■日本酒と料理の相性を愉しむ…■ -16ページ目

■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【信濃錦 特別純米 水樂艸 
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 朝日酒造(新潟県,長岡市)

特定名称 純米吟醸酒 

原料米 新潟県産「五百万石」(精米歩合55%)

酸度 1.1 アミノ酸度 ?

日本酒度 -1 アルコール度 15-16%

酒造年度 H20BY

こだわりの【無農薬栽培米の酒】

 8月中旬より世間ではお盆休みウィークに突入し、オフィスビル内にある当店も、今週いっぱいは暇な時期となってしまう為、めずらしく平日に休みを取ることが出来ました。

 仕事が忙しいこともあって、普段は深夜にWEBサイト上のSAKE SHOPでお酒を購入することが多いのですが、この休みを利用して、久々に地元(といっても隣駅ですが)の商店街の酒屋を覗いてみることとしました。

 この酒屋は規模はそれ程大きくはないのですが、日本酒が冷蔵管理されているのはもちろんのこと、店内では全て紫外線カットの蛍光灯を使うなど、品質管理にしっかりと気配りがなされています。

 そして今回、この店の店主の話を聞いて購入してきたのが、

 【信濃錦 特別純米 水樂艸】です。

 このお酒は長野の宮島酒店が、地元伊那谷産でしかも「無農薬栽培」の酒造好適米「美山錦」を全量使用して醸し、瓶詰め後に最適の冷蔵管理によって1年間の熟成を行ってから出荷されたもので、ラベルには「製造(瓶詰)年月」「出荷年月」の両方が記載されていて、蔵元のこのお酒の品質に対する自信のほどが伺われます。

 そして蔵元のホームページを見てみると、「酒造好適米全量使用」「安全で高品質な契約栽培米」についての熱い想いが語られており、この蔵元がいかに「原料米」にこだわっているかを知ることができます。


 香りはやや控えめで、「かぶら」のような根菜類の香りや、「豆乳を想わせる穀物に由来する香りがあり、「穏やかで落ち着いた香り」が感じられます。

 口に含むと、控えめで大人しい甘味と輪郭のはっきりとした酸,そして独特のインパクトのある旨味が広がり、余韻にも舌の上に旨味と酸が残ります。

 前半の飲み口は滑らかですが、後半からお米の旨味と酸がしっかりと感じられる味わいで、「凝縮されたお米の旨味をしっかりとした酸が受け止めている」といった印象のお酒でした。


■【利き酒師世界一】のひとり言■
 今回は、「水樂艸」の「食中酒」としての懐の深さをイメージしながら、こんな和惣菜を2品選んでみました。

 まずは
【おぼろ豆腐の揚げ出し】です。

 とても柔かいフワフワの「おぼろ豆腐」の淡白な味わいと、やや濃いめのタレとの組合せがお酒を誘う一品ですが、当然のことながら「水樂艸」との相性も申し分なく、余韻の酸もしっかりと持続してゆきます。

 「日本酒と豆腐の相性の良さ」ということを、改めてしみじみと感じさせられる組合せでした。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては【明石蛸のやわらか煮】です。

 時間をかけてじっくりと炊いているので蛸がとても柔かく、また生姜風味の効いた味も、蛸にしっかりと浸み込んでいます。(ただしデパ地下の惣菜売り場で、100gで1260円もしたのにはチョット驚きましたが…)

 お酒と合わせてみると、蛸の旨味をタップリ伴った美味しさの上に、「水樂艸」の旨味が上手く乗っかってゆくようなイメージで、これまた安心できる定番の組合せでした。


 正直言ってこの蔵元のお酒は、地元の隣駅の酒屋の店頭で手に取るまで全く知らなかったのですが、こういうことがあるからWEBサイト上のSAKE SHOPでお酒を購入するだけではなく、たまには実店舗を訪ねてみることが必要なんですね。 


【上喜元 発泡純米吟醸 涼夏  
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 酒田酒造(山形県,酒田市)

特定名称 発泡性純米吟醸酒 

原料米 山形県産「出羽の里」(精米歩合60%)

酸度 1.4 アミノ酸度 ?

日本酒度 -25! アルコール度 9.5%

酒造年度 H20BY

■爽快!【スパークリング日本酒】

 8月に入ったというのに、今週末も東京ではグズついた天気となり、西日本を中心として日照不足記録的な大雨が続いていて、このままでは今年の米の作柄が心配されるような状況となってきています。

 さて蒸し暑いこの時期は、仕事が終わって家に帰るとまずは冷えたビールが呑みたくなりますが、ビールと全く同じ感覚で爽快に呑めるお酒を見つけました,その名も、

 【上喜元 発泡純米吟醸 涼夏】です。

 通常このジャンルの発泡性日本酒は、瓶内で2次醗酵させる為に「にごり」があり、しかもアルコール度数が6%前後あるので、ビールのようにグビグビと呑むわけにはいかないのですが、この「涼夏」は耐圧タンクの中で2次発酵してから濾過して透明に仕上げ、しかもアルコール度数も9.5%とかなり低めに抑えられています。

