シリアと朝鮮-ウソから始まる戦争、ウソが煽る戦争- | かっちんブログ 「朝鮮学校情報・在日同胞情報・在日サッカー速報情報など発信」

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朝鮮半島で戦争は起こるのか? 米国は朝鮮を攻撃するのか?

 

トランプ氏「北朝鮮はケンカを売っている」&世界トップの新学期

 

トランプが朝鮮を攻撃できない6つの理由  

 

米国赤っ恥、北朝鮮の挑発に手も足も出せず  

 

ホワイトハウス  “対北 先制攻撃の可能性”報道を否定 

 

朝鮮は戦争をしたいのか?したくないのか? 

 

2017年4月、朝・米対決戦の現住所

 

 

の続き

 

 

 

 

 

 

 

シリアと北朝鮮-ウソから始まる戦争、

 

ウソが煽る戦争-3

 

 

http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/3f3d729b43270f59967c5495e4344399

 

 

2017-04-18 18:34:34 | 日記・エッセイ・コラム

北朝鮮は、金正男氏の暗殺の「黒幕」と叩かれていますが、韓国の次期大統領が保守系から革新系に変わり強硬路線から融和路線に変わるだろうと見られている時に、あえて韓国世論を刺激する動機はなんなのでしょうか。しかも、衆人環視の空港ロビーで、素人の女性を使い、カメラの前でわざわざ一部始終が収まるようにするとは。マスコミに登場する解説者たちは「理屈で説明できないのが北朝鮮だ」という一言で片づけていましたが、そんな説明で済むのなら国際政治のアナリストなど誰にでも務まります。マスコミからは納得できる説明が得られませんが、ネット上では、以下のサイトが、この事件を批判的な目で追っておられます。

時事解説「ディストピア」
http://blog.goo.ne.jp/minamihikaru1853

外国要人の暗殺を繰り返し実際に計画・実行してきた国は確かにあります。他ならぬ米国です。例えば、以下に見るフィデル・カストロ氏の暗殺計画など、その執拗さ、偏執ぶりは凄まじいものです。

Myriad ways CIA tried and failed to assassinate Fidel Castro
https://www.rt.com/news/368298-castro-assassination-attempts-cia/

以下のような資料からも、暗殺国家・アメリカの常軌を逸した無法と残忍性を思い知ることになります。

The CIA has Attempted to Assassinate 50 Foreign Leaders Including Chavez
http://www.globalresearch.ca/the-cia-has-attempted-to-assassinate-50-foreign-leaders-including-chavez/5326864

A Timeline of CIA Atrocities
http://www.globalresearch.ca/a-timeline-of-cia-atrocities/5348804

アメリカの暗殺者学校
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1004-8n.html

現在、過去最大規模の「米韓合同軍事演習」が例年どおり2カ月にわたって実施されており、今回は、マスコミも取り上げているように「金正恩委員長暗殺」まで想定しています。

米韓演習に米特殊部隊参加 暗殺など任務、北朝鮮へ圧力
http://www.asahi.com/articles/ASK395VXBK39UHBI020.html

以下の記事などには、「朝鮮戦争」において米軍による無差別絨毯爆撃がなされ、当時の北朝鮮の人口の3分の1(一説には4分の1)、100万のケタの犠牲者が出たとあります。これはまさに地獄です。その恐怖は想像を絶します。

America’s War against the People of Korea: The Historical Record of US War Crimes
http://www.globalresearch.ca/americas-war-against-the-people-of-korea-the-historical-record-of-us-war-crimes/5350591







北朝鮮への空爆では、在日米軍基地が重要な拠点となり、東京大空襲などの本土爆撃や原爆投下、のちにはベトナム北爆にも関与したカーチス・ルメイ空軍大将が指揮しました。ルメイはその後、航空自衛隊育成に貢献したとして、小泉純一郎元首相の父親・小泉純也(防衛庁長官)の推薦をうけ佐藤栄作政権下で「勲一等」の最高位を贈られます。

