大変だろう」ということです。たとえば、小学4年生では「小数のわり算」を学習しますが、これに「およその数」が加わると、どの様に答えを書いてよいか分からなくなる子が多いです。
① 商は一の位まで求め、あまりも出しましょう
② 商は四捨五入して、上から2けたのがい数で求めましょう
③ 商は四捨五入して、1/10の位のがい数で求めましょう
①では、小数点の付け方が分からなくなるみたいで、とくに「あまり」に小数点を付け忘れたり、付ける位置がずれたりします。
②では、「上から2けたのがい数」という言葉の意味が分からない、どこを四捨五入すればよいか覚えられないといったケースがありました。
③は、「1/10の位=小数第1位」を何度説明しても覚えられない、そして②と同じくどこを四捨五入すればよいか分からないというパターンです。
そもそも、「3ケタ÷2ケタのわり算」では筆算の際に商の見当が悪いと、何度も端に掛け算の筆算をしなければならず、わり算が嫌いな子が多いです。そこに「小数点」と「およその数」が加わると小学4年生の子供たちの中にはパニックになる子もいるのではないでしょうか。
また小学4年生は「計算のきまり」でカッコを使った四則混合の計算を学習します。今までのように左から右の順番で計算すれば正解できるわけではないので、難しく感じると思います。「大きな面積の単位」では「a(アール)」と「ha(ヘクタール)」が出てきますので、「㎡(平方メートル)」などとの単位換算は覚えるのが大変だと思います。
算数も英語や漢字と同様に「積み重ねの学問」ですので、小学校3年生までに習ったことをしっかりマスターしていないと、4年生でつまづいてしまう可能性が出てくるのだと思います。
また下記のグラフでは、偏差値45以下の子どもが翌年に偏差値45超になる割合は、年齢が上昇するにつれて低くなり、低学力が固定化してしまうことがわかります。8歳で42.2%だった割合は、10歳で27.5%まで低下。13歳では34.5%へと上昇するものの、14歳で23.9%と大きく低下しています。
4年生の算数でつまづいてしまっても、小学生のうちは5年生・6年生でしっかり勉強すれば遅れを取り戻すことは可能でしょう。上記のグラフでも10歳から13歳までに7%も上昇しています。私の感覚では偏差値45くらいの生徒は内申(9科)で27~30です。つまり、小学校4年生からの3年間でしっかり家庭学習の習慣づけができるかどうかが大切です。それによって、中学校の成績も変わってきてしまいます。
日本財団は、子どもの貧困対策として「家でも学校でもない第三の居場所」づくりを進めており、箕面市もこの趣旨に賛成。箕面市は平成25年度から、児童により充実した放課後、土曜日および長期休業中の居場所を提供する「新放課後モデル事業」を実施しています。また、東京都の小中学校では、土曜日に「サタデースクール」(補習など)を実施しているところもあるそうです。
自塾も1月は日曜日も開校して受験や学年末テストに備える補講を実施します。塾が「家でも学校でもない第三の勉強する場所」として、生徒たちにもっと利用してもらえるように声を掛けていこうと思います。
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