 さらに特筆すべきなのが、山形県が開発した苦味成分の働きを高める「山形酵母」を使うことによって、ビールのような爽快な苦味をお酒に加えたという点です。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  グラスに注ぐと「シュワシュワ」という音と共に炭酸ガスの泡が立ち昇り、見た目はまさに「スパークリングワイン」にそっくりです。

 香りは「ライチ」を想わせるほんのりと甘い果実の香りに、「ミントのタブレット菓子のような爽やかさを感じさせる香りが加わって、「ほんのりフルーティーで爽やかな香り」といったイメージです。

 口に含むと、炭酸の爽快な刺激と共に軽やかな甘味とドライな酸が口に広がり,さらには軽快な苦味と滑らかなコクが感じられ、そして後口にはスッキリとした余韻と炭酸の心地良さが残ります。

 日本酒の上品な甘味を残しながらも、炭酸の刺激と程よい苦味が全体にドライな印象を与えてくれていて、「スカッとした飲み口で、まるで【日本酒のサイダー】のような味わい」のお酒でした
■【利き酒師世界一】のひとり言■

 この「涼夏」はビールと同じ感覚でキンキンに冷やして、お酒単体で呑んでも十分に愉しめる飲み物なのですが、ここはやはりビールに合う定番のおつまみを持ってきてみました。
 まず一品目は
【中華風蒸し鶏】です。

 ゴマ風味にピリ辛の豆板醤を効かせたタレを絡めた蒸し鶏に、味付けの中華クラゲ白髪ネギが混ぜてあって、冷やして食べると、サッパリとしていながら食欲が増してくるような味わいです。

 そこへキンキンに冷えた「涼夏」を流し込むと、口の中が独特の清涼感でいっぱいになり、お酒の余韻の苦味もキレイに溶け込んでゆきます。 
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 続いて、ビールと言えば絶対に外せない料理がコレ、   

 【チョリソーソーセージ】です。

 このチョリソーは「りんごの木のチップ」でスモークした無添加のソーセージで、今回はボイルして食べてみましたが、パリッとした皮の中からカエンペッパーの風味の効いた肉汁がジュワッと出てきて、ジューシーかつピリ辛の味わいが口に広がります。

 すかさず炭酸の効いた「涼夏」をグビリと呑むと、肉の脂を炭酸の刺激がキレイに流し、そしてチョリソーの辛味とお酒の甘味が見事に調和して、う~ん旨い!

 酸味のある粒マスタードとの相性も良く、ある意味でビール以上に◎の組合せでした。

 さて、こんな「涼夏」を夏場はビールの換わりに冷蔵庫へ常備して置きたいところですが、上の写真のような330ml入りの小瓶で約570円という値段がちょっとネックになります。

 ビールのように、大量生産によるコストダウンが図れないので、この値段は仕方が無いことなので、残念ながら風呂上りに喉を潤す飲み物を、来週から再び「缶ビール」に戻すことにしたいと思います。

【参拾弐 神童 純米吟醸 

■【利き酒師世界一】のひとり言■

 このお酒のデータは…
蔵元 朝日酒造(新潟県,長岡市)

特定名称 純米吟醸酒 

原料米 新潟県産「五百万石」(精米歩合55%)

酸度 1.1 アミノ酸度 ?

日本酒度 -1 アルコール度 15-16%

酒造年度 H20BY

日食の後は【人工衛星の酒】

 梅雨が明けたというのに、関東地方はスッキリしない天気の日が多く、期待された22日の「部分日食」も、残念ながら東京では曇天でハッキリと見ることができませんでした

 それでも今は便利な世の中で、WEBサイト上において、某TV局が硫黄島で撮影した「皆既日食」の様子を、動画で簡単にしかも鮮明に楽しむことができます。

 ところで、日本酒は宇宙や天体とは全く無縁なように思えますが、たまたま「人工衛星」を活用して造っているというお酒を見つけたので、興味本位で呑んでみることとしました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  それがコレ
【参拾弐 神童 純米吟醸】です。

 これは、「久保田」という地方酒(地酒と呼ぶにはあまりに大量生産過ぎるので)で知られる、新潟の朝日酒造から出されている純米吟醸酒なのですが、観測衛星「IKONOS」「リモート・センシング・データ」を利用して、タンパク含有量が低い田んぼを選定し、そこで生産されたお米を使って醸されたこだわりのお酒です

 化粧箱にも凝っていて、箱の裏側には右のような、観測衛星が撮ったカラー写真まで載せられています。


 香りはやや控えめで、「熟した梨」のようなジューシーな果実の香りや、「マロン菓子を想わせる上品で甘い香りがあり、「ほのかに甘く飾らない華やかな香り」が感じられます。