藤永先生がかつて指摘されたように、私たちは「朝鮮戦争」の歴史にあまりに無知なのでしょう。学校教育において私自身、史実を教わった記憶がありません。日本人が受けた被害は「拉致問題」ですが、朝鮮人が受けた被害は、過去の植民地支配と戦争、その間に起きた経済的搾取と民族的差別、強制連行(拉致!)、強制労働、従軍慰安婦、そして、日本敗戦後の民族分断、在日米軍が関与した「朝鮮戦争」(人口の3分の1が殺される大虐殺)などです。日本が朝鮮人民に与えた被害の期間と規模は凄まじいものです。日本人拉致被害者の問題解決ももちろん重要ですが、一方的に北朝鮮の拉致だけを断罪するのではなく、日本の側が過去の未清算の罪をみつめ、真摯な謝罪と償いをすることで、関係を正常化するしかないのではないでしょうか。そうすることでしか前に進まないのではないでしょうか。

過去、米軍の無差別爆撃による大虐殺に遭い、現在、米国が敵視する国が次々と軍事攻撃を受けているのを見れば(イラク・リビア・シリア…)、しかも、毎年大規模な米韓合同軍事演習(在日米軍基地も重要な中継拠点なので実質的に日本も参加)が長期にわたってなされ、そのなかで金正恩氏の暗殺計画まで盛り込まれているとなれば、北朝鮮として身構えるのも当然のことでしょう。「ミサイル4発の試射」など釣り合いがとれないほどです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E3%81%AE%E6%9E%A2%E8%BB%B8

それでも、日本のマスコミは「北朝鮮の度重なる挑発」と大騒ぎし、衆参両院も「全会一致」で北朝鮮非難決議を採択しました。いったいどちらが威嚇・挑発をしている側なのかが倒錯しています。たとえて言えば、「いじめっ子」にかつて瀕死の目に遭わされ、今も威嚇・挑発を執拗に受け続けている「いじめられっ子」が、身構えて必死になって抵抗したとします。このとき、「いじめられっ子」の行為だけを取り上げて、「なんて粗暴な奴だ。けしからん!」と𠮟りつけるなど、許されることでしょうか。

国際社会において最も大切なことは、宗教・民族・文化・価値観・政治経済の制度・体制の互いの違いをのりこえて、「平和共存」を図ることでしょう。「独裁」「民主」という言葉をわかったかのように振り回す人たちが目立ちますが、日本は「民主的な国」と本当に言えるのでしょうか。米国は「民主的な国」と本当に言えましょうか。一部の特権階層、政官財界の癒着、軍産複合体などが支配する体制ではありませんか。日本人、米国人のどれほどが、政治に自分たちの意見・思いが反映されている、政治家や官僚は自分たちのために働いている、と胸を張って言えるでしょうか。「民が主」とはそういう状態の国を言います。「日本や米国は民主」、「シリアや北朝鮮は独裁」だと二分法で断罪するのではなく、大事なのは、すべての国が「民が主」の状態をつくる不断の努力をしていくことでしょう。「独裁国家打倒」と銘打って、他国を武力で威嚇したり、叩いたりすることなど、思い上がった許されぬ行為であり、測り知れない不幸と混乱を逆に招くだけの行為です。「平和共存」「武力不行使」という大原則を堅持することが最優先です。今回の米国のシリア攻撃をうけて、安保理の15カ国のうち英・仏・伊とウクライナ(親欧米クーデター政権)、それに日本の5カ国だけは米国側につきましたが、その他の国々からは厳しい批判や慎重な意見が相次ぎました。「国連憲章・国際法の遵守を」「武力不行使・政治的解決を」「国連・安保理を尊重せよ」「単独行動はやめよ」「公正な事実調査を優先せよ」といった意見です。

日本では常に悪者扱いされる「ロシア」と「中国」ですが、この2カ国が欧米の横暴を食い止める「防波堤」になってくれていることに、安堵・尊敬・感謝の念を禁じえません。また、藤永先生のブログにかつて登場した、エボ・モラレスの「ボリビア」とホセ・ムヒカの「ウルグアイ」、この2カ国も実に立派でした。小さな国でも、大国アメリカに向かって、堂々と勇気をもって筋を通しました。

https://www.un.org/press/en/2017/sc12783.doc.htm

今回、「サリン」の言いがかりでシリアに攻撃を加えた米国ですが、当の米国はこれまでにどれだけ残虐な兵器で罪なき人々に犠牲を出してきたことでしょう。その最たるものは「原爆」ですが、ベトナム戦争の「枯葉剤」の被害なども悲惨なものでした。その影響は現在、三世代目、四世代目にまで及んでいるといいます。

