Monster's Theater Ⅲ / Leetspeak monsters | 安眠妨害水族館

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Monster's Theater Ⅲ/Leetspeak monsters

 

1. Draw into the story

2. Mr.Halloween

3. Phantom troops(Album ver)

4. Trick or Treat

5. Jolly retro!

6. Beltane

7. Deadly disco feat.NOKS

8. Underworld

9. Samhain

10. Avarice circus

11. Graveyard

12. Sleeping on the moon with flowers falling feat.Yagi

 

4年ぶりとなるLeetspeak monstersの3rdフルアルバム。

 

言わずと知れた、ヴィジュアル系シーンでもっともハロウィンが似合うバンドであろう彼ら。

久しぶりとなるフルアルバムは、明確にハロウィンにぶつけてのリリースとなりました。

タイトル通りの「Mr.Halloween」をリードトラックに据えて、愚直なまでの正面突破。

ヒップホップの要素をロックシーンに持ち込んだ個性的なアプローチも、賛否両論のフェーズを終えてすっかり受け入れられた形で、改めてホームグラウンドで勝負しようといったところでしょうか。

 

もっとも、彼らの提示するハロウィンは、近年に見られる浮かれたパーティーではありません。

ダーク・ゴシックなイメージのある北欧文化を取り入れつつ、そこにファンタジーを加えてシアトリカルに再構築。

結果としてパーティーソング的なアウトプットになった楽曲はあるものの、「Beltane」は春、「Samhain」は冬のお祭りをテーマに制作している等、源流に沿った本格派路線を貫いています。

要するに、素直に格好良いということ。

こんなに硬派にハロウィンを表現しようとしたバンドが過去にあっただろうか、と言いたくなってしまうほどですよ。

 

シングル曲も多く散りばめられた作品ですが、やはりまずインパクトを打ち出すのは「Mr.Halloween」。

彼らの代名詞とも言えるミクスチャー・ロックに仕上がっていて、ゴシックなサウンドに乗せて繰り出されるラップパートは、実にスリリングな演出になっていますね。

構成としては、序盤にラップを多用する楽曲を固めて、終盤にロック色が強いナンバーを放出。

「Graveyard」から、初回限定盤にのみ収録された「Sleeping on the moon with flowers falling feat.Yagi」に抜けていく疾走系ハードチューンのコンボは、彼らにとって邪道になりかねないとはいえツボなものはツボ。

前作「Monster's Theater Ⅱ」のクロージングでは、歌モノに寄せすぎて違和感を生んでいた部分があったものの、本作ではあくまでゲストとのコラボレーション枠という位置づけ。

普段と違っていてもウェルカム、という心の余裕を与えていたのが結果として効いたのでは。

 

なお、通常盤では最後の楽曲が「Hide and seek(Album ver)」に差し替えられているのでご注意を。

11月に入ってしまいましたが、まだまだハロウィンの残り香を楽しめそうな1枚。

 

 

<過去のLeetspeak monstersに関するレビュー>

Monster's Theater II

Monster's Theater

Mixtured night between Life and Death

Storyteller in the Strange Night