鼻吹雪/美炎-BIEN-
1. 鼻吹雪
2. 鼻吹雪(Dirty Orange Remix)
3. 鼻吹雪(Instrumental)
鼻水木/美炎-BIEN-
1. 鼻水木
2. 鼻水木(Wolf Kid Remix)
3. 鼻水木(Instrumental)
テレビ番組「有吉の壁」発。
鼻詰まり系ヴィジュアルバンド、美炎-BIEN-による1st W シングル。
チョコレートプラネットとパンサーのメンバーにて結成された企画バンド。
定期的に登場するお笑い芸人×ヴィジュアル系バンドの系譜であるが、Vo.Kushamiこと長田さんがプロデューサーとして作詞・作曲も担当しており、ネタ色を取り入れつつも、正攻法で音楽を楽しもうとする姿勢がうかがえるのでは。
パンサーについては、向井さん、菅さんのみが参加。
もうひとりの尾形さんは、過去に在籍していたが追放された、という設定になっているようです。
本作は、MV制作のためのクラウドファンディングの目標を大幅に達成し、円盤化デビューまで漕ぎつけた2枚同時リリースの作品群。
"鼻詰まり"というコンセプトを徹底すべく、完全生産限定盤は、ティッシュボックス仕様。
特典に、オリジナルマスクやスプレーボトルが付属するこだわりっぷりにも、ヴィジュアル系文化へのリスペクトを感じます。
代表曲でもある「鼻吹雪」は、疾走感のあるロックチューン。
ベースにあるのは、シーンの王道であるソリッドなビートロックで、だいぶ研究している印象ですね。
ポイントが高いのは、和楽器による雅やかなフレーズを全編的に織り込んでいるところで、世代的にドンピシャな90年代バブル期の残像をなぞるだけに留まらず、ここ10年でベタになった和風アプローチに昇華。
歌詞はともかく、まさかここまでクオリティの高い"ヴィジュアル系"を持ってくるとは想定していなかったので、素直に驚きました。
もう1曲の「鼻水木」についても、祭囃子のような和メロを前面に押し出しており、タイプは違えど、音楽性としての統一感はあり。
どちらかと言えば、歌モノ要素が強まっていますが、サビはダンサブルでキャッチー。
その辺のマイナーバンドよりも、メロディセンスがあるのではないか、と感心してしまいます。
赤と青、衣装によって世界観を切り分けるイメージ戦略もばっちりですよ。
カップリングには、ビートメーカーであるDirty OrangeやWolf Kidがリミックスを手掛けた別ヴァージョンも収録。
当たり前ではありますが、ちゃんと作られていて、色々な楽しみ方ができるのかと。
思い返せば、ヴィジュアル系特有のねっとりした歌唱法に、鼻が詰まっているのかと揶揄されていた時代もありましたが、それを踏まえて笑いに変えてやろう、というコンセプト設定だったりするのかな。
いや、さすがにそれは考えすぎか。
V系ファンからすれば賛否両論あるでしょうが、ヴィジュアル系がお茶の間に通じるコンテンツであるうちが花。
これも脈々と続くひとつの文化として捉えていきたいところです。