Effects of Agent Orange on the Vietnamese people
https://en.wikipedia.org/wiki/Effects_of_Agent_Orange_on_the_Vietnamese_people

枯葉剤被害者のために引き続き支援を進め、正義を求める
http://synodos.jp/article/17868

「核兵器禁止条約」を目指す史上初の国連会議で、米国は真っ先に反対を表明し、日本もそれに追随しました。戦争被爆国・日本が、世界で唯一リーダーシップを発揮できるこの分野で、本当にもったいない、情けないことです。高見沢将林(のぶしげ)軍縮大使は「concrete」「actual」という単語を、岸田外務大臣は「現実的」という単語をしきりに使いましたが、あまりにも「現実」という概念を狭くとらえすぎています。

高見沢大使の演説
https://www.youtube.com/watch?v=SRvswR7SF6A

岸田外務大臣の会見
https://www.youtube.com/watch?v=Ca_uWrCcJQw

 

 

 

 



会議には115カ国が参加しましたが、これだけ多くの国々が核兵器禁止条約の実現に向けて集結できたというのも、一つのまぎれもない「現実」ですし、その現実をさらに展開していく努力こそ、被爆国日本の役割のはずです。高見沢大使も岸田外務大臣も「核保有国と非核保有国の溝を広げてはならない」という趣旨の発言をしましたが、その溝を埋める橋渡し役として必死になって奔走することこそが日本の使命であり、その努力いかんでは、さらに別の「現実」が開けることになるのです。両者の発言は、こうした「現実のダイナミズム」に目を閉じ、「現実」を静的・固定的にとらえるものでした。

ここで述べたことは、政治学者・丸山眞男氏の「「現実」主義の陥穽」という一文(1952年)から学んだ視点でありますが、病床から書かれた手紙であるこの一文は、すっきりと無駄がなく、それでいて、心のこもったものであり、今読み返しても本当に隅から隅までうなずける内容で、時代を超越した普遍的価値にあふれたものです。『現代政治の思想と行動』(未來社)という本に収められています。まだ読まれていない方は、ぜひ一度お読み下さい。

今回、被爆者の代表の一人として、ヒロシマの生存者、サーロー節子さんがスピーチをされました。彼女は、前日の高見沢大使のスピーチに対して、「祖国に裏切られ続け、見捨てられ続けているという被爆者の思いが、これでさらに深いものになりました。大使は、外国の高官を広島に招き原爆の惨禍を理解してもらうことをとおして、核軍縮における重要な役割を果たしていくと語りました。しかし、これは空疎な、ごまかしの活動です。そうした活動を、米国の核の傘に入りながら行うのですから。核の傘から抜け出た独立のポジションに立つべきです」と批判しました。高見沢大使のスピーチは、日本人として聞いていて本当に恥ずかしいものでした。その内容もさることながら、早口で無機質にただ読み上げるだけのしゃべりからは、とても被爆国・日本としての熱意など感じられるものではありませんでした。

サーロー節子さんは、会議に参加する道を選んだ国々の代表に対して、「皆さんにはどうか、核兵器禁止条約が実現したときにその恩恵を受ける未来の世代の存在を想像するだけでなく、ヒロシマ・ナガサキの死者の魂がこの会議の行方を見つめているということも感じ取っていただきたい。死者の記憶と残影がこれまで常に私を支え、導いてきました。このようにして、多くの生存者たちは、愛する者の死が無駄にならぬようにと生き続けてきたのだと思います。皆さんもどうか、こうした死者の魂の存在と支えを感じ取ってください。会議を成功させてください。私たちヒバクシャは、この条約は世界を変えることができる、変えることになるだろうと心から信じています」と、涙ながらに訴えました。

サーロー節子さんのスピーチ
https://www.youtube.com/watch?v=xnwzXXSy9ec

サーロー節子さんの日本への失望
https://www.youtube.com/watch?v=yqYDhlXfM5U

サーロー節子さんの壮絶な体験談(以下)は、核兵器について語るうえで大前提となる「必聴」のものと感じます。

"We Learned to Step over the Dead": Hiroshima Survivor & Anti-Nuclear Activist Recalls U.S. Bombing
https://www.democracynow.org/2016/5/27/we_learned_to_step_over_the

