~a beautifully open woman №1~①リーディング小説
その夜、早映子は眠れなかった。
ネットサーフィンで目にしたその記事は、物語だった。
いわゆる小説だけど、読みながら心がザワザワブツブツと泡立ってきた。
もうこれ以上、読み進めたくない、という気持ちと、最後まで読み続けたい、という気持ちがせめぎ合い、その夜は最後まで読めなかった。
パソコンの「お気に入り」に席を残すか、迷った。
出来ればネットにはびこる無数の情報の中に埋めてしまい、もう二度と目にしたくない、とまで思った。
けれど自分の意志とは無関係に、指が勝手に動き「お気に入り」に席をキープさせてしまった。
「ああ、もうっ!」
早映子は舌打ちしながら、乱暴にシャットダウンさせた。
ベッドに入ったもののすこやかな眠りはなかなか訪れず、何度も寝返りを打った。
こんな夜もわたしは一人だ。
身体を揺さぶって「眠れないの・・・」と可愛く甘えられる人もいない。
と早映子は落ち込みかけた。
が、これは結婚未体験の自分の甘~い妄想だ、ということもわかっている。
現実に寝ているだんなを起こし、自分が眠れないなどと訴えたら、枕を投げつけられるだろう。
結婚している友人のほとんどは、だんなとベッドで一緒に眠ることもない、という。
「だって、エアコンの温度設定も合わないし、イビキや歯ぎしりもうるさいし、加齢臭もするのよ。
どうしてこれ以上、我慢して一緒に寝ないといけないの?
もう勘弁してほしいわ。夜ぐらい一人でゆっくり眠りたいわよ!」
寝る部屋自体を別々にしている友人も、少なくない。
そんな話を聞くたびに、早映子は思う。
「結婚、てそんなもの?!
愛し合って結婚したんじゃないの?
愛した相手を疎ましく思うようになってくる結婚て、必要なの?」
第一、結婚しても彼のように不倫をすることもあるじゃないの!
「もっと早く早映子に出逢いたかった・・・」
付き合い始めた当初、彼は愛おしそうに早映子を抱きしめ言ったことがあった。
若かった早映子はすぐに
「今度生まれ変わったら、わたしを先に見つけて!」
と彼に抱きついて言った.
あの頃の自分は、誰にも言えない秘密のヒリヒリする刺激的な恋愛に夢中だった。
お酒を飲んでフワフワした気分で、禁断の愛に酔っていた。
だけど今なら言える。
パラレルワールドにいるもう一人の自分は奥さんより先に彼と出逢い結婚し、その後独身の奥さんと彼が出逢い不倫する・・・
そんなビジョンが、どうしたって見えるのだ。
この現実では自分が彼の妻から、彼を時々盗んでいる。
パラレルワールドの世界では、自分が彼を盗まれている。
もちろん彼の妻には会ったことがない。
けれど、しょせん自分たちは立場が変わるだけで、彼をめぐる因縁を持っているだけかもしれない。
結婚・・・
したくないわけじゃない。
というか・・・したい。
眠れないまま早映子は、触れたくなかった自分の心の部屋に手をかけた。
子ども・・・
ほしくないわけじゃない。
だけど、もう年齢的に無理・・・
早映子は20代の終わりに、彼の子どもを妊娠した。
本当は愛する彼の子どもを、産みたかった。
けれど、彼は
「それだけは許してほしい。申し訳ないが、認知もできないし、産んでもらうと困る。」
と、早映子に頭を下げた。
当時の早映子が望んだのは「彼との結婚」という幻の卵だった。
ある日、彼が早映子に笑顔で報告しに来る。
「妻との離婚が決まったよ!さぁ僕と結婚しよう!!」
そんなありえない幻の卵を求めていた。
妊娠でその幻の卵が手に入るかもしれない、というほのかな期待はあった。
けれど、現実に彼に頭を下げられ謝罪の言葉を耳にすると、ショックな気持ちと、ああ、そうだろうな~というあきらめの気持ちが強かった。
もし現実に彼が妻と離婚し、早映子を再婚する、となったら(100%ありえないけど・・・)
妻への慰謝料と、二人の子どもたちへの養育費を支払い、残りの彼の給料で生活するなんてクラクラした。
幻の卵は、幻だから欲しくなる。
早映子自身も未婚の母をする強さも、彼の家庭から彼を奪う気持ちもなかった。
ちょっと幻の卵に手を伸ばしたかっただけ。
自分にとって「結婚」は、しょせんそんな価値しかないもの、
そう思った早映子は、堕胎した。
大学の後輩には、不倫で妊娠し相手の男が頼むから産んでくれ、と頭を下げ、産んだパターンもある。
生まれてきた子は認知こそされていないが、慰謝料として多額のお金と毎月生活費をもらっている。
今もその男は、毎日仕事が終わると彼女の家に寄ってから自宅に帰るそうだ。
この場合、男が自営業で裕福なため自由になるお金があったことと、男が妻との離婚を望んだが頑として妻が受け入れないため、このようなカタチになったそうだ。
その後輩の家に遊びに行った友人によると
「いつもね、あそこの子はブランド物の高い子ども服を着ているの。
彼女も男からもらう生活費は全部貯金して、母子手当とアルバイトしながらのんびり暮らしているわ。
ちゃっかりしてるわ~。
だけど、彼女のパターンが一番いいかも・・・
一応独身だし、彼に対して強気で出れるし、妻の役目やしがらみもないし。
ある意味、うらやましいわ。」
主婦している友人が、ちゅー、とストローでアイスコーヒーを飲みながら早映子に言った。
そういう彼女の手は、血管が浮き出て茶色いシミもいくつかあった。
うつむいた髪の根本はヘアカラーをしばらくしていないのか、地毛の色が出ていた。
学生の時には、長くサラサラした髪が自慢でおしゃれな子だったのに、と早映子の胸は痛くなった。
2児の母でもある彼女がその日、身に着けていたサマーセーターは毛玉ができ、デザインも少し古臭かった。
早映子は、仕事用のジャケットやコートは、多少値が張ってもいいものを身に着けることを心がけていた。
流行をあまり意識しないダークな色目の服は、大切に着れば何年も着られる。
それは早映子にとって戦闘服で、そこにお洒落はあまり求めない。
その分、休みの私服は適度に流行を取り入れたZARAで、遊ぶことにしている。
プリントものや、ちょっと奇抜なデザインでも勢いで着る。
そしてワンシーズンかツーシーズン身に着けたら遊んだら、すぐに捨てられる。
けれどパート勤めで、パート代がほとんど子どもの塾や習いごとのお金に消える主婦にとって
「ZARAなんて、高いわよ!」
と言われると、もう何も言えない。
ますます結婚がいいものとは、思えなくなる。
結婚は、女を美しくさせないの?
結婚は、女から若さとおしゃれ心を奪っていくの?
だから早映子には、この女の気持ちがわからなかった。
いや、わかりたくなかった。
夫に尽くす女の気持ちなんて・・・
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