逍遥遊

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気が向いた時に記す手記
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一部では批判もあるようだけど、真田丸は個人的には非常に良いと思う。

信繁だけではなく昌幸をはじめとした真田一族もしっかり描いていて、しかもその昌幸を真田太平記で信繁を演じた草刈正雄さんに任せたのも成功の要因ではなかろうか。

音楽もストーリー展開も人間ドラマの描き方も、配役も、理想的なまでに素晴らしいドラマだと思う。最近の新説をしっかり取り入れてるあたりも歴オタとしてとても嬉しい。

ただ、唯一残念なのが合戦シーン。
第一次と第二次の上田合戦を見て思ったが、迫力がまるで無い。

昔、風雲たけし城という番組で素人がアトラクションをこなすシーンがあったが、それを見ているような感覚に近いものがある。

人間ドラマの部分では大泉洋さんの好演で、大河では珍しく涙する事もあっただけに、肝心要の戦のシーンの残念さが際立つ。ウソっぽさと素人臭さを感じる。

連休中、中井貴一さん主演の武田信玄の合戦シーンを見て改めて真田丸の合戦シーンの残念さを感じた。命のやり取り感が全くない。

これから大坂の陣編に入るが、その合戦シーンだけが心配。

毎週楽しみにして、後半に近づくにつれて終わってしまう寂しさも感じているだけに、合戦シーンだけはなんとかしてほしい。

友人が飲み会を開催すると聞いて、こちらも人数集めに奔走。


しかし当初開催日の候補にあがっていた日程はいずれもボツになり、結局全く違う日程に決定。

結果、自らは参加出来ず、声掛けしたのも主催者とは面識が浅い方々の為、参加表明を頂いた方には申し訳ない仕儀に(T_T)

いま少し様子を見てから声掛け始めるべきでした(>_<)
最近はリアルが充実している。
昨年は歴友の結婚式に参加してブートニアプルズなる花の胸飾りを引き当て、その翌月には今の彼女と知り合った。

初デートがクリスマスだったから、もうそろそろ一年…。
今年は毎月のイベントを追いかけているだけで精一杯で、時間がとても早く過ぎた気がするかも。
アラフォーの歳のせいもあるかもしれないが…

先週の水曜日、行きつけのレキシズルバーが5周年を迎えた。


歴史に興味を持つ人が、同好の士の会合に参加する際に感じる躊躇の原因は幾つかあると思うけれど、今思いつくのは二つ。

一つは現時点で保有している知識の浅さを馬鹿にされる事

もう一つは好きな時代・人物がマイナーだからと鼻にもかけて貰えない事
だとおもう。

個人的には「でも有名じゃ無いよね」という一言が一番辛い・・・
自分だけが知っていて、好きであればそれで良いじゃないかと言い切れない
自分が情けない。
分かりやすくその魅力を伝える手腕に欠けるのが悔しい。

でも様々な宣伝媒体でその人物が有名になったらなったで、
自分だけのヒーローが遠くに行ってしまうようで寂しい・・・
非常に面倒くさい感情が常に心のどこかにある訳で・・・


他の人はどうなのか分からないけれど、自分に関してはレキシズルに初めて足を踏み入れる際、この二つが怖くて仕方が無かった記憶がある。

最近流行の歴史上の人物を元にしたゲームもアニメ知らないし、そっち関連の
話ばかりだったらどうしようと・・・。

いざ足を踏み入れてみると、そんな不安は杞憂であった。


対人関係で言えば、人見知りの自分でも居心地良く感じる雰囲気が常に漂う。

女将、首脳は勿論のこと、
人情の機微に通じた君子の吉右衛門さんこと安東氏あり、
底知れない雑学の知識と会話の妙に長けたヒロさんこと皆木氏、奉行こと
小松氏あり、
快男児の大将こと林氏、やっさんこと竹内氏あり。


