という訳で、TELASAで観るタイBL第三弾、まいります!
※当ブログの映画感想系記事は、基本的にモロネタバレは避ける方針で書いておりますが、感想上必要な範囲内で物語の核心に触れたり触れなかったりしますので、その辺ご了承の上お読みくださいませ。
■ 『The Shipper』 Aticha Tanthanawigrai監督
高校生の腐女子・パンは親友ソーダと共に、優等生の先輩・キムと、彼の親友で問題児・ウェイの妄想やおい小説を書いて楽しんでいたが、ある日、その小説が原因でウェイが問題を起こし、キム共々退学処分を喰らってしまう。
謝罪するパンをキムは許しバイクで送るが、突然の事故にあった二人は死者として辺獄に送られる…
だが、全てはおっちょこちょいな死の天使・ヨマトゥートのミスであった!
現世に追い返されたパンが目覚めると、彼女は何とキムの肉体の方に間違えて戻されていたのだ。
「ええ~!?」と悲鳴を上げ戸惑いつつも、その状況を利用し、今こそShipperとして推しのウェイ×キムをくっつけようと画策するパンであったが、事態は思わぬ方向に転がりだしてゆく…
面白いです、このドラマ。
男女入れ替わりモノ、いわゆる「転校生」ネタですが、この作品の場合、腐女子が男に憑依するという若干のややこしさと、相手側の少年がなかなか目覚めてこない展開が特徴ですね。
主人公が腐女子、という事で、BLとしては王道正統派というより傍流キワモノ路線でしょうねぇ、左のクセッ毛が主役のパンちゃん。
萌えの極致に達すると鼻血出したりしてムッチャ可愛いいんですが、思い込みであっちゃこっちゃと突っ走るんで、結構イラッとさせてくれたりもします…(苦笑
もう一人の主役、ミスターパーフェクト・P キム。
ただし、劇中ではほぼほぼ見かけはキムだが中身はパンという状況、演じる大きめのお口がセクシーなFirstくんがなかなかに良い演技をするんで、中盤以降はだんだんパンちゃんにしか見えなくなってきます…(笑
ヤンチャボーイ・ウェイくんはヤンキーにしては線が細くて可愛らしい感じ、でもまぁこういうヤンキーもいますけどね。
個人的には、IWGPでブッキーが演ってたサルくんをちょっと思い出しました。
絶妙にイケメンとフツメンの中間地点をふらふらと漂う、腐女子勢の宿敵現実主義者・ケート君、でも個人的には、顔的にこの子が一押しかなぁ、そういうフツメン感も含めて(笑
演じるOhmくんは、オレも観たいと思っていた(でも劇場では観損なった…汗)タイ映画・「デュー あの時の君とボク」の主役や、別ドラマ「He's Coming To Me~清明節、彼は僕のお墓の隣にやってきた」で「SOTUS」コング役のSingtoくんと共演したりもしてるようですね。
死の天使・ヨマトゥートを演じるドラァグクイーン?のジェニーちゃんの面白いんだか、面白くないんだか、な不思議な存在感が、結果的に面白いです(笑
タイBLにはオネエやトランスが出演するのは珍しくないですが、ここまで重要な役柄で出てくるのは意外と少ないですよねぇ。
この作品は主人公が高校生世代という事もあり、所詮ドタバタ系バカラブコメだろうと思っていたし、実際そんな感じで始まり展開してゆくんで、「まー最後まで観れたらラッキー、くらいかな?」とか思いつつ観てました。
「まさか、最終的に成立すんのがノンケカプばかりだったら暴れるぞオレぁ、ゴルア!」くらいの勢いで(苦笑
中盤にキム先輩の暗黒面が描かれ始めた頃から「…何だコレ?」と不審に思い始めたんですが、回を重ねてゆく毎にどんどんと深みを増してきて、一転、ラスト3話ではかなり号泣しまくってしまいました…(苦笑
正直、このドラマで泣くとは夢にも思いませんでした、中盤すぎるあたりまで…ホンマにビックリ、いい意味で期待を大きく裏切ってくれた作品です。
高校生ラブコメで、何か「真の愛」とか「死生観どうの」とかガチで出てくるとは思わんでしょ、普通…(笑
設定なり、シナリオなりに一部のスキもない、とかいう訳じゃないんですよ、全然。
むしろあちこちツッコミどころあるし、基本的に全部普通のティーンズ・ドラマの範囲内に普通に収まってます、良くも悪くも。
それなのに、もし「この作品をもっと面白くしろ!」って言われても、多分一ミリも動かしようがないんです、完璧すぎて…
とてつもない作品ですが、とてつもない分、序盤の印象通りのドタバタラブコメを期待していた方にとっては、トラウマ級のエンディングになっちゃうかもしれません…(汗
色んな意味でクセのあるBL作品にはなってますが、ウェイキムの少年チャンピオン臭い?友情物語だけでも観る価値はあると思うので、そういうの引っかかりそうな方は是非挑戦してみてください。
そういえば、エンディング後の「提案」について皆さん色々予測されてますが、私個人としては、絶対にこの作品を上回る続編は200%創れないのをわかりきってるしそれを覚悟した上で、それでも彼らが別の未来を描く続編が見てみたい気もしちゃいます…
■【タイBL沼】A Tale of Thousand Stars (千星物語)
■【タイBL沼】Theory of Love/セオリー・オブ・ラブ