「Silence」「falldown」 / Y-xiz | 安眠妨害水族館

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Silence/Y-xiz

 

 

1. Silence

 

falldown/Y-xiz

 

1. falldown

 

ウェリタスのVo.yeskと、Scarlet ValseのGt.You.によるユニット、Y-xizによる3rd&4thデジタルシングル。

 

前作に引き続きの、2曲同時配信。

アートワークから想像するに、黒と白、相反する世界観を表現しているのだろうな、と。

アコースティックサウンドでしっとりと聴かせるウェリタス、正統派の耽美メタルを展開してきたScarlet Valse、そのどちらの音楽性も、あえて融合させずに自らに包含している彼ら。

本作では、黒と白で、その役割を反転させたと言ったところで、まずは出せる手札をわかりやすく提示したといったところでしょう。

 

「Silence」は、古き良き白系サウンドに、疾走感のあるメタル要素を強調。

浮遊感の中に激しさをもたらしています。

この繊細なメロディラインから、テロテロと速弾き全開のギターソロに繋がっていくとは、というありそうでなかった展開になっていて、初期ラルクにクサメタル要素をぶち込んで、様式美で再構築した白系メタルを体現。

完成度高くこれを再現できるバンドは数えるほどしかなさそうですが、ニーズは十分にありそうで、彼らの活躍次第では、数年後にはサブジャンルとして確立されているかもしれません。

 

「falldown」は、妖艶な歌声が濃厚に絡みついてくるアコースティックナンバー。

沈み込むようなアルペジオは、ダーク・ファンタジーのような世界観を纏わせて、シンプルな構成の中に奥行きや深みを与えています。

兎にも角にも、yeskさんの表現力が圧巻でしたね。

透明感のあるミックスヴォイスで幻想的な景色を浮かび上がらせたと思えば、わざと声を掠れさせて、サビのフックにする演出。

落ち着いた低音で語り掛けるようなメロディパートが続く場面でも、感情の動きを丁寧になぞっているようで、この武器があるから小細工も不要なのだ、と納得せざるを得ないクオリティなのですよ。

 

世界観とサウンドアプローチ、ふたつの軸で二面性を持つY-xiz。

やろうとしていることは面白いだけに、演出面でどこまで浸透できるかがポイントになりそう。

バンドサウンドがシングル、アコースティックがカップリング、というような関係性に落ち着いてしまうともったいない気もするので、ブレイクスルーが起こってほしいものです。

 

 

 

 

 

<過去のY-xizに関するレビュー>

「Guilty」「RING」