君を小さくする魔法/ぶえ
1. 君を小さくする魔法
2. すきま
3. 負犬狂乱
先行して配信版、後にCDでのリリースとなったぶえの2ndシングル。
CDは、ライブ会場と一部店舗限定での販売。
同時発表ではなく、配信版を先行させるスタンスを結成時から徹底している彼ら。
CDが手元に届くころには、すっかり聴き込んでいる状態というのも、なかなか新鮮な感覚です。
ラウドサウンドに平坦なメロディを乗せ、独自の世界観を展開。
サウンドアプローチは継続性重視といったところなのですが、その前衛的なセンスは、早くも次のフェーズに進出したと言えるのでは。
彼らの武器である変態性の高い歌詞世界は、身近に潜んでいそうなリアリティがあってこそ。
非現実性を排除して、生々しさをもたらすべし、というのがセオリーでしょう。
しかし、この「君を小さくする魔法」については、ファンタジーを前提に変態性を構築。
軽犯罪者のマインドで魔法を手に入れてしまったら、という誰も手を出していない設定で、リアリティを表現するという段階にまで進化していました。
「すきま」でも、その設定とリンクする部分が見られ、どこまでもニッチな方向に突き進む。
ギミックを強めて前衛的に攻める「負犬狂乱」も含めて、相変わらず、インパクトは絶大な内容に仕上がっています。
音楽性としては、どちらかと言えば中毒性を高めるタイプであるにも関わらず、毎回毎回、ショッキングな演出で驚かせてくれるから面白いな、と。
なお、自主盤倶楽部では、前作に引き続き、CDR「悪趣味音源 弐」が付属。
美しいSEに乗せて、ノイズまじりの作文を読むというナンセンスな内容になっており、無理に手に入れるほどでもないけれど、妙に気になるという、これまた特典としては絶妙なラインを突いています。
このシリーズ、どこまで続くのかも気になりますね。
<過去のぶえに関するレビュー>