お疲れ様です。子育てコーチング協会インストラクターのさとさんです。

学童保育の現場は、すでに限界を超えて危機状態です。現場を知らない方には伝わりづらいので、ここで報告です。行政の方もぜひ読んでほしいです。
学童保育と学校は、似ているようでまるで違う。学校
→集団生活が当たり前で、学校という権威を子どもが無意識に感じている。
学童保育
→集団生活だが、放課後としての個人の自由を子どもが持っている。
学校で集団生活をすることは、ある種の常識だから、子どもたちも従う。先生の言うことは強制力が働く。
学童保育は学校を終えて、ある種解放されるところ。これは、現場にいる放課後児童支援員は全員理解している。
だから、ある程度一人一人で過ごすことを許容した保育をする。だけど、もはや学童保育の現場は耐え切れずに、荒れてしまっている。
なぜなのか?
ここでは、学童保育で働く人の属性という面で考えています。
属性
主に40代以上の女性が働く。60代でも若いといわれる場合も多い。男性の支援員もいるが、かなり特異。大学生のバイトは不定期。
とにかく支援員の高齢化が止まらない。勤務体系は、普段は3時間~4時間(放課後)。
長期休暇中は、8時から18時の中で、シフト勤務。給食のない日は、早く出勤する必要があったりと、とにかく不安定な勤務体制。
給与
月に7、8万が現状。最低賃金クラスのところも多い。年収にして、100万ほどが現状だ。扶養控除のことで働き方の制限する人も多い。
小さい自治体は、時給が高い傾向がある。月給制のところもあるが、現状少ない。保育士の賃金は、ようやくニュースに上がるが、放課後児童員はその陰に隠れてしまっている。
学童保育で家族を養うような給料ではない。働く方は、ほぼ女性。子育てを終えた女性、幼稚園教諭・保育士・教職員経験者。男性の支援員は、教職員を終わった年配の方。フリーター。教職員を目指している方。そして、大学生のバイト。
一見、色々なタイプの人がいて、よさそうに見えるが…。
小学生の遊ぶ場面を、実際に目にしている属性の人は見当たらない。「小学生が遊ぶ」ことに対する知識や理解がなく、意義も分からない。個別に働いている人の特徴を見ていく。
40代以上の女性
子育てを終えた女性は、自身の子育ての経験を生かすことはできるが、多くても3人。
現場に入れば、40人近くの児童がいて、それぞれ全く違う生き物。
戸惑われる。
女の子しか育てたことが無ければ、男の子の遊ぶ姿は異質なものに見えるんじゃないかな…
これは、逆もまた言える。
なので、正直なところ、自分の子育ての経験だけで、40人以上の子ども達と共に生活をすることは、困難なことが山ほどある。
幼稚園教諭・保育士経験者
幼稚園教諭・保育士の方は、遊ぶということの知識は持っている。
しかし、小学生の遊びとなると話が違う。
未就学児はある程度大人の言うことを聞いてくれる。そして、多少暴れても、かわいいですすむ。
小学生になると体格も精神的にも成長し、より自己主張が明確になる。
6歳以下の幼児にやっていたように子どもをまとめようとすると、小学生は子ども扱いをされてることに腹を立てる子もいる。
1年生だけがついてくる状態になりかねない。
教職員経験者
教職員をされていた方は、小学生の知識はあって、集団生活の中で「教える」ということは専門。
でも、自由に遊ぶことを許容することが困難。
いくら指導しても「いうことをきかない」サイクルに入ってしまう。結果、自分の指導が至らないと考えて、より厳しいルールを作る。
しかし、学童保育には学校ほどの権威が無い。学校は校長から始まって、たくさんの先生がいる。学校という地域の中での立場もよく、子どもたちも従うものだという無意識が働きやすくまとめやすい。
しかし、学童保育に来ると、全くいうことを聞かなない。この現実を受け止められなくなるのは仕方がない。
学校と同じことをしても、子どもたちはついてこないし、まとまらない。フリーター
フリーターの男性も放課後児童支援員として働く場合も多い。
時間的に融通がきいて、子どもたちとの年齢も近かったりすると、子どもと仲良くなりやすい。
が、子どもを預かるという責任感という面では、かなり危なっかしい。子ども・保護者・地域の方への対応は、ひやひやする場面もある。
実際にクレームも入る。私自身がそうだった。たくさんの方にご迷惑をかけた。
現場に余裕があれば、こういう人材をしっかり育てて行くのは、一つの形かもしれない。
しかし、子どもを預かるという仕事の傍ら、指導員の数に余裕のない中、人材を育てることは、至難の業である。大学生バイト
大学生のバイトは不定期。
しかし、子どもたちとの遊びはダイナミックにしてくれる。学童保育の現場を支えてくれている重要な存在。
大学生のバイトを受け入れるのは、とてもいいと思う。が、入れない時期が重なったり、いずれはいなくなる存在。
長期的な学童運営の中で、主要な存在として入れることは難しい。
悲観的なことばかり書いてしまったけど、それくらい現場は大変なんです。
できることはあります。
現場で働く放課後児童支援員が、楽しいと思える仕事であってほしい。
職員同士の対話

たくさんの子どもとともに生活をする職員。子どもたちが荒れているとき、この職員同士の連携が取れていないことが多い。
職員同士がコミュニケーションが取れていますか?
たとえ一人一人の価値観が違っても、子どもたちが楽しく過ごす学童保育を作るために、同じ目標に向かって進むことはできます。
まさに、チーム力が問われているんです。
職員同士が、それぞれの役割を尊重し、それぞれを支えあい、それぞれに個性を発揮することができる。
/div>