知識の面でも、まさに多士済々。

真田氏に関連する事項に精通した女将、
南北朝史に詳しい朝姐、榎本氏、
会津・庄内を始め戊辰時の幕末東北史に精通した佐瀬翁、
日本・中国の通史でどの時代に関しても博学な知識を有する丸地氏、佐藤氏、
「街道の集い」にて三国志の新たな視点を示して下さる満田先生。

上記の方々のお蔭でどれだけ緊張が解されたことか・・・。


酒を飲みながら歴史を語る楽しさは大学時代でも前の職場でも十分に
堪能してきたけれど、今にして思えば、鎌倉・室町・戦国・幕末・明治、
中国の通史に関してすべてを思う存分語りあえる場ではなかったように思う。

その点レキシズルではそれぞれの分野に詳しい人当たりの柔らかい方が
沢山居るので、知らなかった知識を和やかな雰囲気の中で吸収できる。

他の場では受け流されるようなマイナーな話も、想像以上の勢いで受け答えが
あったりする。
歴史好きにとって、これほど居心地の良い場所はないのではなかろうか。

もっとも、恐怖が完全に消えた訳ではなくて・・・
最近は時々レキシズル内で歴史に詳しいと言われるのが怖い。
思うに、レキシズルにおいて「詳しい」は褒め言葉では決して無い気がする。
それを言われるに付け、突っ走って順序を間違えて話しすぎたかと帰途で
後悔する事も度々ある・・・。
これは歴史に関係なく自分個人の問題だと思うが(汗)



知識に関しては自分自身もそうだけれど、研究者では無いのだから
詳しくないのは当たり前。

本職の人にしてみれば、マニアックだろうがビギナーだろうが、
両方とも素人には変わりない。

故にその事柄がどれだけ好きかどうかの方が重要かもしれない。

レキシズル古参の方々の好きな人物に端を発する様々な面における
突破力を見るに付け、想いの力というものは凄いものだなと感じさせられる。

5周年のイベントで今に至るまで紆余曲折があった事を伺い、
改めて自分は良い時期に来て、良き人に恵まれたのだなと思う。

自分が凡人にして癖の多い性格であるとは自覚しているが、自分を迎え入れてくれた方々の様に、新規で来られる方を迎えられる常連の一人でありたいと感じた一日であった。

冬の鷹 (新潮文庫)/新潮社
¥662
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わずかな手掛りをもとに、苦心惨憺、殆んど独力で訳出した「解体新書」だが、
訳者前野良沢の名は記されなかった。

出版に尽力した実務肌の相棒杉田玄白が世 間の名声を博するのとは対照的に、
彼は終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いて巷に窮死する。

わが国近代医学の礎を築いた画期的偉業、「解体新書」成立 の過程を克明に再現し、
両者の劇的相剋を浮彫りにする感動の歴史長編。

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人物描写における杉田玄白との対比が面白かった。

普通に考えれば、何事においてもそこそこの所で妥協して調和を図る玄白の方
が賢い生き方なのだろうけれど、そこを妥協しない良沢に憧れる。

頑なに名利を求める事を避けた良沢。

その態度は
「僕は忠義をするつもり、諸友は功業を成すつもり」
と言う言葉を遺した吉田松陰にも似たものを感じた。
(もっとも人当たりの良さにかけては、似ても似つかない様な描かれ方だったけれど・・・)


ちなみに、この小説の最後の方に高山彦九郎という人物が登場する。
主人公の良沢と親しかったらしいが、後に尊王攘夷活動に身を投じ命を落とす。

彼の戒名は松陰以白居士。

幕末の思想家・吉田松陰はその号を上記戒名に因んで定めたらしい。


・・・松陰の号の由来は吉田松陰のWikiにも書いてあったけれど、長州系志士の
Wikiはまともに読んだ事がなかったので、本書で初めて由来を知った。

正史 三国志〈2〉魏書 2 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房
¥1,575
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魏の武帝曹操は、蜀の劉備や呉の孫権よりも遥かにスケールの大きい人間であった。

