【路上セッション】
路上ライブのセッションについて、いろいろ考える。
ジャズのセッションだと、アドリブ技の競い合いだ。これには、基本的な流れがある。
まず最初に、曲のメインテーマを全員で演奏する。
次に、サックス、ギター、ピアノ、ベース、ドラム・・
テーマと同じコード進行で切りの良い16小節とか20小節くらいを、各楽器が持ち回りでアドリブソロを演り、自分の技を見せるのだ。
誰かがソロを演っている時は、他のパートの人は伴奏に徹してソロを邪魔しない。
一通りソロが周わったら、また全員でメインテーマを演って終わるのだ。
曲によって多少違いがあっても、だいたいこんな感じの流れがある。
誰かがソロを演っていれば、それがその人の主役の時間だ。他のパートの人は、目立った事を演ってはいけない。これは暗黙のルールだ。
ルールを無視して、他の人のソロの時にアドリブを被せてしまう人もいるというが、そういう人は嫌われ、だんだんセッションに誘われなくなるのがオチだ。
柏の路上ライブでのセッションの場合は、どうだろう?
ジャズセッションほど高度なのは、なかなか見られないが、上手い人も下手な人もいる多流試合のような物だろう。
ボクがセッションした事がある人達。
バイオリンを弾く人がいる。
彼は、派手な事はせず裏メロを弾いてくれるので、イイ感じになる。時間帯が違うので、今はほとんど会わないが。
一時期ハーモニカの上手い人がいた。2ndポジションをこなせるので、ブルース系がカッコ良かった。
ウクレレの人もいた。
ギターと同様、コード弾きが多かったが、音色だけで一気にハワイアンテイストになって楽しかった。
カホーンの人は何人かいた。
プロ級に上手い人、基本リズムがハネてしまう人、おかずばかりで歌を邪魔しちゃう人、いろいろいた。
パンデイロ人がいた。
タンバリンみたいな楽器で、その人とは3〜4回しか演ってない。本人は隠していたが、たぶんプロ奏者だったと思う。
シャンべを叩く外国人がいた。
シャンべ教室で教えるような人だったが、ボクが歌う8ビートとラテン系のリズムでは、全く噛み合わずちょっとがっかりした。
16ビートの曲なら、バッチリ行ける人だと思う。
シェイカーで参戦してくれる人がいた。
元は別の楽器奏者だが、勝手参戦用に持ち歩いていたようだ。手拍子のように気軽に参戦出来るて、手拍子とは一味違う感じになる。
ギターの人は沢山いるが、ギター同士のセッションは意外と少ない気がする。
しかし、バンドの経験者は、カッコよくアドリブソロを弾いてくれる人もいる。
ボクは遭遇してないが、二胡や三味線で、ギター弾き語りとセッションになった事もあるらしい。
ボクが思うに、
路上ライブでギター弾き語りの場合は、なんと言っても「歌」が主役だと思う。
どんな場合でも、何の楽器でも、主役を喰ってはいけないと思う。
主役より目立つのは、絶対にやってはいけない行為だ。
とは言っても、路上という公共の場所を間借りして演っている以上、アーチストの意に沿わない参戦もよくある事だ。
路上ライブを演る人は、人それぞれ自分のスタイルがあり、曲によって「聴かせ所」を考えて演っていると思う。
歌にハーモニカ等のメロディ楽器を入れる場合、歌とぶつかるメロディはなるべく避けて、歌詞に区切りがある所や、息継ぎしている所に、動きのあるメロディを当てる。いわゆる裏メロだ。
原曲に元々の裏メロがあるなら、そのパートを受け持つのもいい。
逆に、前奏、間奏、後奏は、主役になれるタイミングだ。
力量が試される時だし、導入や余韻をカッコよく演出したい。
例外もある。
ギター弾き語りに、ホルダーでハーモニカを吹く人は、これで完結している。勝手な参戦はしない方がいいだろう。

(撮影∶そめい君)
ボクは時々、いろんな人にハーモニカで勝手参戦させてもらっている。
つまり、無断でセッション参加しているのだ。
一応、顔見知りで、勝手参戦を受け入れてくれる人だと思って演っているつもりだ。
歓迎してくれる人も確かにいるが、もしかしたら、迷惑だと思ってる人もいるかも知れない。スミマセン。
上記のように、裏メロや前奏等を、カッコよく決められればいいが、そこまでテクがないのは自覚している。
だから、音量はほどほどにして、あまり近付かない位置で演るようにしている。
だいたい1曲か2曲で終わらすが、歓迎ムードなら、調子に乗って3曲目を演る時もある。
しかし、調子に乗り過ぎると下手なのがバレてしまうので、やはりほどほどだ。
ささやかなイロドリ、ほんの少しのニギワカシが良いと思う。
逆に、仮にめちゃくちゃ上手かったとしても、主役を喰って目立つのはダメだ。
1〜2曲演ったら、目立たないように立ち去るのがいい。
・・
続けて、路上ライブのレポートに行こうと思っていたが、
長くなってしまったので、一旦〆よう。
続きは後日だ。
そうだ!
歌のセッションについて、書くのを忘れていた。
歌は、みんなで歌って楽しめるパーティーソングなら、勝手参戦も大歓迎だろう。
どんどん参戦して盛り上げよう。
バラードや独唱系は、参戦はNG。アーチストの歌を邪魔してはいけない。
どうしても歌いたかったら、アーチストや他の観客に聴こえない程度の声量でどうぞ。
自分の方が上手く歌えると思っても、大声で歌えばヒンシュクを買うだけだ。
デュオソングをアーチストが1人で歌ってる場合は、ハモリパートを買って出ると歓迎されると思う。
歌の場合は、ほとんどカラオケのマナーと同じだ。
ボクの路上ライブでは、
「まだ働いてる人がいる」という歌で、相沢咲太君がハモリを入れてくれる事がよくある。
彼が、自分でハモリパートを考え入れてくれるのだ。
時々歌詞を間違えたりするが、リスペクトを感じるし、ボクとしては大歓迎だ。
オリジナル曲では、歌の勝手参戦は大歓迎、有り難い限りだ。
ボクが作った歌が、聴いている人の心に届いてる気がするからだ。
覚えて帰ってくれれば、なおいい。
楽しかったという気分だけでも、持ち帰ってくれたら嬉しい。