星なき夜 / 梟 | 安眠妨害水族館

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星なき夜/梟

 

1. 泥棒のマーチ (Acoustic ver.)

2. NEO TOKYO (Acoustic ver.)

3. 「BitterChoco」 (Acoustic ver.) 

4. ビニールチルドレン (Acoustic ver.) 

5. 「接吻」 (Piano ver.) 

6. 人間じゃない (Acoustic ver.)

 

フルアルバムの発売が間近に迫る梟が、6月にリリースしたアコースティックアルバム。

 

これまでに発表してきた定番曲を、アコースティックアレンジで録り直し。

彼らとしては初の企画アルバムとなります。

ピアニストがメンバーとして在籍している彼らだからこそ、強みとなるのがアコースティックでの演奏。

バンドサウンドで違いを出す既存のスタイルも良いのですが、更に削ぎ落とすことで個性を極端化する本作のスタイルも、彼らにとっては本領発揮と言えるのでしょう。

 

ベースとドラムのシンプルだからこそのスリリングなセッションに、唯一の上モノとなるピアノ。

まず、アコギの音が聞こえないアコースティックアレンジというのが新鮮だったのですが、それでも楽曲ごとに大きく表情を変えるから面白いなと。

Vo.Yoshiatsuさんもアドリブを多めに入れてくる印象で、お互いの顔を見ながら演奏しているような人間味も感じられます。

完全にピアノ1本で演奏を成立させる「接吻」が、むしろ普遍的と感じてしまうほど、ピアノ+リズム体という編成でのサウンドがハマっていました。

 

また、「人間じゃない」ではアンサンブルにギターも加えています。

アコースティック編成ですので、デジタルサウンドやエフェクトは排除されているものの、ロックアレンジの別解釈と言っても良いであろう仕上がり。

「接吻」からのギャップもあって、なんだかんだで帰るべきところに帰ってきたような安心感。

その空気のままクローズするのも、フルアルバムが控える中、次の展開に期待させる引きとして機能していたのでは。

 

ちなみに、デザインも秀逸でした。

ブックレットには「星なき夜」のタイトル通りの夜空が描かれているのですが、CDを開くと半透明のシートが封入されていて、それを挟むと星空に様変わり。

CDで手に入れる意味を提示してくれる1枚です。

 

 

<過去の梟に関するレビュー>