彼には乱世を生き抜く知力とバイタリティー、決断力があり、さらに人を引 きつけ受け入れる磁力と
度量があった。

文武両面の人材を擁しえた所以である。

本冊には「魏書」第七から第十三まで、すなわち曹操初期のライバル、呂布や陶 謙、曹氏一族の武将、
曹仁・曹洪や夏候淳、知識人の名ブレーン、鐘ヨウらの伝を収める。


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ジャンル・・・史料)

恐らく
荀彧の卒論の絡みで全8巻中最も触れる機会が多かった一冊。

呂布や
公孫、陶謙、張魯といった後漢末の群雄達。
また、夏侯惇を始めとする夏侯一族、曹仁等の曹一門の将軍達。
荀彧を始めとする参謀系・文官系の人物達の列伝を収録しています。

呂布の列伝に一騎打ちの話が殆ど出てこないとか、
横山光輝三国志だといまいちパッとしない陳登が孫策の軍を撃退していたとか、

色々驚く場面はありましたが、読んだ当初一番ショックだったの

公孫
と夏侯の列伝かもしれません。


公孫、横山光輝三国志だと主人公・劉備と何かと縁がある事もあり、
良い人的な印象があります。
ですがこの正史を読んでみると、とんでもない…結構な梟雄ですよw 

若い頃は容姿端麗にして頭脳明晰、声も大きくて弁舌爽やかだったとか。
先頭きって騎馬隊を率い北方異民族を駆逐と颯爽とした印象を受けます。

ですが後半は
袁紹が董卓に対抗して擁立しようとした皇族を処刑
優秀な配下にはパワハラを加え、仲良くするのは凡庸な金持ちのみ。
最終的には要塞に引き篭もって部下を見捨てて自滅と良いとこ無しです。


また、夏侯惇
何かにつけては曹操にくっついて行動しているんですが、一般的な猛将という
印象は本書からは感じられません。

呂布を攻撃した際、敵兵を捕虜にしたらしいんですが、夏侯惇は隙をつかれて
その捕虜達の人質にされてしまうんです。

結局部下の一人が
「将軍(夏候惇の事)一人の命の為に大事を誤る事は出来ない」
と言って攻撃を仕掛け事無きを得た上、その部下は曹操から
「君の判断は正しい」
と褒められるんです。

この時、夏侯惇が何と言ったかは記されていません
内心どう思っていたのか気になるところです。


参謀陣の列伝は演義や漫画と然程大差ないかもしれません。

魏の陣営に属する人達は演義や横山光輝三国志等で悪く・弱く描かれる事が
多い気がするんですが、夏侯惇は史実の方が情けない珍しいパターンですね。



戦国 佐久間一族/新人物往来社
¥2,940
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信長の出世の礎を作った盛重、信盛一族の栄光と挫折、盛政兄弟運命の賎ケ岳合戦など、
織田信長が天下を目指した戦いの中で、捨て石となって支えた佐久間一族の真実を描く。

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(ジャンル・・・史料)



昨年に佐久間盛政が目当てで買った一冊。

賤ヶ岳合戦で彼が突出して逆撃食らって七本槍にやっつけられた的なイメージ
があったが、彼直属の部隊は無傷で賤ヶ岳から安全地帯への撤退に成功して
いた模様。


直接逆撃を食らって加藤清正らに名を成さしめたのは弟の勝政。
盛政は弟の見捨てる訳にはいかないって事で安全地帯から引き返し秀吉軍と
交戦。


その交戦中に背後の前田利家が敵前逃亡
盛政の部隊は前面と後背の双方から挟撃に遭い敗北という流れらしい。


捕らえられた際、降伏を勧める秀吉に対して
『自分は命ある限り秀吉の首を狙い続けるから死罪にしろ』
と言い放ち、尚且つ
『自分に縄目をかけて京都市中を引き回して、権威強化に役立てろ』
とも言って散ったそうな。


結果的には敗者となった盛政だけれど、その生き様には戦国武人らしい
潔さを感じる。



更に言えば、戦国真田家の真田信幸幕末の奇才・佐久間象山は佐久間
盛政の弟・安政と縁が深い事が本書で分かった。

盛政は賤ヶ岳で戦死するが、そのすぐ下の弟・安政は生き残り徳川政権下で
大名となる。
(賤ヶ岳以後、佐々成政→徳川家康→北条氏政と天下が統一されるまで、
秀吉に敵対する勢力を転々とした反骨の武人でもあったそうな)


