希学園は浜学園から派生した塾ですから、形式はとてもよく似ています。
しかし、中身の特徴は全然違うし、印象と違う部分が結構ありますので、注意が必要です。
それぞれの講座を比較し、どちらの何が優れているのか、以下にまとめましたので、参考になさってください。
小5カリキュラム
【浜学園】
小5最高レベル特訓
基礎から応用まで的確に段階を踏ませていて、日本全国の中学受験業界の算数テキストの中で内容や構成やレベル設定などどれを取っても最も優れたテキストと言えると思います。6年生になってからこのテキストを再度復習することで成績を上げる生徒も多数います。(評価★★★★★)
小5マスターコーステーマ教材
算数の基礎事項を各テーマごとに最小の労力で捉えていくことができます。
希学園のベーシック教材、テーマ解説と例題や確認問題の部分とほぼ同じ役割ではありますが、より基礎を確実に固めるという意図がこちらの方が顕著です。
(評価★★★)
小5マスターコース演習教材(B問題、C問題)
算数の土台を一つ一つていねいに確認していけるよう巧みに配慮された縦割り体系で問題演習、応用演習を可能とする教材になっています。
(評価★★★★)
【希学園】
小5最高レベル演習
高いレベルの演習をする目的…だが、小6の先取りをし過ぎ感がある。基礎が完全に固まった方にとっては問題無いですが、小5生の多くは、上位層であっても基礎土台にボロがある時期。この講座の扱いには注意が必要。
(評価★★★)
小5実戦レベル演習
小5最レと比較するとスリムにギュッと絞られた内容で、多くの5年生にとって意味のある内容になっています。希のベーシックカリキュラムの至らない点を補うに適した教材なのですが、希学園自身がそう解釈していないのかこの講座を受けるべき生徒に受講を促すマッチングが上手くいっていないのが残念なところです。
(評価★★★★)
小5ベーシック教材
ベーシックという名である以上、土台を形成するという目的の講座であるべきなのですが、その目的は果たされていません。各単元の演習量を増やす、という意味では良いのですが、それは本来最レや実レが担うべきところ。基礎土台から順を追って適切に段階を踏んだカリキュラム構成になっていないので、特に算数の力に少しでも不安がある場合、この教材によって力をつけて成績を上げるのが難しく逆効果となるケースまであります。
(評価★★)
小6カリキュラム
【浜学園】
小6最高レベル特訓
Ⅰ講座もⅡ講座も、テキストが昭和の時代のままで進化しない改訂されないまま現在に至っている。現代の中学入試算数の特徴を全く捉えられていないテキスト。小5最高レベル特訓のテキストは最も素晴らしいテキストなだけに、同じ名称の講座、小6最高レベル特訓も同じように素晴らしいと先入観を持たれる保護者が多いのですが、全く中身が違う。要注意。灘中を目指す上でもこのテキストは適していないし、このテキストが一体どのレベルのどの学校をターゲットにしたものなのか、残念ながら甚だ疑問な講座になってしまっている。(後述するが、浜の小6最レを受講するぐらいなら、希学園の最レまたは実レを受講する方が効果的。)
(評価★)
小6マスターコーステーマ教材
算数の基礎事項を各テーマごとに最小の労力で捉えていくことができる。
小5最高レベル特訓の基礎部分がより丁寧に解説され、より丁寧に演習を積むことが出来るテキスト。関西、関東問わずどこの学校を目指そうが、誰もが必ず取り組むべき汎用性の高いテキスト。算数の土台形成に最も適した内容です。
(評価★★★★)
小6マスターコース演習教材(B問題、C問題)
算数の基礎確認と応用演習が、巧みな縦割りにより学習しやすい教材になっている。小6ということでより入試実戦レベルに近づいているが、急激に難易度を上げる無茶も無く、程良く駆け上がれる階段が設置された、非常にバランスの取れた問題集。小6生はこの1冊で日本全国の中学入試算数に対応できると言っても過言ではありません。
(評価★★★★★)
【希学園】
小6最高レベル演習
小5の最レはレベル設定に無茶があったが、小6最レに関しては、上位を目指す生徒にとって重要な問題を的確に演習できるテキストになっている。浜学園小6最レ算数が最悪な質なので、浜学園公開テスト算数の偏差値が61以上ある生徒は、浜学園の最レを受講せず、できれば希学園の最レを受講することをすすめる。(後述するが、浜学園公開テスト算数の偏差値が54~60ぐらいの生徒は、浜の最レを受講すると確実に終わるので、希学園の実レを受講することをすすめる。)
(評価★★★★)
小6実戦レベル演習
小5実レと同じく、希学園公開偏差値50〜56程度の生徒にとって程よい演習ができるテキスト。しかし希学園自身がそう解釈していないのか、この講座を受けるべき生徒に受講を促すマッチングが上手くいっていない…のは小5実レと同じ。浜学園公開テスト算数の偏差値が54~60ぐらいの生徒は、浜学園の最レ受講の意味が全く無いので、希学園の実レを受講することをすすめる。
(評価★★★★)
小6ベーシック教材
小5ベーシックのテキストと同様に、カリキュラム構成力に劣るテキスト。作成者の勉強不足がうかがえる。中学受験算数の土台を強固なものへと誘うべき講座であるにも関わらず、応用発展レベルへと続く適切な階段が設置されることなく唐突にハイレベルが提示されていたり、あるべき基礎テーマが完全に抜け落ちていたり、と、希学園のメインテキストという意味では寂しい内容となっている。
(評価★)
おおまかにまとめると、以上になります。
ご注意頂きたいのは、この話は算数に関して、という点です。例えば国語のカリキュラムや教材に関しては希学園の圧勝だそうです。理科に関しても浜より希の方がやや優れているそうです。
上記の話で一番重要なのは、特に浜学園塾生の方々に対して、
小5最レは最高級
小6最レは最低質
という点を、しっかり押さえておいて頂きたいという点です。
浜学園小6塾生の方で算数の成績を上位レベルで維持したい、上げていきたいという方は、
「浜小6平マスターコースカリキュラム+希小6最レor実レ」
という組み合わせで受講されるのが最も効果的だということです。この点を知っているのといないのとで、かなり差がつくと思います。
これからの時代、特定の塾や特定の教材に依存するのではなく、上手に良いとこどりする方法をぜひ考えてみてください!
動画でも解説していますので、以下参照してください。
今回は以上です。
make sense!
■■算数ソムリエ■■