sacrifice / ディオーラ | 安眠妨害水族館

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sacrifice/ディオーラ

 

1. sacrifice

2. 運命開化(2018.09.03「愚民の日2018ダイバーシティを独裁せよ-」)

 

"ネオダークネス"を掲げるディオーラの2ndシングル。

2019年、ライカエジソン限定でのリリースとなりました。

 

収録された「sacrifice」は、メロディアスなダークチューン。

コテコテ系に傾向する企画なのかと思いきや、ストレートな90年代オマージュには頼らないというのが、彼らの矜持ということなのでしょう。

方向性としては、1stシングルと同様に、DIAURAとしても成立する楽曲を、当時のサウンドで再現するアプローチ。

メタリックにアレンジし、シンセで装飾を、と詰めていけば、本隊でも十分に受け入れられるナンバーに仕上がりそうなところを、あえてアナログで演奏していました。

 

スピード感は相応にあるも、ツタツタと激しさを前に出したよくあるリズムではなく、複雑性の高いものを用いて。

中毒性を生み出していくと、シンセ風のギターのリフを加えて、世界観を演出します。

雑に言うと、PIERROTからの影響をディオーラなりに昇華したと捉えるとしっくりくるのかな。

そう考えると、イントロでのドラムもオマージュっぽいですね。

 

なんだかんだ、Vo.妖華さんによる艶やかなメロディラインはテンションが上がる。

先入観なしにさらっと耳にすれば、王道的な要素も持ち合わせています。

だからこそ、アナログな演奏にもこだわりたい、というのが本作での醍醐味。

ボリュームはやや少なめではありますが、その分、力を入れてきましたね。

 

カップリングは、「運命開化」のライブバージョン。

1stシングルでも表題曲として収録されていた楽曲でしたが、2ndシングルでは、より生々しいものとして再収録。

ディオーラとしてのライブテイクがほとんど存在しないことを踏まえれば、貴重な資料でもあるのかな。

煽りの台詞なども込みで聴くことができるため、オリジナルと聴き比べても面白そうです。

 

2020年でのライブも決まって、再び闇から帰還したディオーラ。

今回も一時的な活動なのか、今度こそいよいよ本格活動なのかはわかりませんが、楽曲の完成度が高いだけに、しっかり曲を育ててほしいな、と願わずにはいられません。

 

<過去のディオーラに関するレビュー>

運命開化