"I Want the World to Wake Up": Hiroshima Survivor Criticizes Obama for Pushing New Nuclear Weapons
https://www.democracynow.org/2016/5/27/atomic_bomb_survivor_setsuko_thurlow_on

ところで、核兵器と同様に放射能被害をもたらすものとして「劣化ウラン弾」がありますが、こちらはすでに実戦で使用され続けています。シリア紛争でも、米国は「使用するつもりはない」という前言をひるがえして大量に使用しました(対イスラム国と称して)。湾岸戦争・イラク戦争での人的・環境的被害も深刻ですが、米国はまったく反省しておらず、シリアでの大量使用に踏み切ったわけです。このような国が、「化学兵器でかわいい赤ん坊が殺されることは許せない」などと、よく言えたものです。

The Pentagon said it wouldn’t use depleted uranium rounds against ISIS. Months later, it did — thousands of times.
https://www.washingtonpost.com/news/checkpoint/wp/2017/02/16/the-pentagon-said-it-wouldnt-use-depleted-uranium-rounds-against-isis-months-later-it-did-5265-times/?utm_term=.07dac77cc4fb

Iraqi Doctors Call Depleted Uranium Use "Genocide"
http://www.truth-out.org/news/item/26703-iraqi-doctors-call-depleted-uranium-use-genocide

北朝鮮の核開発は「脅威」だとされ、日米の軍備増強の根拠とされていますが、これはまったく為にする議論です。安倍政権は明らかに「戦争への道」を進んでいますが、国民世論説得の道具に「北朝鮮の脅威」なるものが利用されている状況です。教育基本法改悪(愛国心)、道徳の教科化、教育勅語の再評価、戦争法制、秘密保護法、そして今回の「共謀罪」(戦前の治安維持法)、任期中の「憲法改悪」まで目論んでいます。すべてが「戦争」につながるものです。

昨年の時点で、北朝鮮は核兵器禁止条約の交渉開始に賛成していました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-29/2016102901_01_1.html

今回、その北朝鮮を後ろ向きにさせたのは、もっぱら米国の態度です。以下の朝鮮中央通信の記事でも、そのことが中心に書かれています。

http://www.kcna.co.jp/item/2017/201703/news24/20170324-20ee.html

朝鮮戦争は平和条約が締結されず「休戦状態」ですが、対立する双方、互いに銃口を向け合う双方のうち、一方にだけ「銃を捨てろ」と迫るのは無理な話です。朝鮮半島の非核化は、六者協議の原則だった「約束対約束、行動対行動」にもとづき、両者同時履行で達成していくべきものです。北朝鮮だけを責め、北朝鮮だけに核の放棄を迫るのは、あまりにも自己中心的なのです。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html

私は、北朝鮮の核問題について、浅井基文先生(元外務省中国課長、元広島市立大学広島平和研究所所長)のご論考から多くを学ばせて頂きました。多数ご論考のうち以下に三つほどご紹介します。

北朝鮮の核兵器問題
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2008/204.html

朝鮮半島の非核化の条件:朝鮮の立場
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2009/268.html

北朝鮮の対シリア核協力に関するブッシュ政権の発表
http://www.ne.jp/asahi/som/pojke/test/thoughts/2008/217.html

シリアでのこの6年間を見てもわかるように、いまの世界を動かしている米国中心の権力支配層にとって、「人間の命」など虫けら同然であること、自己の目的のためとあれば、和平の妨害、戦争の継続、偽旗作戦に赤ん坊の命を利用することなどに、微塵のためらいもないことがわかりました。私たちは、自分の身にまさか戦争の惨禍は降りかからないだろうと高を括りがちですが、これはまったく甘い考えです。私たちの命など、こうした権力支配層にとっては「虫けら」同然なのです。平和への脅威、平和の破壊者は、シリアや北朝鮮ではなく、彼らにそうしたレッテルを貼り、自国本意の対外戦略と威嚇・侵略を推進している側です。(桜井元氏寄稿 終)

藤永茂(2017年4月18日)