虫唾/gibkiy gibkiy gibkiy
1. ギラギラギラギラ
2. 認知的不協和
三部作のラストを飾る、gibkiy gibkiy gibkiyのシングル。
ライブ会場で先行発売され、その後、通販でも取り扱いを開始。
第一弾が青緑、第二段が赤ときて、第三弾はオレンジがかった色彩のジャケット。
第一弾から第二段への急激な変貌に比べて、なだらかな変化だったこともあり、かえって予想がつかない結果となりました。
収録されたのは、これまで同様に2曲。
「ギラギラギラギラ」は、性急なリズムによって強迫観念を植え付けるかのごとくセッションを展開。
同じフレーズを繰り返すだけのパターンが多いのだけれど、聴けば聴くほど追い詰められていくようなスリリングさに溢れていて、気が付いたら世界観に没入しています。
マニアックに特化したハードチューン。
なんとなく、merrygoround時代に演奏されていてもおかしくなさそうだな、と。
カップリング曲的な「認知的不協和」は、6分を超える大作。
退廃的で重苦しい世界観と、スローな演奏は、聴く人によっては我慢も必要になるでしょう。
しかしながら、聴く人を選ぶような楽曲ほど、彼らの濃厚なダークネスが詰まっていると言っても過言ではなく、とっつきやすさの欠片もないリスナーを突き放した姿勢こそ、Vo.kazumaさんを筆頭に、"名古屋系"のバンドたちがシーンの中で定着させてきたスタンスであるのも事実なのですよね。
三部作の最後にして、ここまでどっぷりと潜り込んだナンバーを持ってくるとは。
一般的に想像される"ライブ感のある作品"とはベクトルが異なりますが、とてつもなくライブを感じる2曲。
ピリっと空気が引き締まって、凄いものを目撃してしまったと立ち尽くすしか出来ない、あの感覚が体験できるほどの生々しさが再現されています。
ドスンと心に横たわる重苦しさ。
新年1発目のレビューにはおおよそふさわしくないであろう、禍々しいシングルをあえて紹介させていただきました。
<過去のgibkiy gibkiy gibkiyに関するレビュー>