蓄膿SHOW/美炎-BIEN-
1. 蓄膿SHOW
1年ぶりのリリースとなった、美炎-BIEN-のデジタルシングル。
衣装も黒を基調としたゴシックなものとなった彼ら。
楽曲についても、デカダンな世界観と歌謡曲を融合させたミディアムナンバー。
お笑い芸人による企画モノ、と侮るなかれ、歌詞が鼻詰まりに関するテーマであること以外は90年代のダーク系バンドの解像度が極めて高く、その完成度に驚かされます。
いわゆるバブル期にヒットした楽曲をなぞるだけでは、この再現度にはならないはず。
もともと好きだったのか、研究したのかはわかりませんが、間違いなくリスペクトは感じるのですよ。
蓄膿症の症状の重さを、ヘヴィでラウドなサウンドで表現。
ただし、過剰にヘヴィネスに寄りすぎることなく、メロディアス性も重視して、バランスが絶妙です。
シャウトも必要最低限といったところ。
ヴィジュアル系をデフォルメして面白おかしく伝えるのではなく、真正面からヴィジュアル系を再現したうえで、歌詞のナンセンスさを笑いにする手法は、色々な十字架が受け入れられたトレンドを押さえていると言えなくもない。
アルバムを出して終わり、と思いきや、続きがあったのは嬉しい限り。
この手の企画モノは、先細って自然消滅というケースも多いため、年1でもいいから、動きを見せてくれたのはありがたいですね。
<過去の美炎-BIEN-に関するレビュー>