■【630キロ仕込み】の実力酒 | ■日本酒と料理の相性を愉しむ…■

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●季節ごとの日本酒とお酒のアテとの相性を愉しむ【お酒の歳時記】です… ●

【長陽福娘 山廃仕込み特別純米酒
■【利き酒師世界一】のひとり言■  このお酒のデータは…

蔵元 岩崎酒造(山口県,萩市)
特定名称 山廃仕込み特別純米酒(無濾過生原酒)

原料米 山口産「山田錦」(精米歩合60%)

酸度 1.8 アミノ酸度 ?

日本酒度 +5 アルコール度 17-18%

酒造年度 H20BY

【630キロ仕込み】の実力酒

 6月に入って最初の週末は、東京では金曜の夜から土曜にかけて、2週連続での雨の日となりました。

 そんな雨の週末の夜に、先月WEBサイト上のSAKE SHOPをチェックしていて、チョット気になって購入しておいた酒を、じっくりと呑んでみることとしました。

 それがコレ【長陽福娘 山廃仕込み特別純米酒です。

 このお酒は、山口県新酒鑑評会の「純米の部」において、過去5年間で3回最優秀賞を受賞したという実力酒なのですが、1回の仕込みでタンクに投入される「総米」(麹と蒸し米の総量)が630キロ(通常は1000~1500キロ)という徹底した小仕込みの為、1つのタンクから出来るお酒が一升瓶で700本程度と少なく、これまではほとんどが地元で消費されてしまって、あまり県外に出回ることがなかったそうです。


 香りは「すもも」のような果実の香りに、「バニラ」を想わせるやや甘い香りが組み合わさった、「ほんのり甘酸っぱくて穏やかな香り」で、香りだけでは山廃仕込みとは判らないような印象です。
 口に含むと、明快に主張する酸が感じられますが、優しい甘味と膨らみのある旨味とのバランスは取れており、余韻は長めで後口もしっかりとしています。

「飲み口は優しいが、充実感のある芳醇な味わいのお酒」で、良い意味で山廃仕込みっぽくない香りと味わいの特別純米酒でした。


 このお酒の味わいからして、料理との相性は幅広いと思われましたが、まずはこの時期が漁期の

【富山産 白海老の釜揚げ】からです。
■【利き酒師世界一】のひとり言■  「白海老」は富山湾の宝石と呼ばれ、生で食べると独特のねっとりとした食感と甘味があり美味しいのですが、一尾一尾自分でむき身にするのはかなり大変な作業なので、近所の食品スーパーで見かけてもチョット買うのを敬遠していました。

 ところがたまたま新宿のデパ地下で、「釜揚げ」にして売られているのを見つけ、そのままでも食べれるということだったので、試しに買い込んできました。(実際には殻がやや気になりましたが)

 軽く醤油を垂らして食べてみると、ほのかな塩味の後で噛み締める程に白海老の甘味が出てきます。

 合わせてみると、「長陽福娘」の充実感のある味わいが「白海老」の繊細な味わいにやや勝ってしまう感もありましたが、お酒が料理全体を包み込んでゆくような組合せでした。


■【利き酒師世界一】のひとり言■  続いては、白カビタイプのチーズの中からフランス産の、

【ル・パイエ・ド・ブルゴーニュ】
を選んでみました。
 このチーズには白カビ特有の硫黄のような香りはほとんど感じられず、また外皮が薄くて舌の上で溶ける程クリーミーかつ優しい味わいなので、ある意味で癖が無くて食べ易いタイプであると言えます。

 合わせてみると、お酒の優しい甘味とチーズの程好い塩味のバランスが丁度良く、また「長陽福娘」と「ル・パイエ・ド・ブルゴーニュ」のそれぞれの異なる二種類の旨味が組み合わさることによって、全く別の美味しさの旨味が生まれてくるような印象を受けました。

■【利き酒師世界一】のひとり言■

 ところでこのチーズは、5月の初旬にチーズショップから購入したものを、中身がトロリとなるまで約1ヶ月間自宅の冷蔵庫で熟成させていました。

 シェーブルチーズのように、乾燥させながら熟成させるものに比べると、白カビタイプのチーズの熟成は割と簡単で、約12cm四方のタッパウェアに硬く搾った濡れ布巾を敷き、そこに薄い包装紙を付けたままのチーズを置いて、さらにもう一枚硬く搾った濡れ布巾を乗せ、蓋をして冷蔵庫に保管すればOKです。

 是非一度お試し下さい。