佐藤嘉洋オフィシャルブログ「明るく生こまい」Powered by Ameba
↑小森vs龍巳の試合前にリング上で、
光栄にも挨拶をさせて頂く。
ガチャピン顔界の女王、川村ゆきえについて語った。
写真は引き続き著作権乱用。
もうどうにでもなれ、だ。

(敬称略も今回が最後。名残惜しい)

第1話「立場のない人間に、一番与えられたいモノ
第2話「今までも、今も、これからも
第3話「苦しみの向こうの境地
第4話「同じ志を見つめたDNA
第5話「妥協と拘りの境界線
最終話「レジェンドたちから受け取ったモノ

そういえば遠い遠い大昔のこと。
キャバ嬢が私に一目惚したことが二回ほどあった、
というのはここだけの話だ。
私は万人受けはしないが、
一部で熱烈に好かれるときがある(本当にたまにだ)。

ファイトスタイルは日常生活にも
そのまま置き換えられるのかもしれない。
あっさりやられる人は、ベッドでもあっさりしている。
ねちねち戦う人は、ベッドでも……である。

さて、話を小森次郎vs龍巳健次郎に戻そう。
両者は20年前に対戦を予定されていた。
しかし、会長の欠場により幻のカードとなってしまった。
そしてこのエキシビションの話を聞いて、
会長は二つ返事で快諾。
「俺は龍巳くんだから、やることに決めた」
欠場し、龍巳に迷惑をかけてしまった無念と謝罪の思いを胸に、
再びリングに上がることを決めたのだった。

ゾンビと呼ばれた龍巳の諦めないファイトを、
私は高校生のとき初めて観ている。
今は三重県でハマグリを作っているという。
その不老不死のハマグリを、
ぜひとも食してみたい。



試合翌日、名古屋JKファクトリーに私が練習に行くと、
「俺は引退試合とかやってなかったから、
最後にリングへ上がれてよかった」
良い思い出になったよ、と会長はテーピングを巻いた。
私は今回のレジェンド達によるスペシャルエキシビションを観て、
大いに感動した中の一人だ。
こうして思わず8000文字に渡る手記を書いてしまったくらいだ。
私のような90年代のキックにハマった人なら、
お金を払ってでも観たいカードであったろうし、
実際内容もそれに伴うものだった。

「一年に一回くらい、やってもいいんじゃないですか?」
私は会長に言った。
だって凄く楽しかったし、
キックを始めた頃の初心を思い出せたんだもの。
いやいや俺はもういいよ、と会長は否定したものの、
誰かに頭を下げられたら、
またその気になってくれるんじゃないかな。
その勇姿をみたいレジェンド達も、
まだまだ残っているしね。
中島昇と鈴木秀明はその筆頭であるし、
今回はレフェリーだった岡本雅弘も忘れてはならない。

そうだ、そのときは大和ジムの門野元会長にも、
名古屋のキック界に戻って来てもらおう。
色々あったけど、
名古屋でキックの興行を定期的に開催してくれたのは間違いないし、
業界に貢献して頂いたことは疑いようもない事実だ。
そして何より、
小森会長の恩師であることにも間違いない。
会長が恩師というなら、
私にとっても大事な存在なのである。

締めとして。
自分の試合前に、
このようなあったかい気持ちにさせてくれた
東海アマチュアシュートボクシング大会を観に来て本当に良かった。
そして改めて思った。
私は「ここが好きだなあ」ということ。
皆引退しているけれど、
辞めたからといって格闘技と決別したわけでもないし、
嫌いになる必要もないし、背中を見せる必要もないのだ。
そりゃ辞めた直後は、
後ろめたい気持ちの人もいたかもしれない。
しかし、人生のほとんどを犠牲にして打ち込んだ格闘技だ。
嫌いになれるはずもない。
結局自分たちの人格は、
ほとんど格闘技によって形作られているのである。
レジェンド(連発すると恥ずかしくなってくるね)たちの……
うーん、むず痒くなってきたから言い方を変えよう。
先輩方の「生き生きとなまった体」を駆使し、
一生懸命リングで躍動する姿を観て、
次の戦いに向けて決意、熱意、覚悟、執念、
そして舞い込んでくる「運」を頂いた。

私は10月6日MAXMUAYTHAIというイベントに今回はゲスト的な存在として呼ばれている。
いわゆるVIP待遇のお客様だ。
5年前、ブアカーオにたまたまKOで勝ったが、
今はピークを過ぎた選手。
団体エースのブアカーオの引き立て役として、
これ以上にない人材。
首脳たちはそう認識していることだろう。
実際昨年からの不振で、
そう思われても仕方がない戦績、動きだった。
だから私は、
ここで必ず、
当然のように、
勝利しなければならない。
でないと何も繋がらなくなってしまう。

そして次回からは真っ向から侵略者として挑んでいく所存である。
この勝利で佐藤嘉洋の世界での市場価値を完全に取り戻すのだ。
まだまだ年寄り扱いするなよ。
若作りすりゃ大学生に間違われることもあるんだ。

必死に楽しもう。

明るく生こまい
佐藤嘉洋