The End Of Lastperia/Deathperi
1. Deathperia
2. Bloody Red
3. 溺れる光
4. 三日月と君
5. Lost…
6. 死伽藍鳥
主に弾き語りのスタイルで活動するシンガーソングライター・蛙花景さんが在籍していたDeathperiの音源集。
Deathperiは、2016年から2018年にかけて活動していたコテコテ系バンド。
28日のイベントで1日復活が決定し、それに向けて活動時には残すことができなかった音源集の制作に至ったとのこと。
制作期間等の関係上、実質的に蛙花景さんのセルフカヴァー的な意味合いが強まったようですが、あえて骨太なバンドサウンドにこだわったアレンジに再構築されていて、ライブでの盛り上がりを予見するような仕上がりです。
1曲目の「Deathperia」は、登場SEの位置づけ。
ワンフレーズをシャウトする発狂系ナンバーと捉えても良さそうな攻撃性は、作品の方向性を端的に示しています。
大きくは、「Bloody Red」、「三日月と君」のような、ダークな要素を散りばめながらメロディアス性を引き立てる楽曲と、「溺れる光」、「Lost…」に見られる、激しさを重視したギミックをサビのメロディとのコントラストとして用いる楽曲に二分される印象で、本作だけを聴けば、とにかく中央突破で勝負を仕掛けてくる王道っぷり。
意図的にアッパーな楽曲に絞ったとのことであり、幅を広げるよりも深掘りに特化したのでしょう。
いずれにしても歌メロの強さは目を見張る。
実際はもっと音楽性の引き出しは持っていたのだろうと想像すると、フルアルバムがリリースできる規模までステップアップ出来ていれば、相応の名盤を残していたのでは、などと考えてしまいますよ。
通販で取り扱いが開始されると同時にソールドアウトしたことを踏まえれば、もっと早くシーンに見つかっていれば、違う未来があったのかもしれません。
ラストに送り込まれたのは、これぞコテコテ系な暴れ曲「死伽藍鳥」。
煽りの台詞に発狂シャウト、ツタツタなリズムまで搭載され、イチゼロ年代後半のバンドとは思えない時代錯誤的なアプローチがたまらない。
最後の最後までやりたいことを貫き、1本の軸を通しきったといったところです。
なお、蛙花景さんはVo.黒華(Kanaha)としてクレジット。
今更ですが、"あはなけい"って、当時のステージネームを逆に読んだものだったのですね。