 口に含むと、優しい甘味と滑らかな酸,そしてまろやかな旨味が柔かく調和していて、コクやボリューム感も程好くあります。

 全体的な印象としては、「ふくよかな飲み口で、心地良く癒されるような味わい」のお酒でした。

 

 まずは、「神童」の柔らかな甘味や旨味と合わせてみたくなって選んだ料理が、
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 【帆立と海老の塩炒め】
 です。

 これはデパ地下の中華惣菜売り場で買ってきたものなのですが、帆立に程好い加減で火が通っていて、帆立の独特の甘味と旨味が、塩ダレによってより一層引き出されています。

 そこに更に「神童」の優しい甘味と旨味が加わると、全体の味わいが柔かく溶け合って、思わずグイグイとお酒が進んでしまうような組合せでした。

 これまで幾つかの組合せを試してみましたが、「塩ダレで炒めた魚介」「純米酒」は、総じて相性が良いように思われます。

 続いて、チーズ売り場を物色していて何となく「神童」に合わせてみたくなったのが、
■【利き酒師世界一】のひとり言■  【サンタンドレ】です。

 これは、表面がフワフワした純白のカビに覆われたフランス産のチーズで、ミルクに生クリームを加えて造る「トリプルクりーム」という製法の為、脂肪分は何と75%!とハイカロリーです。

 やや塩味が強めですが、まるでバターのような口当りで、口の中ではサッと溶けてゆき、非常にクリーミーな味わいのチーズです。

 「神童」と合わせてみると、お酒の甘味が「サンタンドレ」の塩味と調和して旨味が残り、余韻には白カビのフレーバーが再びフワッと戻ってきます。 

 これまた◎のマリアージュでしたが、このタイプのチーズと日本酒は、ちょっと「メタボ」が気になる組合せでもありました。


 ちなみに、日本酒に含まれているカロリーは「エンプティーカロリー」と呼ばれ、それ自体では太らないそうですが、一緒に食べる料理やつまみにカロリーが高いものがあると、その分が体内に蓄積され易くなって太ってしまうそうです。

 でも美味しいお酒を呑むと、食欲が増してしまうのはしょうがない事ですよね~。

【手取川 山廃仕込 純米酒 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 吉田酒造店(石川県,白山市)

特定名称 山廃仕込み純米酒 

原料米 石川県産「五百万石」(精米歩合60%)

酸度 1.4 アミノ酸度 2.0

日本酒度 +5 アルコール度 15-16%

酒造年度 H20BY

土用の丑には【鰻に合う酒】

 7月14日に、関東地方の「梅雨明け」気象庁から発表されましたが、その後は最高気温が30℃を超える「真夏日」が続いており、周囲には早くも夏バテ気味の人も見受けられます。

 今年は19日が暦の上での「土用の丑」に当たり、昔からこの日には夏バテ防止に「うなぎ」を食べる習慣がありますが、それに合わせてデパートの日本酒売り場に、「うなぎに合う日本酒」というコーナーが設けられていたので、早速その中の一本を買ってきて、うなぎと一緒に楽しんでみることとしました

 純米酒を中心として、数種類のお酒が並んでいた中から今回選んだのは、
 【手取川 山廃仕込 純米酒】です。

 このお酒は石川県の吉田酒造が、昔ながらの山廃仕込みによって低温でじっくりと醸した純米酒なのですが、実はロンドンで開催されたヨーロッパ屈指のワイン品評会である、「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2009」SAKE部門(純米酒の部)で、最高位の「ゴールドメダル」を受賞している実力酒なのです。


 香りはやや強めで、「豆乳」を想わせる穀物類の香りや、「コンデンスミルクのような糖分が加わった乳製品の香りが感じられ、「ふくよかで厚みのある柔和な香り」が広がります。

 口に含むと、まずはしっかりとした酸が主張し、それに穏やかな甘味ときめ細かな旨味が加わって、後口にはハッキリとしたキレの良さがあります。

 コクは程好くありますが、酸がしっかりしていることもあって、ボリューム感はやや控えめに感じられます。

 全体的には「明快に主張する酸と、後口のキレの良さが特徴の、やや男性的な味わい」のお酒でした
 近所のスーパーには「土用の丑」セールで沢山の蒲焼きが並んでいましたが、今回買ったのは、
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 【宮崎産ハーブ鰻の蒲焼き】
です。

 「ハーブ鰻」とは、天然ハーブを餌に加えて育てた鰻で、通常のものより身が柔かいのが特徴だそうで、値段も一緒に並んでいた「台湾産鰻」の倍以上しましたが、今回はチョット贅沢をしてみることとしました。

 売り場のスタッフに聞いた通り、皮を上にしてお酒を小さじ一杯程度振って温めて食べてみると、口に入れた途端にとろけてゆくような柔かさで、脂の乗った美味しさが広がります。

