ブルート通信221
明生人嘉 ~ Myojo Jinka 149 ~
火は見えていない

 

辞書の旅を始めて十三年。私は言葉から、あらゆることを教えられてきました。辞書は意味を調べる本だと思われがちですが、一から読めば哲学書にもなります。今号の特集「炎」でも激しく感じました。

 

私たちは普段「火が見える」と言います。しかし辞書を読むと、見えているのは火ではなく「炎」であることに気づかされます。火とは燃焼という目に見えない現象。炎とは、その火が光となって具現化した姿です。

 

この違いを知ったとき「人間の心も同じなのではないか」と思いました。

 

魂は火 行動は炎

道徳心も良心も、愛も感謝も、勇気も希望も、目には見えません。けれど、その人が発する言葉や行動には必ず現れています。人の行動とは、その人の心、あるいは魂の火が燃えて生まれた炎だったのです。

 

たとえば良心について。小学生が一人で安心して通学できる社会は凄いと思いませんか(妻は余計かと思われる心配をしていますが、今の日本はかなり安全です)。

 

法律は人を裁くことができ、警察は人を守ることができます。AIは危険を予測できるかもしれません。しかし人の良心は、人の心の中にしか育ちません。

 

落ちている財布を届ける。困っている人に声をかける。子どもが歩いていたら、自然に見守る。そうした小さな行動は、法律や罰則ではなく、良心から生まれています。 自慢して言うことではありませんが、私は財布を何度か落としてきました。

 

そしてこれは自慢できることですが、日本ではすべて戻ってきました。他県の道路に落としたときも、外国人の店員しかいなかったラーメン家でも戻ってきました。この地にいれば、皆、この良心を育んでいけるのかもしれません。ただし東山線の棚に置き忘れた松坂牛だけは見つかりませんでした。

 

また、当たり前ですが、財布チェーンをするようになってから落とす回数は激減しました。ご参考まで。

 

今年の正月明けに参拝した熱田神宮で入ったトイレに、パンパンに中身の詰まった高級財布が置いてありました。私の中の悪魔が「失敬してしまえ」と囁きますが、良心と御恩のおかげで、当然人助けさせていただきました。

 

第一、こんなことは自慢することでもなく、今の日本では当たり前の行動になっています。それがどれだけ凄いことか。

 

常に何かに気をつける

私は小学生程度にしか英語を話せませんが、海外経験は豊富な方だと思います。とはいえアメリカ大陸には渡っていません。アジアとヨーロッパが中心です。スウェーデンやウクライナでも試合をしました。

 

 

面白いこともたくさんありましたが、危険なこともありました。まず、盗んだり、騙してこようとする人間が多過ぎる!

 

袋の中に勝手に手を突っ込んできて、笑顔で持っていこうとする子どもも一人や二人ではありませんでした。堂々と賄賂をたかってきた汚職警察官もいました。物乞いやスリの数も比較にならないので甘い顔をしているとつけ込まれます。

 

男性の私にでさえそうなのだから、非力な女性、子どもがいかに危険かがわかります。海外は本当に気をつけましょう。その代わり、地震への気は抜いてもいいですから。

 

もちろん、海外にも良心的な人はいます。親友と思える人も多くいるでしょう。しかし、そうでない人も多くいることを自覚しておきたいです。

 

音楽配信一周年

お陰さまでKneekingRecordsは配信一周年を迎え、驚異的なペースで辞書の旅史に残る名曲たちを生成しています。また、今号からは現職探偵のD - Dragonもデビューしました。 今号は奇しくも、炎と命の歌が交錯。ちなみに『命の歌』の英語版は一年前からありました。

 

AIでの音楽生成は日本語の方が難しく、なかなか取りかかれずにいました。それでも試行錯誤を繰り返して順応してコツを掴み、ついに『』と揃い踏み。これぞ必然の奇跡かもしれません。

 

命は炎 そして血にもなる ( 命の歌  )

 

静かに激しく 命は燃え続ける (  )

 

誰の心にも悪があります。またどんな悪人にも家族や友人、何者かを大切に思う良心があります。そうなると、正真正銘の最悪の人間など、この世には存在できないという論理も成り立ちます。

 

言葉は面白いです。魂は火、行動は炎。生きている限り常に燃やせます。

ぜひ音楽を聴きながら、今号もご覧いただけたら幸いです。いつもありがとうございます。

 

明るく生こまい
佐藤嘉洋