自分のこと その27 ~勝負レオタード~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
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出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
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・・・初めてソロをもらった、小さな小さな舞台が終わると、次は1年後に予定されていた発表会の練習に入りました。


この頃から私は、大人クラスだけで踊る作品だけでなく、中学生や高校生の群舞に入れて頂くようになります。

 

けれど、これはプレッシャーでした。

 

中学生や高校生達は、小さい頃から10年近くかけて先生から厳しくバレエを指導されています。

 

・・・かたや、大人からバレエを習い始めた私たちは、基本的に趣味のクラスなので、いくらきちんと教えて頂いているとはいえ、目的は上手になることよりも楽しくレッスンすることであり、小さな子供達が経験してきているような汗と涙の厳しさとは全く違います。

 

コンクールに出たり、留学したり、発表会で主役を踊るために競争したり、プロを目指したりしながら10年踊っている人達と

 

その人達を(わぁ、すごい、子供達は綺麗に踊るなぁ、上手だなぁ。)とうっとり眺めていた私達が一緒に踊る訳です。


もう、意識が完全に違います。

 

そう、子供の時から習っている人達の中にハッキリとあって、大人からバレエを習っている私たちには全くなかったもの、


それは『競争』でした。

 

この先、私もこの『競争』の世界に身を置く事になりますが、この時はまだそんなことには気がついていませんでした。


この時はただただ、皆のジャマをしないように、足を引っ張らないように、悪目立ちしないようにと必死でした。 

 

それは、自分が上手だから群舞に混ぜてもらったという訳ではなく、踊る人数の関係で、大人クラスの中から在籍年数と出席率と練習回数が多い自分が選ばれたのだということが分かっていたからです。


練習の時もリハーサルの時も、目立たないようにといつも隅っこで小さくなっていたことを思い出します。

 

レオタードも極力目立たないように黒一色で。

 

そんな中でも、上手な人達に混じって気後れする自分を少しでも奮い立たせよう、せめて自分が少しでも綺麗に見えるようにと、バレエ用品店に行って、黒レオタードをあれこれ試着して。

 

そして結局、自分がバレエを始めて一番最初に買ったレオタードが一番自分を綺麗に見せてくれるデザインだということに気がつき、これを自分の、当時流行っていた『勝負下着』ならぬ、『勝負レオタード』と決めていました。

 

リハーサルや、後に試験やオーディションを受ける時にはいつもこの『勝負レオタード』を着て出かけていました。


もう、お守りみたいなものでしたね。

 

この『勝負レオタード』の発想は、当時のスタジオで同じクラスの人達に話したところ、大いにウケて、以来、皆それぞれの『勝負レオタード』を決めていたようです。


ちなみに私の勝負レオタードはとてもベーシックなデザインのもので、今も変わらず発売されていますので、痛んでも、また同じものを購入して、常に持っています。

さすがに今は勝負することはなくなりましたが、見るたびにあの頃を思い出して気持ちが引き締まります。

 

・・・それにしても、この勝負レオタードで良かったのが、そうやって、自分に似合うデザインや色をあれこれ研究したことによって、普段着る洋服でも、自分に何が似合うのかがわかるようになったことです。

 

それまで私は、洋服は見て気に入ったものや、素敵だな、可愛いな、着たいなと思う服を着ていましたが、この勝負レオタード以降、少しずつ、自分に似合う洋服を選べるようになりました。

 

例えば、私の場合はUネックよりはVネックの方がスッキリ見えるし、パープルは赤みの入ったものよりは青みの強いもの、そして原色に近い色よりは、パステルカラーの方が顔映りが良いことだったり・・・。


私の場合は首と腕は肌やラインを出した方が綺麗に見えることだったり・・・。

 

レオタードってシンプルなので、襟元のラインと袖の形、生地の素材、あとは色くらいしか変化のつけようがないのですが、それらが1つ違うだけで、こんなにも印象が変わるんだなということを、いつの間にか学んだような気がします。


ただ、年齢によって、似合うデザインやカラーは変化するので、最近は、また買いなおしたいなと思っているのですが。

 

ともかく、この頃は、一生懸命じたばたしていた時期でした。

 

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