 早速「手取川」と合わせてみると、このお酒の特徴である明快な酸がず~と持続し、それが鰻の脂をキレイに流していってくれます。

 続いて粉山椒を振って再度合わせてみると、今後は味わいに複雑さが増して、個人的には山椒を加えた方が、より一層お酒との相性が良くなるように感じました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■

 そしてもう一つ、鰻と言えば酒のつまみに欠かせないのが

 【鰻の肝焼き】です。

 いかにも「精が付きそうな」見た目で、口に入れると最初は香ばしいフレーバーとほろ苦い味わいが感られますが、噛みしめているとそれが次第に旨味とコクに変わってゆきます。

 そこに「手取川」を流し込んでみると、鰻の肝焼きとお酒の両方の個性を残しつつ、それでいてお互いを邪魔しないような印象を受ける組合せでした。


 今回このお酒を買った、新宿のデパートの「うなぎに合うお酒」のコーナーには、この他にも「西の関 純米酒」「梅錦 純米吟醸原酒」etc.の日本酒が並んでいましたが、今年は暦の上で7月31日が「二の丑」に当たるので、次回は別のお酒でもう一度鰻を楽しんでみたいと思っています。

【而今 特別純米 九号酵母 火入れ】  ■【利き酒師世界一】のひとり言■

 このお酒のデータは…
蔵元 木屋正酒造(三重県,名張市)

特定名称 特別純米酒 

原料米 麹米「山田錦」(精米歩合60%)

       掛米「五百万石」(精米歩合60%)

酸度 1.7 アミノ酸度 1.4

日本酒度 ±0 アルコール度 16%

酒造年度 H20BY

火入れなのに【ジューシーな酒】

 早いもので今年も既に半分以上が過ぎてしまいましたが、長引く不況の影響で、我々居酒屋の商売の面でも、決して順風満帆とは言えない日々が続いています。

 そんな中で、取引先の酒屋から定期的に届くお酒の新着情報の中に、普段あまり入荷しないお酒が載っていたので、個人的に購入して呑んでみました。
 それが、【而今(じこん) 特別純米 九号酵母 火入れ】です。

 三重県の木屋正酒造が醸すこの「而今」というお酒は、2年前に雑誌「dancyu」の日本酒特集の巻頭で取り上げられて以降、WEBサイト上で定価で購入することが非常に困難な状況が続いていたのですが、たまたま取引先の酒屋に入荷したという情報が入り、早速電話して取寄せたというわけです。


 香りは「ラ・フランス」を想わせる果実の香りに、「バニラアイス」のような甘味を伴った乳製品の香りが組合わさって、「ほんのり華やかで、なおかつふくよかさも感じられる香り」といったイメージです。

 口に含むと、優しい甘味と豊かな酸,そして膨らみのある旨味が、充実した味わいの中で調和していて、「火入れ」でありながら、まるで「無濾過生酒」のような芳醇なフレーバーが広がります。

 全体としては「ひたすらジューシーで後を引く味わい」で、お酒単体でもグイグイと何杯も呑めてしまう純米酒でした


■【利き酒師世界一】のひとり言■  合わせる料理はまずは季節のものからということで、
 【鮎の塩焼き 蓼(たで)酢】です。

 残念ながら養殖物の鮎でしたが、鮎の身の淡白な味わいを、蓼酢のやや刺激的な風味が引き立てて、それを「而今」の芳醇な味わいが包み込んむことによって、いわば「三つどもえ」の美味しさが楽しめます。

 また、鮎のハラワタの部分のほろ苦い味わいともうまく同調し、さらには全くの興味本位で、蓼酢だけを飲んで「而今」と合わせてみましたが、これについても全く違和感がありませんでした。■【利き酒師世界一】のひとり言■


 続いては、よく行くチーズショップで食べ頃になっていた、
 【パヴェ・ダフィノワ】
です。

 これは、白カビタイプにしては珍しい、四角い形をしたフランス産のチーズで、既に売り場で熟成が進んでいたものを、家で賞味期限ギリギリまで冷蔵庫で熟成したことにより、食べるときには写真のように、チーズの上部を破ってスプーンですくって食べなければならない程に、中身がトロトロの状態■【利き酒師世界一】のひとり言■ なっていました。

 合わせてみると、程好く塩味が効いた凝縮したミルクの旨味とコクのある味わいに、「而今」のジューシーな甘味が加わることによって、別の美味しさが口の中で完成されて、思わず一人で唸ってしまうようなマリアージュでした。


 話は変わりますが、取引先の酒屋の担当者に確認したところ、今後も蔵元の判断で出荷時期が決められて、「而今」の別の商品が順次入荷してくるということだったので、次に「而今」を呑めるのがいつ頃になるのか、既に今から楽しみです

■【利き酒師世界一】のひとり言■ 【鍋島 Summer Moon】

 このお酒のデータは…
蔵元 富久千代酒造(佐賀県,鹿島市)

特定名称 吟醸酒 

原料米 全量鹿島産「山田錦」(精米歩合50%)

酸度 1.2 アミノ酸度 ?

