子どもはなぜ癇癪を起こすのか? | 低学年との信頼関係の作り方:学童保育支援員さとさん

低学年との信頼関係の作り方:学童保育支援員さとさん

学童保育18年ベテラン指導員さとさんが学童保育生活向上のためのスキル・テクニックを実践する中で確信している小学低学年の子どもとの信頼関係の作り方をお伝えします。

お疲れ様です。子育てコーチング協会インストラクターのさとさんです。

 

 

発達障害とかADHDとかASDとか、今は様々な子どもの状態をあらわす言葉・カテゴリーがあって、そのそれぞれにどう対応していいか?を、大人たちは困っている。

 

もっとシンプルに考えてみることを提案します。

 

学童保育・児童クラブでも話を聞くと、癇癪や暴れることにどう対応したらいいか?どう声をかけるといいか?をあれこれ試行錯誤している。

 

だけど、子どもの気持ちをどうやって受け止めるかは、抜けてしまっている視点だなと思う。

 

 

なぜ、子どもは癇癪を起すのか?

 

今はなんでもググると情報が出てくる。

 

癇癪はなぜ起きる?で検索すると…

 

 

ここでは、学童保育・児童クラブの一般的な例で考えるので、小学生低学年を対象にして考えます。

 

主に、自分の意図したことと違うことが起きて、それに対する感情が抑えられなくなったり、切り替えることが難しくなったりしている状態と考えられます。

 

「思い通りにならない」から怒っている。

 

こうやって、癇癪を起した子どもは他の子どもたちも巻き込んで大騒ぎになることも多い。

 

 

 聞いた風はNG

 

児童クラブ・学童保育で働いていると、発達障害などの子どもの対応として「受容」ということも知っている。

 

でも、大騒ぎになってしまうので、ついどうやったら、思い通りにならない状態をあきらめて、次の行動に移せるかを伝えてしまう。

 

それも「受容風」をプラスした形で。

 

受容風+提案はいはい、そうだよね、そうだね。そういう時はこうするといいよ

 

聞いた風で、解決策を提案している。

 

これでは、子どもは気持ちを切り替えることはできません。

 

子どもからすると、こう感じている。

 

・自分の気持ちは切り捨てる

・新しい方向に目を向けさせられる

 

こうやって、無理やりな提案をしていると何が起きるか?

 

火に油を注ぐ

 

落ち着かせようと思ってやった「受容風+提案」が、結果癇癪をもっとひどくさせてしまう。

 

導く前にすること

 

ではどうしたらいいのか?

 

導こうとする前に、子どもの気持ちに寄り添う。

 

集団の中でうまく立ち回ることを伝える(導く)のではなくて、まず子どもの気持ちに寄り添う。

 

「もっと、頑張りたいけど、頑張れない」

「やりたいけど、できない」

 

などの気持ちに寄り添う。

 

頑張りたい気持ちを共感する。

 

どうしてもできないことの背景にある気持ちに目を向ける。

 

こうやったら、うまくやれるではないのです。

 

子どもは気持ちを受け入れてもらうと、その人の言葉が届きやすくなる。

 

耳が開く

 

(※子どものこころのコーチング講座でもお伝えしていること)

 

耳が開いたら、子どもに合わせて、提案したり、一緒に考えたりする。

 

こういうことを伝えると、支援員から聞こえてきそうな言葉。

 

そんな余裕はない。

 

でもね。

 

方法を変えないで、今まで通り「癇癪を引き起こす」やり方を続けますか?

 

 

子どもの話を聞く

 

では、どうやって聞けばいいのか?

 

頑張りたいって思っていて、でも頑張れない子どもが目の前にいたら、「がんばりたいと思ってるんだよね」というところから、共感をする。

 

頑張れなくて悔しいと見えたら、「くやしいね」と伝えてみる。

 

そして、その子どもがどう反応するか?を観察する。

 

やりたいと思っているんだけど、やれない子が目の前にいたら、「本当はやりたいと思ってるんだよね」と声をかけてみる。

 

そして、その反応を見る。

 

重要なポイントは2つ。

 

・共感ポイントに気づき、それを伝える。

・その反応を見て、さらに共感ポイントを探る

 

必要なスキルはこれ。

 

観察

 

子どもの様子を見て、行動の裏側に隠れている気持ちに意識を向ける。

 

本当の気持ちを分かってくれる人には、時間はかかるかもしれないが、心を開いてくるんです。

 

 

子どもとの関係は一日では作れない

 

癇癪をどうやったら鎮めることができるか?

癇癪をどうやったら起こさないようにできるか?

 

そこに目を向けているときは、その時にどうしたらいいかに意識が向いている。

 

でもね。

 

子どもとの関係は、癇癪を起した時に作るものではないよね。

 

普段の生活の中で、子どもとの信頼関係を作ることで、子どもに伝わりやすくなっていく。

 

じゃ、普段の生活の中で、どうやって信頼関係を作っていくのか?

 

・子どもと遊ぶ

・子どもの話を聞く

 

しかし、今の児童クラブでは、「子どもと遊ばない」方針を持っているところも多いようだ。

 

では何をしているのか?

 

敷地の中で定位置があって、そこに立って見張っている。

 

 

学校とは違い、ルールそのものがゆるくなりがちな児童クラブ・学童保育。

 

そんな中で、子どもたちはある程度好きに遊んでいる。

 

結果起きることは、けんかやトラブル。

 

だから、けんかやトラブルが起きないように見張る。

 

しかし、見張られるくらいじゃ、行動を変えることが難しいような子どもたちは、どうしてもゆるいルールさえも飛び出してしまう。

 

そして、癇癪や暴れる。

 

でも、普段見張ることしかしていないので、その子どもとの信頼関係は乏しい。

 

支援員の言葉が、そもそも届きにくい環境の中で、その子どもは言葉を受け取ることができるのかと言えば、断言します。

 

届かない。

 

逆に考えると、困った場面は信頼関係を作る大きなチャンス。

 

「子どもの話を聞く」

 

そして、日常ではこれが一番です。

 

「一緒に遊ぶ」

 

これ以上のスキルはない。

 

さとさんの結論

 

癇癪を起しやすい子どもを導きたかったら、提案をするより、「遊ぶ」「聞く」が一番の近道。

 

その子がどんなことに興味を持っていて、何を楽しいと思っているのか?それを、一緒に楽しめるようになったら、子どもは信頼を寄せてくれる。

 

そうなると、「わたし」の言葉が届き始める。

 

癇癪をどう鎮めるかに時間を費やすより、「遊ぶ」「聞く」が圧倒的に早い。

 

 

 


 

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