今から10年前 このブログでアメリカのラップ歌手マックルモアが現代の商品氾濫社会を風刺した「THRIFT SHOP FEAT」という曲を紹介したことがあります。
マックルモアとラナ・デル・レイそしてビデオクリップ | 狭山与太郎のどですかでん (ameblo.jp)
この歌はその後2014年度のグラミー賞最優秀新人賞を獲得しました。
速報!マックルモア&ライアン・ルイスが本年度グラミー賞最優秀新人賞を獲得 | 狭山与太郎のどですかでん (ameblo.jp)
最近海外ポップスに興味を失ってしまったこともあり、その後のマックルモアがどのような活動をしていたかは全く知りませんでしたが、最近米国大学での反イスラエル政権デモを支援する新曲を発表し、SNSで数千万回視聴されただけでなく、数百万件の「いいね!」を獲得し、多くの人々から評価されているという記事がイランのサイトParsTodayというサイトに掲載されていましたので紹介いたします。
イランがイスラエル批判をするのは当然としてもアメリカのラップ歌手を話題にするというのも意外な感じがします。
この歌の中でも取り上げられていますが、以前ラップは社会や体制の批判をしたものが多かったのですが最近はどうやら違うようです。
そう言えば最近pops界でもラップはすっかり影が薄くなってしまいましたから衰退期特有の仲間割れが始まっているのでしょうか。
ラップ界では最近、ケンドリック・ラマーのディス・トラックやドレイクの中傷、そして彼らの個人的なバトルがトップニュースとして報じられているそうです。
そのような状況の中でマックルモアは現実的な出来事に深刻な懸念を抱いているラッパーの一人であると紹介されています。
以下引用
マックルモアの芸名で活動するベンジャミン・ハモンド・ハガティ氏は、シオニスト政権イスラエルに関連してアメリカのバイデン政権を批判する新曲「ヒンド・ホール」を発表し、その配信収入を全額、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関およびパレスチナ難民に寄付するとしました。
この曲名は、パレスチナ・ガザでシオニスト政権イスラエルの攻撃により殉教した6歳の少女、ヒンド・ラジャブさんにちなんで、米コロンビア大学でデモを行う学生が構内のハミルトン・ホールに新たに付けた名前からとられています。
彼は3分足らずの曲の中でバイデン政権を批判し、停戦を要求するとともに、平和を望む人々に対する警察の暴力行為を非難しました。
この曲でマックルモアは、1988年におけるヒップホップグループN.W.A のメンバー名を出しながら、次のように歌っています;
「7歳のとき、キューブとイージー E から学んだ その教えとは何だっけ? ああ、『警察なんてクソくらえ』だ」
さらに彼は、反ユダヤ主義で告発された学生たちを支持し、次のように続けています;
「俺たちは彼らの中に嘘を見てる 彼らは反シオニストが反ユダヤだと主張してる でも俺はユダヤ人の兄弟姉妹を見てきた 連帯し抗議し『パレスチナを解放しろ』と叫ぶ」
英ガーディアン紙によりますと、全米ではパレスチナ支持を訴える抗議活動において2,000人以上の学生が逮捕されました。
マックルモアはまた、歌詞の中でバイデン大統領やカナダ出身のラッパー・ドレイクの名を上げながら、白人の極右主義者によって支持されているとして体制を攻撃し、検閲を非難しています;
「お前はメタ社を買えるが 俺を買うことはできない」
「TikTokを禁止すれば そのアルゴリズムから俺たちを外せる でももう手遅れだ 俺たちは真実を見た 俺たちは証言する 瓦礫となった建物を見たと お前が殺した母親・子供とすべての男たちを見たと」
「お前の手には血が付いている バイデン、俺たちは全てを見ることができる クソったれ 俺は秋にお前に投票してやらない」
また、マックルモアは意識的にヒップホップ界で現在起こっている出来事に言及し、世界の出来事に対して何の立場も取らない無関心を決め込む他の歌手たちに次のように問いかけています;
「あのアーティストに何が起きた? お前は何を言うべきだ? 俺が音楽レーベル所属なら 今日にも解雇されるかもしれない それでもいい これを書いて俺の心は満たされた 俺は停戦を望む ドレイクの反応なんてクソくらえだ お前はどんな危険を冒せる? 何を捧げられる?」
「ヒンドホール」は評論家や一般の人々から高く評価され、SNS上で数千万回視聴されただけでなく、数百万件の「いいね!」を獲得しています。
以上引用終了
この歌詞は私のように英語が苦手な人は自動翻訳機能を使って知ることができます。
かなり現代社会の核心をついている過激な内容ですが、最後に
「もしあなたがガザにいたら?もし彼らがあなたの子どもだったら?」という言葉が胸を打ちますね。
2014年度のグラミー賞新人賞を受賞した彼のデビュー曲を今改めて見てみると単なるウケ狙いではないということを感じました。
それにしてもこのビデオクリップよくできてます。