日本酒度 +3 アルコール度 15%

酒造年度 H20BY

夏の夜の【月見酒】?!

 7月に入ってからも、東京ではまだ梅雨時特有のジメジメとした蒸し暑い毎日が続いています。

 さてこの季節になると、連日WEBサイト上のSAKE SHOPから、夏を意識したネーミングやラベルの日本酒や、爽やかに呑める夏向けのスペックの日本酒を紹介するメルマガが次々と送られてきますが、その中でチョット目について購入してしまったのがコレ、【鍋島 Summer Moon】です。

 何とも心惹かれるネーミングとお洒落なラベルですが、これは「鍋島」で知られる佐賀の富久千代酒造が、地元農家との契約栽培による「鹿島産の山田錦」を大吟醸酒並みに50%まで磨き上げ、手造りにこだわって醸した「夏バージョンの吟醸酒」です。


 冷蔵庫で5℃位までしっかりと冷やしてから呑んでみましたが、香りは「マスカット」のような上品な果実の香りに、「薄甘口の白ワイン」を想わせる繊細な香りが組合わさって、「やや華やかでエレガントな香り」が感じられます。

 口に含むと、滑らかでやや控えめな甘味とシャープな酸,そしてソフトな旨味が広がり、余韻は比較的短く、舌の上にややドライな印象が残ります。

 全体のバランスはややスッキリとしたイメージで取れており、「喉ごしは滑らかで、ジューシーでやや躍動感が感じられる味わい」の夏酒でした。


 今回は夏の酒「Summer Moon」に合わせて、梅雨明け前の蒸し暑い夏の夜に食べたくなるようなサッパリ系の料理を、いつものように新宿のデパ地下で買い込んできました。

 まずは見た目の彩りの良さに惹かれて買ってしまった、
■【利き酒師世界一】のひとり言■
【キハダまぐろと山芋のサラダ】です。

 これは軽く湯引きしたキハダまぐろと山芋,そして夏野菜のオクラに、刻み昆布と三つ葉を加えた和風のサラダで、「山葵ドレッシング」が添えてあります。

 合わせてみると、まぐろの旨味と山芋のほのかな甘味,そして山葵ドレッシングの爽やかな風味が、「Summer Moon」と口の中でスッキリと出会い、それでいて余韻には旨味が長く残って実に旨い。

 考えてみると、昔から「まぐろの山かけ」という定番のおつまみがあるのですから、日本酒とまぐろと山芋の相性が良いのは当然のことなのかもしれません。

■【利き酒師世界一】のひとり言■   続いては同じ洋惣菜売り場で売っていた、

 【生ハムとオニオンのマリネ】です。

 薄くスライスした生ハムとオニオンに、ビネガーのまろやかな酸味が浸み込んでいて、とてもサッパリとした味わいのマリネです。

 合わせてみると、お酒の味わいの方が料理全体の味わいに若干勝っているような印象も受けましたが、マリネした生ハムのやや控えめな塩味と、「Summer Moon」の滑らかな甘味に関しては、程好い調和を見せてくれていました。


 ここでチョット注意してほしいのが、マリネに添えてあったレモンスライスで、ビネガーを使ったマリネに日本酒を合わせる時に、一緒に「皮付きのレモン」を食べてしまうと、「強めの苦味」が口の中一杯に広がって、折角の料理とお酒の美味しさが、どちらも台無しになってしまいます。

 皆さんも、デパ地下の惣菜売り場etc.でマリネを買う際には、その日に日本酒を一緒に呑むと判っている時に限ってですが、売り場のスタッフに、レモンスライスを入れないように頼んだ方がベターだと思います。

 以上、ワンポイントアドバイスでした。

【太平山 津月 純米吟醸 中取り】

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 小玉醸造(秋田県,潟上市)

特定名称 生もと造り 純米吟醸 無濾過生原酒

原料米 全量「山田錦」(精米歩合55%)

酸度 1.9 アミノ酸度 1.1

日本酒度 ±0 アルコール度 17.2%

酒造年度 H20BY

梅雨の晴れ間に【生原酒ロック】

 6月の最終土曜は「梅雨の晴れ間」の暑さとなり、日本各地で6月の最高記録を更新し、まさに真夏並みの一日となりました。

 こんな暑い日の夜にはさすがに「冷えたビール」が欲しくなって、まずは缶ビールで喉を潤しましたが、続いてはやっぱり日本酒ということで、今宵我が家の日本酒貯蔵庫から引っ張り出してきたのが、近所の食品スーパーの季節の酒コーナーに並んでいた、

