Monster's Theater II / Leetspeak monsters | 安眠妨害水族館

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Monster's Theater II 【初回盤】 / Leetspeak monsters

 

1. The Mysterious Theater

2. Gothic

3. Monster's Party

4. Enchant

5. Antique store

6. Spookyland

7. Party in the midnight

8. Keraunos (feat.THUNDERBOiiiZ)

9. 13th Friday night

10. Curtain call

 

Monster's Theater II 【通常盤】 / Leetspeak monsters

 

1. The Mysterious Theater

2. Gothic

3. Monster's Party

4. Enchant

5. Antique store

6. Spookyland

7. Party in the midnight

8. Keraunos (feat.THUNDERBOiiiZ)

9. 13th Friday night

10. Shooting Stars

 

 

墓場の街、グレイヴタウンからやってきたLeetspeak monstersによる2ndフルアルバム。

2タイプ同時でのリリースとなり、初回盤にはMVが収録されたDVDが付属するほか、1曲が差し替えられています。

 

HIPHOPコンテンツ、ヒプノシスマイクのナゴヤ・ディヴィションに楽曲を提供したことでも話題になった彼ら。

本作でも、Vo.D13さんによるラップを活かしたミクスチャーナンバーは健在で、ヒップホップとゴシックを融合させた音楽性は、やはり独自性が高いものでした。

THUNDERBOiiiZとコラボレーションした「Keraunos」も収録され、V系シーンに留まらない活躍の序章とも言えるでしょうか。

 

序盤は、求められているLeetspeak monstersを高いレベルで再現。

シリアスさとコミカルさは表裏一体と言わんばかりにコロコロ変わる表情で、シアトリカルに楽曲を展開していきます。

スピード感があって作品を勢いづける「Gothic」、ダークメルヘンな世界観に染め上げる「Monster's Party」が立て続けに送り込まれた時点で、本作が良盤であることは決定づけられたと言ってもいいほど。

「Enchant」のシアトリカルな構成も、たまりません。

 

少しずつ新機軸を見せ始めるのは、中盤以降から。

「Party in the midnight」から「Keraunos」への繋ぎは、現代的なヒップホップサウンドがクロスオーバー。

ゴシックな世界観にリスナーが慣れたかな、という頃合いで、少し違ったアプローチを見せています。

ブラックミュージックをルーツに持つトラックメークにはスリリングさが残る一方で、耳馴染みが良く、キャッチーに聴かせる色気が出てきた。

ヒプマイから辿ってきたライト層にも、とっつきやすいパートになっているのかと。

 

もっとも、この流れを受けての「Curtain call」は、さすがに賛否両論はやむなしでしょうな。

ゴシックな雰囲気が薄れ、まさかの歌謡メロディが飛び出してくる。

バンドサウンドも、D13さんの歌唱も安定しているのだけれど、それでも違和感は拭えず、戸惑ったというのが正直な感想。

良い悪いでどうのこうのというより、あまりに予想していなかった方向で締めくくられたので、面喰らってしまいました。

ジャジーテイストな「Shooting Stars」でクロージングする通常盤のほうが、ビギナーにはおススメですかね。

 

既に、この音楽性で市民権を得てきた感があり、確固たる地位を確立するのも時間の問題。
その中で、次なる一手を見据えてチャレンジを仕掛けてきたのは素直に評価したいところです。

トライアンドエラーが、次回作への布石になっていることを期待したくなる1枚。

 

<過去のLeetspeak monstersに関するレビュー>

Monster's Theater

Mixtured night between Life and Death

Storyteller in the Strange Night