狂依存/「#没」
1. 狂依存
3連続リリースを敢行した「#没」の4thデジタルシングル。
TwitterのRT企画にて、無事、1月末に発表されることが確定していた連続リリースの最終章。
いよいよ届けられた「狂依存」は、骨太なバンドサウンドで、ミクスチャーテイストに仕上げたヘヴィーチューンでした。
うねるような重低音のリフに、シリアスに刻まれるリズムが、どこか不気味な雰囲気を醸し出す。
アンニュイなメロディと、鋭いラップが交互に織り込まれるのも特徴的です。
音楽性をひとつに決めつけず、色々な方向性を探っているように見える彼らですが、なんとなく、これがハマったな、と。
ヘヴィネスの中にラップを落とし込むことで、重苦しくなりすぎず、メロディ部分で演出しようとしている浮遊感に上手く繋げている印象。
世界観が、より強固になっているのですよ。
メロディパートについても、声を張りすぎず、喪失感を連想させる歌い方が、じわりじわりと楽曲に影を落としていて、雰囲気モノの域を飛び越え、妙なインパクトを残しています。
ミックスのバランスがやや大袈裟すぎる気はするものの、新境地的なアプローチにより、潜在能力の高さを示した形。
コテオサ路線のギミックを踏襲しつつ、世界観が軽くならない方法論を見つけ出してしまうとは。
王道ではないだけに、時代が時代であれば、カップリングやアルバム曲になっていたのかもしれませんが、単体で聴くからこそ発見できる要素もあって、デジタルシフトさまさま、あるいは連続リリース企画さまさま、と言えなくもないのでしょう。
本作も、通販やライブ会場ではCD盤での購入が可能。
やや割高感はあり、コレクターアイテムとなりますが、現物主義、懐古主義への配慮もばっちり。
化ける可能性が見えた1曲です。
<過去の「#没」に関するレビュー>