【太平山 津月 純米吟醸 中取り】です。

  これは秋田の「太平山」の蔵元が、仕込みの全量に「山田錦」を使用し伝承の「生もと造り」で醸した純米吟醸酒で、モロミを搾る際に雑味の少ないピュアな「中取り」の部分のみを集め、さらに活性炭での濾過も加水も火入れもしない「無濾過生原酒」で瓶詰めした、チョット贅沢なスペックのお酒です。


 香りは、「甘夏」を想わせるフルーティーな香りや、爽やかさを感じさせる「ペパーミント」のような香りに加えて、「苺のショートケーキ」のような甘さを伴ったクリーミーな香りが広がって、「ほんのり甘やかで芳醇な香り」といったイメージです。

 口に含むと、優しい甘味と「生もと造り」特有の深みのある酸,そしてきめ細かな旨味が心地良く調和していて、ジューシーなフレーバーが広がります。

 余韻は割と長くて、後口にはボリューム感がしっかりと感じられ、全体としては 「飲み口は優しくて味わいは芳醇,そして呑み応えのある後口」という印象のお酒でした。
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 今回は「津月」の個性を生かす為、割としっかりとした味付けの料理を2品選んでみました。

 まず1品目は【カレイの西京焼き】です。

 これは新宿のデパ地下の魚惣菜専門のお店で買ってきたものですが、西京味噌の上品でありながらコクと旨味のある味わいが、柔らかなカレイの身にじっくりと浸み込んでいます。

 お酒と合わせてみると、「津月」のボリューム感を伴った芳醇な味わいが、焼いた西京味噌の独特な風味を包み込みながら一体となってゆきます。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いて2品目は

【小茄子のガーリック風味】です。

 これは同じデパ地下の洋惣菜のお店で、「津月」に合わせてみたくなって衝動的に買い込んできたものですが、油で揚げた小茄子に、ゴマ油とガーリックの風味を効かせた醤油ベースのタレをしっかりと絡めた、チョット濃いめの味付けの惣菜です。

 予想していた通り、「津月」との味わいの濃醇さのレベルが丁度良く、それぞれの味わいの個性を主張しながら両方が口の中でより一層美味しくなってゆく、とても相性の良い組合せでした。


 ちなみにこの「津月」は、原酒なのでアルコール度数が17度以上と「食中酒」としては高く、また無濾過ななので味わいもやや濃醇な為、途中からコンビニで買ってきたロックアイスを入れて、「SAKEオンザロック」にして呑んでみましたが、これがなかなか旨い!

 氷で0℃近くまで冷やすことよって喉越しが良くなると共に酸がより明快になり、それでいて氷が溶けてアルコール度数が低くなっても「津月」の味わいのバランスは全く崩れることが無く、ついグビグビと何杯も呑み過ぎてしまいました。

 チョット邪道かもしれませんが、蒸し暑い梅雨時に「日本酒を美味しく呑む方法」の一つとして、このキンキンに冷えた「無濾過生原酒ロック」は、是非一度試してもらいたいスタイルです。

 そして更にこだわるならば、蔵元からお酒の「仕込み水」を取寄せて、その水で造った氷を入れて呑んでも面白いかもしれませんね?!

【貴 純米吟醸 渡舟】
■【利き酒師世界一】のひとり言■
このお酒のデータは…

蔵元 永山本家酒造場(山口県,宇部市)
特定名称 純米吟醸酒

原料米 兵庫県産「渡舟」(精米歩合50%)

酸度 1.7 アミノ酸度 ?

日本酒度 +1 アルコール度 16.8%

酒造年度 H19BY

【山田錦の父親】の酒

 本年度の「全国新酒鑑評会」の出品酒を一同に集めた「公開きき酒会」が、6月17日に池袋のサンシャインシティで行われ、何とか仕事の都合をつけて出かけてきました。

 会場には、北海道から九州まで全国各地の450銘柄もの出品酒がズラリと並んでいて、実際に全てのお酒を利き酒することが出来るようになっていて、とても有意義で楽しいひと時を過ごすことができました。

 さて話は全く変わりますが、6月の第3日曜日は「父の日」です,それにちなんで今宵は、

 【貴 純米吟醸 渡舟を選んでみました。

 これは、「貴」で知られる山口県の永山本家酒造場が、他の蔵や農協etc.と共同で取り組んでいる「山田錦の父親」である酒米「渡舟」を栽培してお酒を造ろう,というプロジェクトのもとで生まれたお酒で、一度火入れをしてから敢えて1年間じっくりと蔵で熟成させた後「生詰め」で出荷されています。


 香りは「藤の花」ような飾りのない花の香りに、北海道土産で有名な「バター飴」を想わせるようなやや甘くミルキーな香りが加わって、「ほのかに華やかで柔和な香り」が感じられます。
 口に含むと、優しい甘味と豊かな酸,そしてまろやかな旨味が心地よく調和し、コクやボリューム感は十分にあり後口もしっかりとしています。