【真田信幸との繋がり】
佐久間安政の嫡男・勝宗の妻が真田信幸の次女(母は小松殿)

【象山との繋がり】

安政の娘婿で重臣の岩間清重なる人物があったが、その曾孫・国品の代には
主家の佐久間家が断絶していた模様。

国品は浪人していたが、上記における真田家と佐久間家の繋がりにより真田家
に仕官。

その際に曾祖母から佐久間の名を立てて欲しいと頼まれ、苗字を岩間から
佐久間に変更。

この国品が系図上では象山の曽祖父にあたるらしい。

「系図上では」というのは、国品には子が無く甥の国正が跡を継ぎ、その国正に
も子が無く、長谷川家から国善という人物を養子に迎える。この国善の息子が
象山にあたる。
(ちなみに上記・長谷川家の先祖は上杉謙信のもとで勇名を馳せた「斎藤朝信」だそうな)


佐久間氏が平氏である為、象山も自筆の書画に『平啓子明』と記している。
『啓』は自身の名前、『子明』は象山と併用して使用していた号だとか。


いずれにせよ、佐久間盛政に対するイメージが一新した一冊であった。





正史 三国志〈1〉魏書 1 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房
¥1,575
Amazon.co.jp

本書は正史『三国志』のわが国唯一の完訳である。

本冊には「魏書」第一~第六を収める。

三国の通史でもある帝紀四巻、后妃伝、後漢末の悪将董卓等の伝である。

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(ジャンル・・・史料)


この本を読まずして三国志を語るなかれ!
と言ってもいい程の基本中の基本となる史料。

大学時代に荀彧の卒論を書いた時、一時期手に取るのも嫌になる程に
散々読み返した一冊です。


一般に『三国志』というと劉備や諸葛亮、関羽趙雲といった人達が主人公
小説、即ち『三国志演義』の事を言う方が多いようですが、この『演義』の成立は
明代と言われています。

『演義』とは三国志の時代より1000年以上後に書かれている訳ですね。


ただ、中国の小説の中では珍しく知識人階層の読み物として認められた一冊だとか。


本書は上記の演義ではなく『正史』、国家に認められた正式な歴史書の翻訳本です。

著者の陳寿は劉備が建てた『蜀』の遺臣であり、『魏』が滅亡した時は30歳を過ぎたばかりだったと言われているので、同時代の人が残した歴史書になりますね。


第一巻の魏書1では魏王朝の歴代TOP、即ち曹操・曹丕・曹叡・曹芳・曹髦・曹奐の本紀、その皇后達の列伝に加え、董卓・袁紹・袁術・劉表の列伝を収録。

後代の歴史家・裴松之、習鑿歯の注釈も併せて記載されています。


君主クラスの列伝には、三国志で列伝が立てられていない人物の評伝も載っていたりするので、読んでいて楽しいですよ!


自分が三国志前半で好きな人物・沮授の評伝も袁紹伝内に収められています。

袁紹の河北制圧は軍事総司令官の沮授と、騎馬戦術の名将・麹義の二人の力によるものだという事も正史で初めて知りました。
(演義で有名な顔良、文醜に関しては殆ど記述が見当たらなかったりします)


曹丕が剣術家のトウ展という人物とサトウキビで立ち合いをして勝ち、得意気になる様子なんかも記述されていて、演義では描かれない意外な一面を知る事ができます。


三国志を世に広めた功績は『演義』に拠る所が大きいでしょうが、現状存在する『三国志』と名を冠する文書は全て『正史』の派生に過ぎない事を考えると、三国志好きを自認する方は是非とも触れておきたい一冊と言えるかもしれません。


