■土用の丑には【鰻に合う酒】 | ■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

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●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【手取川 山廃仕込 純米酒 

■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…
蔵元 吉田酒造店(石川県,白山市)

特定名称 山廃仕込み純米酒 

原料米 石川県産「五百万石」(精米歩合60%)

酸度 1.4 アミノ酸度 2.0

日本酒度 +5 アルコール度 15-16%

酒造年度 H20BY

土用の丑には【鰻に合う酒】

 7月14日に、関東地方の「梅雨明け」気象庁から発表されましたが、その後は最高気温が30℃を超える「真夏日」が続いており、周囲には早くも夏バテ気味の人も見受けられます。

 今年は19日が暦の上での「土用の丑」に当たり、昔からこの日には夏バテ防止に「うなぎ」を食べる習慣がありますが、それに合わせてデパートの日本酒売り場に、「うなぎに合う日本酒」というコーナーが設けられていたので、早速その中の一本を買ってきて、うなぎと一緒に楽しんでみることとしました

 純米酒を中心として、数種類のお酒が並んでいた中から今回選んだのは、
 【手取川 山廃仕込 純米酒】です。

 このお酒は石川県の吉田酒造が、昔ながらの山廃仕込みによって低温でじっくりと醸した純米酒なのですが、実はロンドンで開催されたヨーロッパ屈指のワイン品評会である、「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2009」SAKE部門(純米酒の部)で、最高位の「ゴールドメダル」を受賞している実力酒なのです。


 香りはやや強めで、「豆乳」を想わせる穀物類の香りや、「コンデンスミルクのような糖分が加わった乳製品の香りが感じられ、「ふくよかで厚みのある柔和な香り」が広がります。

 口に含むと、まずはしっかりとした酸が主張し、それに穏やかな甘味ときめ細かな旨味が加わって、後口にはハッキリとしたキレの良さがあります。

 コクは程好くありますが、酸がしっかりしていることもあって、ボリューム感はやや控えめに感じられます。

 全体的には「明快に主張する酸と、後口のキレの良さが特徴の、やや男性的な味わい」のお酒でした
 近所のスーパーには「土用の丑」セールで沢山の蒲焼きが並んでいましたが、今回買ったのは、
■【利き酒師世界一】のひとり言■
 【宮崎産ハーブ鰻の蒲焼き】
です。

 「ハーブ鰻」とは、天然ハーブを餌に加えて育てた鰻で、通常のものより身が柔かいのが特徴だそうで、値段も一緒に並んでいた「台湾産鰻」の倍以上しましたが、今回はチョット贅沢をしてみることとしました。

 売り場のスタッフに聞いた通り、皮を上にしてお酒を小さじ一杯程度振って温めて食べてみると、口に入れた途端にとろけてゆくような柔かさで、脂の乗った美味しさが広がります。

 早速「手取川」と合わせてみると、このお酒の特徴である明快な酸がず~と持続し、それが鰻の脂をキレイに流していってくれます。

 続いて粉山椒を振って再度合わせてみると、今後は味わいに複雑さが増して、個人的には山椒を加えた方が、より一層お酒との相性が良くなるように感じました。
■【利き酒師世界一】のひとり言■

 そしてもう一つ、鰻と言えば酒のつまみに欠かせないのが

 【鰻の肝焼き】です。

 いかにも「精が付きそうな」見た目で、口に入れると最初は香ばしいフレーバーとほろ苦い味わいが感られますが、噛みしめているとそれが次第に旨味とコクに変わってゆきます。

 そこに「手取川」を流し込んでみると、鰻の肝焼きとお酒の両方の個性を残しつつ、それでいてお互いを邪魔しないような印象を受ける組合せでした。


 今回このお酒を買った、新宿のデパートの「うなぎに合うお酒」のコーナーには、この他にも「西の関 純米酒」「梅錦 純米吟醸原酒」etc.の日本酒が並んでいましたが、今年は暦の上で7月31日が「二の丑」に当たるので、次回は別のお酒でもう一度鰻を楽しんでみたいと思っています。