 全体としては、「飲み口はふくよかで、味わいはしっかりとコクのある食中酒」という印象でした。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  
 
今回は、「貴」の食中酒としての懐の深さを見込んで、サッパリ系の料理と、こってり系の料理を両方試してみることとしました。

 まずはサッパリ系から
 【蛸と胡瓜の酢の物】
です。

 写真のように見た目も涼しげな夏向けの酢の物で、黒酢を使っていて酸味の強さはやや抑え気味になっています。

 お酒と合わせてみると、かすかに苦味が感じられるものの、酢の物の爽やかな味わいと、「貴」のしっかりとコクのある味わいの両方が、ちゃんと主張するような組合せでした。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  次にこってり系として【豚の和風角煮】です。

 こちらは、角煮の甘辛の味わいと「貴」のボリューム感のレベルが丁度良く、じっくりと煮込んだ豚バラ肉のとろけるような脂の部分が、お酒でキレイに流れてゆきます。

 どうやらこの「貴 渡舟」に関しては、「あっさり系」よりも「こってり系」の料理に軍配が上がるようでした


 さて話は冒頭に戻りますが、今回試飲した「全国新酒鑑評会」の出品酒は、当然ながらほとんどが「採算度外視の大吟醸スペック」で、華やかな香りでエレガントな味わいのお酒が揃っていました。
 この「全国新酒鑑評会」の意義や、過去からの経緯etc.については十分に理解しているつもりなのですが、それでも会場で実際に大吟醸クラスの出品酒を次々と試飲し続けているうちに、何とかしてこの鑑評会の「純米酒の部」が出来ないものだろうか,と思ってしまったのは私だけでしょうか?!

【あさ開 梅花音(うめかのん)】
■【利き酒師世界一】のひとり言■ このお酒のデータは…

蔵元 あさ開酒造(岩手県,盛岡市)
特定名称 梅酒(純米酒ベース)

原材料 岩手産青梅,純米酒,糖類

梅エキス分 14%

アルコール度 13%

製造年月 09年02月

梅雨時には【純米酒の梅酒】

 6月10日に気象庁から、関東地方の今年の「梅雨入り」が発表されました。

 毎年この時期になると、近所の食品スーパーに青梅と共に砂糖や広口の容器が並んだ「梅酒造りコーナー」が登場するのですが、とても仕込んでから呑める迄何ヶ月も待ってられないので、WEBサイト上の梅酒専門店から数種類の梅酒を購入して呑んでみました。

 その中で、個人的に一番気に入ったのがコレ、
 【あさ開 梅花音(うめかのん)です。

 これは、岩手のあさ開酒造が純米酒で造った梅酒なのですが、通常のやり方のように梅を直接純米酒に漬け込むのではなく、まず梅を砂糖に漬けて梅のエキス分をじっくりと抽出し、その後に純米酒をブレンドするという、こだわりの方法で造ったものです。


 香りは、まずは純米酒に由来する「大豆」を想わせる穀物類の香りや「干し海老」のようなほのかな熟成香が感じられ、それに梅に由来する「のし梅」のような香りが加わるというやや複雑な香りで、「ふくよかな純米酒の香りの影から爽やかな梅の香りが顔を覗かせるといったイメージです。
 口に含むと、上品でスッキリとした甘味と爽やかな梅の酸味のバランスが円やかに取れていて、飲み口はサラリとしていて、後口にもベタベタ感は無く、余韻には心地良い梅の酸味が感じられます。

 「純米酒のふくよかさと、梅の豊かな酸味が見事に融合した味わいの梅酒でした。

■【利き酒師世界一】のひとり言■  さて料理ですが、この梅酒の持つ「上品な甘味と梅の爽やかな酸味」という個性から、甘酢漬けの料理を何種類か試してみましたが、その中でも特に相性が良かったのが、

  【このしろ(小肌)の酢漬け】です。

 これは「小肌」を甘酢で〆て、柚子の風味を効かせたものですが、ほんのり旨味と甘味を伴ったサッパリとした酸味の小肌の酢漬けの味わいと、「梅花音」の梅の味わいが違和感なく寄り添い、それでいて料理と梅酒の両方の個性がちゃんと残ります。

 また柚子の柑橘系のフレーバーと梅のフレーバーとの相性も全くOKでした。(「柚子梅酒」という商品がある位なので当然ですが)

■【利き酒師世界一】のひとり言■
 そして次に持ってきたのは、

 【シャブルー】です。

 これはフランスのロワール地方産のフレッシュタイプのシェーブル(山羊)チーズなのですが、写真の様に見た目は真っ白で水分を保っていて、まるで「絹ごし豆腐」のようです。

