白夜/ナナ
1. 白夜
極夜/ナナ
1. 極夜
2曲同時の配信リリースとなった、ナナのデジタルシングル。
再始動2周年を迎えた一方で、Dr.ジェッツさんが脱退となり、3人編成となったナナ。
3年目をうらなう2024年の第一弾リリースは、対になる2曲のシングルでした。
白を基調にした「白夜」と、黒を基調とした「極夜」。
いずれも、作詞・作曲はバンド名義になっており、現在の彼らの両軸を示しているといったところでしょうか。
「白夜」は、エモーショナルな演出を、ドラマ性を持たせた構成に散りばめた疾走ナンバー。
ガシガシとせめぎ合う生音と、繊細なフレーズを紡ぐデジタルサウンドを融合させ、現代風のヴィジュアルロックの王道を突き進みます。
ヘヴィネスを重視したパートをクッションとして使い、サビでのキャッチー性を高めるためのメリハリに。
爽やかに突っ走るエンディングと、重苦しく圧し掛かるエンディング、どちらにも転びそうな展開の巧さがあって、楽曲としての答えは示しつつも、リスナーにも問いかけていたようにも思うのですよね。
「極夜」は、2分半という短い尺に、テーマのすべてを凝縮したバラードチューン。
バラードとしては短すぎると感じるものの、Vo.山沖怜さんの表現力も成熟。
余白に想いを馳せることになり、大きなインパクトを残していきます。
ここから、まだまだ展開していくことも出来ただろうに、唐突に終わらさせたことで、むしろ平凡ではなくなった印象。
潔さすら感じましたよ。
シングルとカップリング、という位置づけでもハマりそうな2曲。
ただし、「白夜」を1曲目にするか、「極夜」を1曲目にするかで違う作品になるから不思議。
そういう点からも、並列に置いた意味を考察したくなるのは必然でした。
<過去のナナ(Nana)に関するレビュー>