レキシズル5周年 | 逍遥遊

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気が向いた時に記す手記
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先週の水曜日、行きつけのレキシズルバーが5周年を迎えた。


歴史に興味を持つ人が、同好の士の会合に参加する際に感じる躊躇の原因は幾つかあると思うけれど、今思いつくのは二つ。

一つは現時点で保有している知識の浅さを馬鹿にされる事

もう一つは好きな時代・人物がマイナーだからと鼻にもかけて貰えない事
だとおもう。

個人的には「でも有名じゃ無いよね」という一言が一番辛い・・・
自分だけが知っていて、好きであればそれで良いじゃないかと言い切れない
自分が情けない。
分かりやすくその魅力を伝える手腕に欠けるのが悔しい。

でも様々な宣伝媒体でその人物が有名になったらなったで、
自分だけのヒーローが遠くに行ってしまうようで寂しい・・・
非常に面倒くさい感情が常に心のどこかにある訳で・・・


他の人はどうなのか分からないけれど、自分に関してはレキシズルに初めて足を踏み入れる際、この二つが怖くて仕方が無かった記憶がある。

最近流行の歴史上の人物を元にしたゲームもアニメ知らないし、そっち関連の
話ばかりだったらどうしようと・・・。

いざ足を踏み入れてみると、そんな不安は杞憂であった。


対人関係で言えば、人見知りの自分でも居心地良く感じる雰囲気が常に漂う。

女将、首脳は勿論のこと、
人情の機微に通じた君子の吉右衛門さんこと安東氏あり、
底知れない雑学の知識と会話の妙に長けたヒロさんこと皆木氏、奉行こと
小松氏あり、
快男児の大将こと林氏、やっさんこと竹内氏あり。


知識の面でも、まさに多士済々。

真田氏に関連する事項に精通した女将、
南北朝史に詳しい朝姐、榎本氏、
会津・庄内を始め戊辰時の幕末東北史に精通した佐瀬翁、
日本・中国の通史でどの時代に関しても博学な知識を有する丸地氏、佐藤氏、
「街道の集い」にて三国志の新たな視点を示して下さる満田先生。

上記の方々のお蔭でどれだけ緊張が解されたことか・・・。


酒を飲みながら歴史を語る楽しさは大学時代でも前の職場でも十分に
堪能してきたけれど、今にして思えば、鎌倉・室町・戦国・幕末・明治、
中国の通史に関してすべてを思う存分語りあえる場ではなかったように思う。

その点レキシズルではそれぞれの分野に詳しい人当たりの柔らかい方が
沢山居るので、知らなかった知識を和やかな雰囲気の中で吸収できる。

他の場では受け流されるようなマイナーな話も、想像以上の勢いで受け答えが
あったりする。
歴史好きにとって、これほど居心地の良い場所はないのではなかろうか。

もっとも、恐怖が完全に消えた訳ではなくて・・・
最近は時々レキシズル内で歴史に詳しいと言われるのが怖い。
思うに、レキシズルにおいて「詳しい」は褒め言葉では決して無い気がする。
それを言われるに付け、突っ走って順序を間違えて話しすぎたかと帰途で
後悔する事も度々ある・・・。
これは歴史に関係なく自分個人の問題だと思うが(汗)



知識に関しては自分自身もそうだけれど、研究者では無いのだから
詳しくないのは当たり前。

本職の人にしてみれば、マニアックだろうがビギナーだろうが、
両方とも素人には変わりない。

故にその事柄がどれだけ好きかどうかの方が重要かもしれない。

レキシズル古参の方々の好きな人物に端を発する様々な面における
突破力を見るに付け、想いの力というものは凄いものだなと感じさせられる。

5周年のイベントで今に至るまで紆余曲折があった事を伺い、
改めて自分は良い時期に来て、良き人に恵まれたのだなと思う。

自分が凡人にして癖の多い性格であるとは自覚しているが、自分を迎え入れてくれた方々の様に、新規で来られる方を迎えられる常連の一人でありたいと感じた一日であった。