最近はWikipediaという便利な物もありますが、正直ブログの延長上みたいな物ですから、正確さと時代の生の声を求めるなら本書を読むべきでしょう。







武士道―二本松少年隊の記録/歴史春秋出版
¥1,835
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明治戊辰、二本松城を守るため私願した62名の少年達。
彼等には共通して、二本松藩の士風をかたくなに受け継いだ武士道があった。

「武士道」―。

日本人の心の真髄を語り、美化した表現は他にあるまい。
会津白虎隊と共に永遠に語り継がれる、紺野史学の決定版。

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(ジャンル・・・史料)


先日に引き続き二本松少年隊本。

ブログへの記述が前後しましたが、実際に読んだのは本書の方が
先だったりします。


『二本松少年隊のすべて』・『シリーズ藩物語・二本松藩』と読んで、
更に木村銃太郎の事が知りたくなり、国会図書館で調べているうちに
本書に出会ったのが購入の切っ掛けでした。


『二本松少年隊の話:戊辰戦記』が小説風であったのに対し、こちらは
完全な史料本といった感じです。

二本松において少年隊が結成されるに至った遠因とも言える、白河戦争
辺りから二本松城落城までを記載しています。


如何せん二本松方面の知識が完全に頭に入っていない状態であった事に
加えて、本文中で時系列が前後する箇所も多々あり、更には地理関係も
把握していなかった為、読んでいて状況がイマイチ把握しきれない箇所
が幾つかありました。

当時の東軍・西軍の進軍図と併せて地図をもう少し所々に掲載してくれる
と分かりやすかったかも。



順番としては上記の『二本松少年隊の話』を読んだ後に本書を読んだ方が
分かり易いかもしれません。


それにしても、幕末の武士道の亀鑑は会津にありと思っていましたが、
なかなかどうして、二本松武士道も壮烈です。

上之内戦における二銃士、赤鞘の二壮士然り、大壇口での少年隊の奮戦、
二勇士の斬り込み然り、落城に際しての藩首脳部の身の処し方の潔さ然り、
読む度に心を打たれるものがあります。


学生時代は雑誌に載っていた木村銃太郎のイラストに惹かれて名前を
覚えた程度の興味だったのに・・・。

昨年辺りから関連書籍を読み始めて、今はその魅力にとり付かれている
感じですね(汗




『二本松少年隊の話:戊辰戦記』

【著者】 紺野庫治

【出版社】カメヤ書店

【出版年】1962年
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000552881-00 



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木村銃太郎、及びその下で戊辰戦争を戦った二本松少年隊の話。

昭和36年に発行された書籍なので、当然ながら絶版。
よってネットの古書店にて入手。

(近代デジタルライブラリーでも読めるのですが、館内限定閲覧なので、読みたい時は
国会図書館まで行かなくてはならないのが面倒くさくて・・・)



所々に小説風の描写を交えつつ、資料を基にした史実を記述
する形は、以前読んだ飯沼氏の史料本と似た印象を受けました。



奥羽列藩同盟が絡む東北戦線。

いまいち戦の流れが把握できていなかったのですが、本書のお陰で
二本松までの西軍の進路は、大まかに把握できたような気がします。

中村彰彦先生の「木村銃太郎門下」や、『二本松少年隊のすべて』
『シリーズ藩物語 二本松藩』を読んだ時もそうでしたが、幕末の
二本松関連は史料を読むだけでも涙ぐんでしまいます・・・。



巻末には二本松少年隊の名称が誕生する基になった
『二本松戊辰少年隊隊記』(水野好之 著)
も附録として収録。

この水野好之氏、戊辰戦争時は水野進と名乗っており、
実際に二本松少年隊の一人として戦い、生き残った方
だったりします。

戊辰戦争から50年後に、当時を思い出しつつ綴ったのが
上記『二本松戊辰少年隊隊記』だとか。

実際にその時代を生きた方の回想に触れる事が出来るのは
ありがたいですね。



戊辰随一の激戦と言われた二本松戦線。

会津戦線と比べると、西軍の諸藩が少年達に対しては随分と情を
掛けているのが印象的です。

やはり会津は京都での絡みが原因になってしまっているんですかね・・・
許すまじ春嶽・・・