 口当りも豆腐の様に滑らかで、スプーンですくって食べないと崩れてしまうほどに柔かく、程好い塩味とシェーブル特有の爽やかな酸味が特徴のチーズです。

 合わせてみると、「シャブルー」のやや口をすぼめてしまう位のシャープな酸味が、「梅花音」の上品な甘味が加わることによってまろやかな酸味へと変化します。■【利き酒師世界一】のひとり言■

 そしてチーズが口の中でサッと溶けて消えた後で、もう一度余韻に梅のフレーバーが戻ってくるという、とても面白いマリアージュでした。


 実は梅酒に関しては、従来はどちらかと言うと梅酒単体で楽しんだ方がベターというイメージを持っていたのですが、このような酒蔵が造る「純米酒ベースの梅酒」ならば、十分に食中酒としても楽しむことが出来そうですね。

【長陽福娘 山廃仕込み特別純米酒
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…

蔵元 岩崎酒造(山口県,萩市)
特定名称 山廃仕込み特別純米酒(無濾過生原酒)

原料米 山口産「山田錦」(精米歩合60%)

酸度 1.8 アミノ酸度 ?

日本酒度 +5 アルコール度 17-18%

酒造年度 H20BY

【630キロ仕込み】の実力酒

 6月に入って最初の週末は、東京では金曜の夜から土曜にかけて、2週連続での雨の日となりました。

 そんな雨の週末の夜に、先月WEBサイト上のSAKE SHOPをチェックしていて、チョット気になって購入しておいた酒を、じっくりと呑んでみることとしました。

 それがコレ【長陽福娘 山廃仕込み特別純米酒です。

 このお酒は、山口県新酒鑑評会の「純米の部」において、過去5年間で3回最優秀賞を受賞したという実力酒なのですが、1回の仕込みでタンクに投入される「総米」(麹と蒸し米の総量)が630キロ(通常は1000~1500キロ)という徹底した小仕込みの為、1つのタンクから出来るお酒が一升瓶で700本程度と少なく、これまではほとんどが地元で消費されてしまって、あまり県外に出回ることがなかったそうです。


 香りは「すもも」のような果実の香りに、「バニラ」を想わせるやや甘い香りが組み合わさった、「ほんのり甘酸っぱくて穏やかな香り」で、香りだけでは山廃仕込みとは判らないような印象です。
 口に含むと、明快に主張する酸が感じられますが、優しい甘味と膨らみのある旨味とのバランスは取れており、余韻は長めで後口もしっかりとしています。

「飲み口は優しいが、充実感のある芳醇な味わいのお酒」で、良い意味で山廃仕込みっぽくない香りと味わいの特別純米酒でした。


 このお酒の味わいからして、料理との相性は幅広いと思われましたが、まずはこの時期が漁期の

【富山産 白海老の釜揚げ】からです。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  「白海老」は富山湾の宝石と呼ばれ、生で食べると独特のねっとりとした食感と甘味があり美味しいのですが、一尾一尾自分でむき身にするのはかなり大変な作業なので、近所の食品スーパーで見かけてもチョット買うのを敬遠していました。

 ところがたまたま新宿のデパ地下で、「釜揚げ」にして売られているのを見つけ、そのままでも食べれるということだったので、試しに買い込んできました。(実際には殻がやや気になりましたが)

 軽く醤油を垂らして食べてみると、ほのかな塩味の後で噛み締める程に白海老の甘味が出てきます。

 合わせてみると、「長陽福娘」の充実感のある味わいが「白海老」の繊細な味わいにやや勝ってしまう感もありましたが、お酒が料理全体を包み込んでゆくような組合せでした。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては、白カビタイプのチーズの中からフランス産の、

【ル・パイエ・ド・ブルゴーニュ】
を選んでみました。
 このチーズには白カビ特有の硫黄のような香りはほとんど感じられず、また外皮が薄くて舌の上で溶ける程クリーミーかつ優しい味わいなので、ある意味で癖が無くて食べ易いタイプであると言えます。

 合わせてみると、お酒の優しい甘味とチーズの程好い塩味のバランスが丁度良く、また「長陽福娘」と「ル・パイエ・ド・ブルゴーニュ」のそれぞれの異なる二種類の旨味が組み合わさることによって、全く別の美味しさの旨味が生まれてくるような印象を受けました。

■【利き酒師世界一】のひとり言■

 ところでこのチーズは、5月の初旬にチーズショップから購入したものを、中身がトロリとなるまで約1ヶ月間自宅の冷蔵庫で熟成させていました。

 シェーブルチーズのように、乾燥させながら熟成させるものに比べると、白カビタイプのチーズの熟成は割と簡単で、約12cm四方のタッパウェアに硬く搾った濡れ布巾を敷き、そこに薄い包装紙を付けたままのチーズを置いて、さらにもう一枚硬く搾った濡れ布巾を乗せ、蓋をして冷蔵庫に保管すればOKです。

 是非一度お試し下さい。