Zealous/Y-xiz
1. Zealous
Y-xizによる7thシングル。
これまで、2曲同時のリリースを継続していた彼ら。
静と動、白と黒といったコントラストを強みにしていた中で、結成後初の1曲のみでの発表となります。
時雨さんをサポートベースに迎えてレコーディングされた「Zealous」は、作詞をVo.yeskさん、作曲をGt.You.さんが担当。
バンドサウンドにおけるY-xizの王道から、更にもう一歩踏み込んだ楽曲だと言えるでしょうか。
ザクザクと切り刻むハードな音像の中に、耽美なフレーズを織り込むお得意のナンバーであるのと同時に、これまでにないスケールの大きさを感じずにはいられません。
様式美的でもあるドラマティックな展開は、正統派のお耽美メタルの系譜。
疾走感のあるドラムのリズムに、ときに煌びやかに、ときに退廃的にインパクト重視のリフを重ねるだけでなく、yeskさんの歌唱についても、幾分オペラ歌謡風に仕立てている印象ですね。
さすがにアコースティック要素は見られないものの、これまで2曲で表現していたものを1曲で勝負してきた理由が感覚的にわかるほど、明にも暗にも振れる懐の深さがありました。
なるほど、ここに辿り着いたか、という第一の到達点となったのでは。
もちろん、ここが終着点ということではないであろうY-xiz。
まだまだ進化の途上という段階において、本作がどういう位置づけになっていくかは注目したいところです。
そろそろシーンに見つかってほしいバンドの、渾身の1曲。
<過去のY-xizに関するレビュー>