彼に愛も、執着もない・・・
今さらながらその事実を、早映子は静かに受け取った。
これが、今まで見ないふりをして隠し続けて来た真実だった。
早映子の子宮は、早映子の身体を通じずっと訴え続けていた。
その声に耳を塞いでいたのは、自分自身だ。
子宮の声を受け取るのは、何より怖かった。
自分の25年を無駄に過ごした、と認めてしまうことだ、と思っていた。
愛がクールダウンし、今やただのセックスフレンド化した関係を認めたくなかった。
一人が寂しくて、そばにいるのが慣れ合った男だから楽だ、と認めたくなかった。
だから、子宮の声を封印した。
子宮を開いた早映子の耳に、以前、由希子に言われた言葉が聴こえてきた。
「早映子は、自分のことを被害者だと思っていない?」
「そうよ。
だって、25年も女の一番輝いていた時期を彼に与えたのよ。
だけど、その愛に彼は応えてくれなかった。
子どもも産ませてもらえなかった。
自分だけ妻と愛人を上手にやりくりして、人生を楽しんだのよ。
いいとこ取りしたのよ。
わたしは20代や30代の若さやエネルギーていう美味しい所を、さんざん食い散らかされたの。
そして今や50歳を前に、一人ぼっちよ。
由希子のように、頼りになる男もいないし、子どもだっていないの。
ずっと一人なの。
だから、彼は加害者でわたしは被害者でしょう?」
「あのね、そんな考え方をしていると、一生幸せになれないよ。
早映子は彼に幸せにしてもらおう、と思っていない?
早映子が彼と付き合うこと、わたし反対したよね?
それでも彼との愛を選んだのは、早映子だよね?
泣きながら、彼でなきゃダメなの!て言ったよね?」
「う・・・うん・・・
あの時は若かったし、まさか25年も続くなんて思わなかったし・・・」
「25年も続けることを決めたのは、早映子だよ!
それを、何を今さら被害者ぶってんの?!
笑わせないでよ!
わたしは一度だんなにも浮気されたし、自分も浮気して離婚した。
浮気されたのも、すごくつらかった。
なのに、二度目のだんなに同じ思いをさせてしまった。
でもわたしは、自分を被害者、とか加害者、とか色分けしない。
自分が選んだことは、すべて自己責任。
そう決めたから、二人のだんなには養育費ももらっていない。
浮気しただんなを選んだのも、自分だからね。
それが、決める、選ぶ、てことでしょう?
それをかぶる勇気もないのに愛人やってたの、あんた?!
今さら被害者ぶって、責任逃れしようとしてんの?
自ら女を下げるな!」
そう怒鳴られたことを、思い出した。
そうだ、恋愛において、いや人生において、被害者も加害者もない。
一度被害者、という甘い汁を吸ってしまえば、とことん自分を可哀そうな存在にできる。
自己憐憫の涙に浸れる。
だけど、そうやって一生自分を憐れむ人生を送るのか、わたし?!
早映子は、自分に問うた。
NO!
いやだ、そんな人生は送りたくない。
アラフィフの今だからこそ、被害者・加害者の世界から脱出し、自由になるんだ。
寂しさも辛さもすべて、自分の心と身体で受け取って、自分の選んだ道を堂々と歩くんだ。
本当の自分の人生を生きるんだ!
自分で自分を幸せにするんだ!
産み出しも、膿み出しもしなかったこの人もパンドラの箱を開いて、自分に向き合った・・・
わたしも、あなたと同じように産み出しも膿み出しもしなかったのよ・・・
パンドラの箱を開けるのが、ずっと怖かったの・・・
だけど、わたし、思い出したの、この話。
パンドラの箱を開いて、いろんな災厄が出尽くした後に、最後に残ったもの・・・
それは、希望。
希望が最後に残ったのよ。
だから、今パンドラの箱を開き、毒を出し切ったわたしに残されたものは希望。
希望が残っている。
今の自分にサヨナラすることは、わたしにとって希望なの。
早映子は自分に言い聞かせるように、つぶやきフラフラと立ち上がった。
そしてベッドにあったスマホに、手を伸ばした。
これまで何度同じように、彼に別れのメールをしただろう。
そこには、被害者になっていた自分の恨みつらみを書いて、送ったものだった。
そして被害者のままの自分で、新しい恋を手にし失い、また被害者になって戻ってきた。
「全部、あなたのせいだからね。
あなた以外の男を愛せないようにした、あなたのせいよ。」
と、恨みつらみの言葉も、彼とのよりを戻す甘いメロディーにしていたのも、自分だ。
全部、自分が決めて選んでいた。
だけど、もうこの世界から手を離すの。
抜け出すの。
一生、被害者のまま恨みつらみ後悔をミルフィーユのように重ねた人生なんて、送りたくない!
そう早映子は決心して、彼にメールを打った。
別れの言葉は、最小限に。
そう決めていた。
その言葉を打ち、一片の迷いもなく即座に送信した。
「さようなら。ありがとう。」
被害者と加害者の世界からの脱出。
これが、早映子の希望に向かう再生への第一歩だった。
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