前回までのお話はこちら↓↓
前回からの続きですが・・・
そういった経緯で近所のバレエ教室に入会した私は、初めてのレッスンを受けることになりました。
レッスンを終えた私の感想は、
「なんですか、これは・・・」でした。
1時間のレッスンで何をしたのかさっぱり憶えていない、それくらい夢中でした。
あっという間に終わりました。
・・・人生でこんなに脚を様々に動かしたことがありませんでした。
(なるほど、バレリーナの脚が細いわけだ・・・)
見学していた時は簡単そうに見えたバレエの動きはどれも、自分でやってみると、全く思い通りにいきませんでした。
あんまり出来なくて、逆に楽しくなってしまうくらいでした。
(これだけわからなくて、出来ないことが沢山あるってことは、これから色々なことがわかって、出来るようになることが沢山あるってこと!)
楽しみで、ウキウキしました。
しかし入会してから、ずいぶん経っても、バーレッスンでさえ、どっちの脚が動いているのか、どの方向に動くのか、どんな速さで動かせば良いのか、全くわかりませんでした。
先生のお手本はともて美しい。けれど、そのお手本を穴があくほど見つめても、当時の私には、どうやったらその動きになるのか、どうやったらそのポーズになるのか、さっぱりわからないのです。
バレエシューズの中で指がどうなっているのか、踵がどうなっているのか、どこを意識すれば良いのか・・・。
その後、私は、バレエの本を片っ端から読み、分からないことは、機会を見つけては先生や周囲の人に少しずつ質問しながら、何年もかかってその疑問を1つずつ解いていくことになるのですが・・・
当時はバレエの先生に簡単に質問なんて出来るような雰囲気ではなく、隙をみて、本当に隙をみて勇気を出して先生やアシスタントの方に質問していました。
今、私がバレエの教師としては珍しく、
生徒からの質問を、いつでも受け付け・・・
迷っている人には声をかけ・・・
レッスン中、口ぐせのように「質問は?」と尋ね・・・
スタジオでレッスンカウンセリングを行って、生徒と2人でじっくり話をする機会をつくっているのは・・・
全て、この時期の自分の経験がベースになっています。
そして、また、私がレッスンの中で、
「バレエシューズの中で指はこうなっていて、踵はこの向きに出して、土踏まずはこう使って、プリエの時の内モモはこう意識して、ここは力を抜いて・・・」などの身体の使い方を細かく教えたり・・・
初心者クラスでは、動かす脚(動脚)と軸になる脚(軸足)を固定してレッスンを行い、次のステップの基礎クラスになると動足と軸足をとりかえてレッスンするよう決めていたり・・・
「クロワゼとエファセのポーズの違いはこうで、アラベスクは4種類あって、この動きとこの動きは同じグループの動きで親戚みたいなものよ・・・」などとバレエのポーズについて細かく言及していくのも・・・
全て、この頃に苦労した自分の経験が元になっています。
頭の中が「???」で一杯のままレッスンすると、順番やカタチを追うだけでレッスンが終わってしまう。
それを1つずつ解いていくのは楽しいが、正直時間がかかる。
大人からバレエをはじめた人は熱心で、出来るだけ早く上手になりたいと思っている人が多いのです。
疑問があれば、その時々で1つずつクリアにしながらレッスンした方が、自分の身体にしっかり集中出来て上達のスピードが早い。
・・・バレエに関して言えば、私はこれまでにずいぶん遠回りをしてきました。
それはそれで、楽しかった。
それはそれで、勉強になった。
次は、それを生かして、自分の生徒に出来るだけ近道を、それも安全な近道を指し示していくこと。
それが今の自分にとっては、とても幸せで、やりがいがある事なんです。
次回の記事はこちら↓↓