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バレエをはじめて半年後、私は週に1回のレッスンだったバレエを2回に増やします。
土曜日の午前中。
平日のクラスより、少し難しいクラス
本当はお休みの朝はゆっくりしたいし、平日のクラスでさえついていくのがやっとなのに、ちょっと無謀かも、と思いましたが・・・
鏡に映る自分の、あまりの情けなさに、何とか少しでも早く上手になりたいと、勇気を出しました。
土曜日クラスは、その時の私にとっては、とてつもなく難しく・・・
センターレッスンで斜めに移動する時に「1人ずつ!」などと言われると、もはや立ち尽くすほかなく・・・
毎回、レッスンが終わると、ぺしゃんこにへこんで帰りました。
それでも、(週1回より週2回の方が、レッスン量が倍だし!)とか・・・
(こんなにつらくても、頑張っている私は偉すぎる!)とか・・・
(レッスンを一度も休まずに行けば、きっと上手になるに違いない!)などと、自分をなだめたりすかしたりしながら、通っていました。
どうしても落ち込んだ時は、『クララ』というバレエ雑誌を読んで元気をもらっていました。
当時、毎月発行されているバレエ雑誌といえば、ガツンと内容が充実している『ダンスマガジン』か、子供向けのバレエ雑誌『クララ』のみ。
初心者の私には『ダンスマガジン』は難しすぎたので、子供向けの『クララ』を読んでいました。
『クララ』の中にはピンクのレオタードに白いタイツを履いた可愛い女の子や、チュチュを着た素敵バレリーナ達が載っていて、とても夢のある世界でした。
将来はバレリーナになりたいです!
いつかあの役を踊ってみたいです!
そういった、子供達の夢や希望がキラキラしていて、ページをめくるだけで元気になれました。
私は小さい頃から背が高くて、声が低くて、ショートカットでお転婆で、男の子みたいに走り回っている子供だったので、バレエのような、ピンクやレースやフリルの世界とは全く縁がありませんでした。
でも、どこかでそんな女の子らしい、王子様やお姫様の世界に憧れていたんでしょうね。
そして、それを何かのカタチで表現したかったんでしょうね。
バレエはそんな自分の中の何かを表現出来る幸せな世界だったようです。
バレエを習いはじめてから、私はそれまで来たことがなかった、ピンクやパステルカラーの洋服を身につけるようになりました。
好きじゃなかったお裁縫も、バレエのためなら頑張れました。
バレエを習っていると、どうしても縫う機会は多くなります。
バレエシューズやトゥシューズにゴムやリボンをつけたり、衣装をなおしたり、レオタードのラインが綺麗に見えるように、脇を少しつまんだり・・・。
裁縫道具を持ち歩くようになりました。
それから、いつもドライヤーで乾かしっぱなしだった髪も、綺麗にアップ出来るように、鏡を見ながら四苦八苦して、自分なりにコツをつかんでいきました。
あ、水をつけると、まとめやすくなるんだ・・・・とか、
ブラシじゃなくて、コームの方が綺麗に仕上がるんだ・・・とか、
前髪でずいぶん印象が変わるんだな・・・とか。
さらに、レオタードを選ぶ時も、どんな色が自分に似合うのか、どんな首のラインが似合うのか、袖はどのタイプを選べば細く見えるのか、どの色とどの色を組み合わせると綺麗なのか・・・など、
ウェアをとおして、自分の外見を客観的に見つめるようになりました。
興味がなかったクラッシック音楽も聴くようになり、コンサートにも脚を運ぶようになりました。
私の中で、何かが変わりはじめていました。
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