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私がバレエを習うきっかけになったのは、舞台に立つのをやめたことからです。
15歳から始めた演劇を社会人になってもずっと続けていたのですが、27歳の時にやめることにしました。
当時、私は演劇に夢中になっていました。
人生をかけていた、と言っても大げさではないでしょう。
役者としては、舞台に立った時の観客との一体感が大好きでした。
観客と同じ時間を共有して、同じ風景を見て、同じように泣いたり笑ったりするのが好きでした。
演出家としては、役者が自分の感情の引き出しどんどん開けて、新しい自分と出会ってキラキラと表現していくのを見るのが好きでした。
「観た人が一生忘れられないくらい、素敵な舞台をつくる。」のが夢でした。
東京でも岡山でも必死になって頑張りました。
舞台をやっているから仕事がおろそか、そんな事を言われないために、仕事も頑張りました。
どちらも100%、120%・・・いえ、200%以上で頑張っていました。
・・・けれど、うまくいきませんでした。
今考えたらあせって、がんじからめになっていたんでしょうね。
最後の方は、なんだかもうつらいばっかりでした。
だから、やめたら、さぞ楽になって、開放されて、人生楽しめるんだろうと思っていたのです。
・・・ところが、いざやめてみると、カラッポでした。
人生をかけていたものを手放したんですから、そりゃ、そうなりますよね。
週に何回も集まって仲間達とワイワイやっていたのがなくなる訳ですから、寂しくもありました。
毎日毎日、仕事が終わって、家に帰って、テレビを観て・・・その繰り返し。
そりゃ、友達と遊んだり、旅行に行ったりするようになったけど、これでいいの?このままでいいの?
・・・その時、ふと思い出したんです。
演劇って、身体を使った表現と言葉を使った表現があるのですが、私はどちらかというと言葉の表現が得意で身体を使った表現が苦手だったんですね。
東京にいた頃、日芸(日本芸術大学)演劇科のミュージカル研究会の友人達が、皆ダンスが躍れて、身体の表現が得意で、私がいいなぁ、羨ましいなぁ、と言うと「桜もダンス習いなよ。」と言って、稽古の合間に、なぜか意味不明にターンの顔の切り方を特訓してくれました。(ちなみにその舞台にダンスシーンはなかったのですが)
「そうだ、ダンスを習おう!」
当時の私は、自分が得意なものと苦手なものを1つずつ習う、というのがマイブームで、ダンスは苦手なもののうちの1つだったんですね。
実は25歳位の時に一度、演劇に役に立つんじゃないかと思って、ジャズダンスを習いに行ったことがあるのですが、この頃の私は、まぁ身体がびっくりするほど硬かったんですね。
それで、このジャズダンスクラスのレッスンの最初に30分くらいやるストレッチが苦痛でたまらなかった。
自分よりずいぶん年配の方達が、きらびやかなレオタードをビシッと決めて最前列をしめていて、開脚するとペタンと身体が前につくわけですよ。
それが、私は手が前につかない。
・・・
・・・
・・・つらい、心も身体もつらい・・・。
続いて、簡単なバーレッスンです。
この先生はバレエのレッスンを基本にジャズダンスがある、ということで、バレエのレッスンをとり入れられていたんですね。
「はい、バーに脚かけて~。」
・・・
・・・
・・・命がけです。
続いて、簡単なステップを練習します。
「そこ、盆おどりになってるよ~」
私を見た先生が爆笑しながら言います。
・・・
・・・
・・・ツラすぎる・・・
何もかもツラすぎる・・・
そうして、私のジャズダンス体験は半年で挫折しました。
その時のことがあったので、「今度こそは!」という思いでした。
さて、何のダンスを習うか。
ジャズダンスだけはやめておこう。
そんなことを考えながら、タウンページをめくるのでした。
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